銀座2005/12/01 09:02

「銀座の恋とオペラロマン」の
公演が終わりました。

300席は満員、沢山のお客様ですが、
水曜日の13:30開演ですから、
客層はベテランの奥様方中心。

この舞台は、昭和36年、
日本は高度成長時代で、人は足早に歩き、
つい最近までの戦後色を払拭させる勢いで
生活しています。
登場人物は、可愛らしい目元と、
東京生まれらしい垢抜けた姿が
凛々しいオテクさん。
彼女の恋人で、毎日仕事に追われ、
休む間もなく働き、
彼女に会う事が生きがいのような、
純情な青年キザノさん。
二人は音楽大好きで、休みの日は
必ず映画にコンサート、
そして何よりの楽しみは、銀座の街をぶらぶらし、
仕上げはここ銀座4丁目の音楽カフェで、
マスターの昔話に耳を傾け、
マスター自慢の音楽を聴いたり、
よもや楽士に合わせて歌ったりする事です
今日もデートの途中でふらっと寄ると、
なにやらお酒まで出てきます。

なんて、設定でした。

3人のオペラ歌手達、少ない稽古期間で、
よくやってくれました。
芝居に対して真摯な態度で、
真面目に取り組んでくれるのは、
実に嬉しいものです。
「清潔な芝居」というのが、わたしのモットーですが、
会場の方々に楽しく伝わった様子。
帰るときの皆さんの和やかな笑顔が、
何よりの御褒美でした。

みんな、帰りは銀座の街を
自分達の青春時代を想い出しながら、
をぶらぶらしたのでしょう。
素晴らしい企画、王子ホール
「ぶらっとコンサート」、ブラヴォー

雨男の私ですが、
近畿に迫っていた雨雲も関東には来ず、
晴天に恵まれました。
早朝8時に銀座に着いた私は、
あまりにも清んだ空気と、
青い空に嬉しくなりました。

昔も今も、青い空、柳、
銀座彩る名優です。

表参道2005/12/02 23:50

今日は、表参道を満喫。
午前中に、車で着いて、
少し歩く時間がありました。
いつ歩いても、とてもきれいな通り。
程よい斜面と、陽射し。
歩道の広さと建物の高さも丁度良く。
老若男女、邦人外人、どれもバランスよい。
昔から、あたらしい建物と歴史ある施設が、
程よく集まっていましたが、
このところの表参道は、凄い。
特に、青山通りから、明治通り方面の
様変わりには目を見張ります。

同潤会アパートメントの跡地が、
ずっと気になっていましたが、ようやく、
周りの足場も取れて、お目見えしてきました。
その長く参道に沿った建物の半分は、
ガラス張りのテナント用途ですが、
驚いたのは、端っこの一角は、
昔のデザインのまま。
あれは、全部壊してから造ったのでしょうか?
それとも前のものを生かして、
耐震構造にし内外装工事をしたのでしょうか?

ベルリンに住んでいた頃、
借りていたアパートの私の部屋は、通りに面していて、
表参道にそっくりでした。
きれいな通りで、歩道の広さや、
道幅まで似ています。
近くにお城があって、よく庭を走りました。
レッスンに早朝行くときに、音出す場所なくて、
この広い庭で楽器吹いていたら、
3分で、小さな川の向かい側の男が、
顔出して、物凄い勢いで怒っていた。
そりゃそうか、6時でしたから・・

なんてことを
表参道を歩くと、いつも思い出します。
ケヤキの紅葉が見事でしたが、
銀杏の黄色には、敵いませんね。
代々木公園のほうまで行くと、
7本の銀杏が今最高です。
見てると、すっぱくなるくらい、黄色い!

