名月2020/09/22 23:18

秋らしい日と言うのが少ないですね。
「秋ですね〜」と声を掛け合う日が
20年ほど前までは2週間はあったと思うが、
今はほとんどなく、良い日かと思えば、
翌日はまた猛暑であったり、
秋かと思えば台風が来てしまうのです。

と思っていましたが、
今日の月は誠に美しかった。

カメラを持っていなかったので、
I phoneで撮影しましたが、こんな素敵に写るのだから
単体カメラは売れなくなるはずである・・・。

中秋の名月、今年は10月1日であるそうな。
なんだか、それも満月では内装で、
ちょいと拍子抜けですが、それはそれで晴れて欲しい。

私はちっとも連休ではないのですが、
世の中はシルバーウィークであるらしく、
4連休の方が多いし、感染予防策の緩和から、
経済活動に出かけている方々も多いですね。
これがきっと来週あたり数字になって現れるのでしょうが、
共存共生を考える