というわけで、歩道橋から、
1枚写真。

さて、明日は岐阜。
明後日本番。
がんばらないと。

ブロッコリー 雪 そしてブラヴォー2005/12/05 23:53

岐阜大垣市に行ってきました。

野菜が美味しいんです。
打ち上げの居酒屋さんの料理も、
野菜のあまりの美味しさに、
ひたすらムシャムシャ食べていました。
ブロッコリーがとても美味しくて、
これは生産量日本一の愛知産か・・・
などと思いながら、またムシャムシャ。
貝割れダイコンだと思って頬張ったら、
なんか味が違う、、、苦くない。
調べたら、ブロッコリースプラウト、らしい。
これ、要するにブロッコリーの新芽だけど、
見た目は貝割れダイコン。
あまりに美味しいので、またムシャムシャ。
岐阜県でも相当量出荷されているらしい。
しかし美味しい、ムシャムシャムシャ。

写真は次の日昼食で食べたサラダ。
これも美味しい。
クレソンが、太くてしゃきしゃきで、
感心してムシャムシャ。
なんでもクレソンが自生している所が、
あるらしい。
水もいいんだな、きっと。
野菜と水が美味しいなんて、最高だ。

演奏会の日は、朝から冷たい雨。
メンバーの皆さん、私、ヒドイ雨男。
数々の公演に雨を降らせて来ました。
ゴメンナサ~イ!
おまけに、終わって会場出たときは、
ホコリッぽい湿気の匂いがして、嫌な予感。
そして朝、外は吹雪いてました。
大垣に初雪まで降らせてしまいました。
大サービスなのだ。

公演は皆さん、リハーサル以上の出来、
演奏に何の憂いも無く、
楽しくやらせていただきました。
松崎さんもイイ音でしたね。

しばらく寄れないかもしれませんが、
これからも頑張って!
大垣、ナイス!
メンバーの皆さん、ブラヴォー!

合掌2005/12/08 08:48

人はどこから来てどこに行くのでしょう。
水から上がったなら水に帰るのでしょうか。

同じ時刻に居ながらにして、
そこで居なくなる人と、まだ居なければいけない人と。

そうまでして生きていく事は
どこかに行く為なのでしょうか。

自ら生きようと試みているのか、
他力で生かされているのか。

わからないまま、
こうして私も生きています。

今感じている事が、
時間軸に沿った体験からなら、
時刻なんて要らないのかも。
80歳には80年のその時、
5歳には5年のその時、

でも、絶たれるのを見るのは悲しい。
そこで居なくなると、どこを探せばいいのかな。
想い出の中にはいるのかな。


知り合いが亡くなりました。
まだ若い30代半ばにして。

生きたいのに死んでしまった。
死んではいけないのに、いけないのに。
冥福を祈ると共に、
私の出来る事は、
彼を忘れない事、彼のためにも生きる事。

合掌

写真は、彼が学生時代、
私はまだドイツにいた。

1989年11月9日です。
ベルリンの壁が開き、数万人の東ベルリンの人が
西ベルリン側に、28年振りに来る事が出来た日。

午後家にいた私は、ただならぬ街の様子で、
テレビをつけると、溢れる街の人を
テレビカメラは映し出していました。

どこに行っても人人人、少し髪が栗色の、
東ドイツ人は、顔を強張らせて、
あても無く街を歩いています。

私は町の中心、ヨーロッパセンタービルのお気に入りの屋上に
カメラを持って出ました。
正面は西ベルリン反戦の象徴、
カイザー・フリードリッヒ教会。
取り囲むように何千何万の群集が歩いています。

シャッターを切った後、
人の群れを眺めながら、考えていました。

この人たちは、どこから来てどこに行くんだろう。
抑圧された28年間は動いていたのだろうか、、と。

時間2005/12/10 20:15

趣味の話なんてあんまり面白いものじゃないのは
解っているのですが、これは趣味でなく、こだわり。

葉巻なんですが、
はじめたのはもう12年前。
なぜ葉巻だったか覚えていないのですが、
きっかけはすごく単純。、
時間を区切りたかったからです。

煙草は吸ってはいけない年から吸っていましたし、
それなりに楽しさ、やましさ、反体制のシンボルとしての
喫煙のポーズや、酒の友としての役割も、
全部わかってやっていました。
合い間合い間に吸うのが、苦手で、
吸うときはジッと腰吸えて、右にグラス、左に煙草と、
バーンスタインよろしくポーズで、やっていました。

忙しくなり、朝から晩まで譜面見たり、アレンジしたり、
座りっぱなしで、あらゆる仕事をすると、
頭の切り替えが出来ず、脳に血が回らなくなります。
そのやたらと忙しい時期に、
ふと葉巻の楽しさも知り、はじめてみたら、
時間の区切りにもなるし、一日の〆にも最適、
お酒の友としては親友ランクの上です。
これ!って思い、それ以来。

ただ、最初はいけません・・・
持つ手の置き場もないし、
管理の仕方もわからない・・・似合いません。

そうなると、勉強です!
葉巻の歴史、生産地、輸入品の流れ、
ブランドによる味の方向、葉巻の長さと太さによる、
味の違いと喫煙時間の違い。
管理の仕方、育て方。
切り方、付け方、吸い方、捨て方。
いや、たくさんあります、
作法だけなら、お茶やお花の教室以上かも。
しっくり手に馴染むまで、5年くらいは、かかったな。

72%の湿度を保てるヒュミドールに入れ、
きれいに寝かせた葉巻たちは、
時折回転させてやります。
葉っぱを手で巻いてある葉巻は、植物として生きています。
母国キューバの気候を作り出してやり、
大事に数ヶ月管理すると、ある日箱を開けたとき、
私に語りかけてきます。

「ねぇ、次は僕だよ、今、今なんだから!」

そうすると、そいつを大事にホルダーに移し、出動です。
ゆっくり周りを火であぶって乾燥させ、
香りを閉じ込め、吸い口をきれいにゆっくりカットし、
焦がさないように、火をつけます。
オイル、マッチもいけません!匂いが移ります。

こうして、ゆっくり1時間。
煙をみながら、モノを思い、ストレスを飛ばし。


健康的な葉巻趣味。
煙草を廃止し、みな葉巻になればよい。

次はパイプの話題かな・・・

2005/12/12 15:13

今月24日は、NBAバレエ団「くるみ割り人形」の公演。
リハーサルに行ってきました。

ヨーロッパでは、クリスマスが近づくと、どこの劇場でも
くるみ割り人形の公演が増えます。
やはり、クリスマスの晩に夢を見るクララの話は、
子供から大人まで、この時期の楽しみです。
チャイコフスキーは、3つのバレエ曲を書きましたが、
私はなんと言っても「くるみ」が好き。
夢のあるシーンの一つ一つに、繊細なメロディーが
散りばめてあり、要らないものはひとつも無い。
G-Durを下るだけ、ドシラソファミレドで、
美しいメロディーが出来上がっているものもありますよ。

NBAバレエ団は、現在の大御所バレエ団から見れば、
次世代バレエ団でしょうし、いつもご一緒できることを、
嬉しく思います。
2年前に新演出で上演したものの再演です。
レフ・イワーノフ復刻版で、19世紀後半の、
オリジナルくるみ割り人形を垣間見る事ができます。

写真は稽古風景ですが、1幕最後の
雪のシーンは、総勢38人のダンサーが、
美しくも激しい舞いを披露します。

ご興味ある方は、こちらからどうぞ。
NBAバレエ団HPです。
http://www.nbaballet.org/

雲 苦悶2005/12/13 10:13

津田ホールの公演が終わりました。
女声3人による、トリプルリサイタル。

忙しい演奏活動の中、慌しい稽古と、
至らぬ点を補っていただいて、感謝あるのみ。
素晴らしい歌手と、ピアニスト、頭が上がりませんね。
私は黒紋付で前半、燕尾服にシルクハットで後半、
単なる狂言回しのMCでした。

依頼されて公演に出かけていくものと、
自分でやりたくて企画するもの、
どちらも大切ですし、準備と勉強は、欠かせません。
先天的右脳人間の私は、
何事でも頭の中で組み上がるのが頗る遅く、
先にやってしまう事が出来ません。
先にやると、後で心配になってくるんですね。
以前、何か閃いたんでしょうが、
さっさと企画を考えてしまい、終えた事すら
忘れて時間がたち、もう一度慌てて考える羽目に。
出来上がって片付けたら、下の方から以前書いたものが
出てきたんですが、よ~く見ると、今書き終えたものと、
寸分違わずなんで、ゲンナリ。
人の頭の中なんて、多少時間が経過しても、
結局大して変わらないんだと、実感。

今年も沢山の仕事があり、上手くこなせたものと、
自分自身の未熟さを思い知ったものもあり、
まぁ、いろいろですが、これからこれから・・・
勉強ですな、何事も・・・

写真は雲。誰が見ても雲。
あまりの青空と、白い雲に、
鞭打ちになるかと思うくらい、上向いてぽか~んと口あへなぁら、
写真取りまひた。れも、上手く取れないれ、、雲、、雲。

もう5年前ですが、極東ロシアに仕事で何度も行ったとき、
雲の見事さに、目を見張りました。
風が流れて、雲も一緒に来日ですが、
雲が発生する辺りは、すごい雲です。
何が凄いって、説明のしようがないですが、
羊が群れて沢山飛んでいる、、
いや違う、、、
マシュマロ工場の一日の出荷量を、、、これも違う、、

まぁ、雲はいいね。

空気は寒いけど空が青いと平和な気がします。
嫌な事あったら空見上げて、楽しい事でも空見上げ、
みんなこの下にいるのかと思うと、さぁやるぞ!
と、思うわけでもないですが、気持ちは大変いいものダ。

しっかりね2005/12/14 00:41

もう20年も教えている学生オケです。

みんなイイ奴、明るくて、真面目で。
いい話し相手、相談相手、飲み相手。

つい優しくしてしまいますので、ダメなんですが、
毎年確実に大人になって行く姿に、目を細めます。
OBになってからもみんなとは仲良しで、
良かった事、悲しかった事、困った事、
いろいろ話して、楽しさ数倍、辛い事は数分の一に。

私は自分の本番があるので聴けませんが、
24日に演奏会。ブルックナーの4番演奏します。

ブルックナーは、変人で、自分の部屋は礼拝堂だし、
ロマンチックだけど、女性には弱く、いや、
女性嫌いで有名で、追いかけられたり、迫られたりすると、
部屋の隅々まで逃げ惑うらしい。
作曲始めたのも遅くて、4番でもう50代後半。
「人生で一度だけ、私は女の子に接吻した。
以来ずっとそれを後悔してきた」とも、晩年言ってる。
神経症は有名ですが、ヤバイ話には、死体愛好。
事件現場に仏が出るとすぐに見に行く、、、って、何?。
ベートーベンやシューベルトの再埋葬のときも、
どうしても立ち会いたいと言い張った。
少女を愛し、しかし決して何も出来ず、
抑制と不満を飲酒と食事で埋めた。
72歳で、幼いときからの唯一の
恋人とも言うべき、ザンクト・フローリアン修道院の
オルガンの元に帰り、その後亡くなった彼は、
そのオルガンの下の地下納骨堂に葬られた。

なんなんだ、アントン!
教えてくれ、
君はなんだったんだ~!


そのくらい摩訶不思議な方。
現代人、日本人が理解できるのか・・・

しかし、みんながんばって!
良い演奏期待していますよ。

大好きなMオケへ

HARIBO2005/12/15 00:16

HARIBO

勿論知っていますね。
通称「グミキャン」これ、好物なんです。
でも、グミはドイツ語では「ゴム・・・」まぁ、ゴムっぽいが。
これ、あごの骨、筋肉を鍛える為に、
硬いらしいよ。

HARIBOの意味知っていますか。
これ、創始者の名前からです。
Hans Riegel (ハンス・リーゲル)さん、
1893年4月3日に、ドイツはボン(ベートーベンと一緒)生まれ。
なので、Ha-Ri-Boなんですよ。

15年前にドイツにいた頃からムシャムシャ食べていましたが、
今じゃなんという種類の豊富さでしょう。
日本じゃ、有名なGoldenBear と、写真のコーラ味、
位でしょうが、本国ではすごいことになっています。

マニアな方々もいろいろお勉強の様子で、
HPにアップされていますが、ネズミの形のマシュマログミは、
やめてくれ、って感じ。
コーラ味も2種類あって、Happy-Colaは、
どこでも手に入るスタンダードだけど、私好きなのは、
Fizzy Cola っていって、砂糖まぶしてある、
はじけるタイプのコーラ味。

裏見ると、成分が気になります。
まぁ、ゼラチンなので、大した問題ないのですが、
グルコースシロップ・・・
澱粉からアミログルコシダーゼにより製造される
いわゆる澱粉糖らしい・・・ わからん。
まぁ、美味いってことだな。

有名なGoldenBear の由来。
ドイツでは、Bear を地名にしている箇所(Berlinとか)
もあるくらい、熊をシンボルにしていて、お伽話の熊、
熊伝説だな。だから、HARIBOでもシンボル。
今年80周年を迎えて、周年記念HARIBOも出たらしい。

バナナ味のBananas、赤黒の野いちごBerries、
ハッカ味のBronchiol、Coffee Gumsは、大人味、
砂糖まぶした恐竜型のDinosaurier や、
気味の悪い、緑のデカイ蛙型のFrosche。
最悪なのは、Sali っていうラクリッツ味。
ラクリッツって、ドイツ人が好む・・・のか?
必ず入っている、考えられない位まずい味の、
漢方の様な粒。なんだかなんかの木の根から、
抽出しているとか・・ホントか?

ま、とにかく、HARIBO 美味いのだ。
そう思いません?

寒波2005/12/16 09:56

寒いですね。

寒いの嫌いではないが、日本の湿気を伴った冷気は、
たまらないです。空気は乾燥しているのだけれども、
足元から膝にサワサワと上ってくる奴らは、なんとも寒い。

ベルリンにいる時(って、最近すぐ思い出すのは、冬のせい)
知ったことですが、凍死って、脳がやられるのですね。
昔は、ニュースで<ニューヨークの街中で先週は10数人の凍死>
なんて聞くと、「そんな寒いところで、どうやったら死ぬまで
我慢できるんだろう」って思ったんですけど、
実は死んでしまうんです。
私も体験しましたが、マイナス10度くらいになってくると、
少し頭がキンキンしてきて、次第にちょっと思考回路が
鈍くなりはじめ、目がトロッっとしてくる。
これが危ない!
日本と違って、ヨーロッパは(ベルリンだが)、まるで湿気がなく、
冬の乾燥具合は、日本の比ではない。
外に立っていても、空気中の湿度が無いから、
肌で寒さを感じる事ができないんです。
-5~6度になっても、+2~3度の意識。
しかし、だんだん体の中からやられてくるので、
脳が凍り始めて、意識が遠のいてくる。
こうなると、眠るようになり始め、次第に凍死への
第一歩。
昔、映画[八甲田山]でも、
<おい!寝るんじゃない!起きろ!起きろ!
寝たら死んでしまうぞ~>って、隊長が叫び、
互いの頬を張り合っている場面見ましたが、
そのときも、
「あぁあぁ、あんなに雪に埋もれて、
いくら疲れているからって、寝る奴があるかよ!
パンパン叩かれても、起きないものかねぇ~」
って、コタツの中で御煎餅を頬張りながら思ったが、
それは、全くちがうのですね。

帰国寸前にモスクワで買った、頭を守る帽子がありまして、
ふかふかのウサギの毛で覆われたアレね。
教訓を生かし、頭守る事考えて買ったものの、
なかなか活躍できません。
日本で被っていたら、蒸れちゃって、頭かゆそうだし。
ましてや、地球温暖化で帽子棚の一番奥へと進み、
活躍なく春を迎えて10数年。 鎮座しています。

3年間のベルリンで一番寒かった経験は、
2年目の冬2月に、ビザの書き換えで、
外人局前に並んだとき。
その頃は壁が崩壊した後で、
大量の外国人がビザ取得申請に来るので、
朝一番でも、既にその日の分は締め切られ、
おのずから前夜から並ばなければならなかった。
午前0時から、8時間並んだ。外気温は、-20度。
脳が死ぬ事を知っている賢者のわたしは、
完全防備で臨み、着膨れで関取の様。
手袋も3枚、パンツは5枚(冗談)
一人ですから、本を何冊も読み、周りの中東系のお兄さん方の、
熱い視線にも耐え、でも寒くて、最期は般若信教を唱える始末。
死ぬかと思った頃、朝日のなか、時間を繰り上げて
局員さんが、ドア開けてくれたとき、喜びの声と共に、
皆歩き出したのだが、固まりきった膝の関節に、
体が言う事を利かず、ボーリングのピンのように、
全員将棋倒しになりました。

でも冬は、好き。
「ガンバレ!」っていう大地の叫びに、「おう、激励感謝!」

写真は表参道の森英恵ビルの前。
冬の陽と、葉が落ちたケヤキの木の下で、
首をすくめて信号待ちする、老若男女、外人邦人。
カウンター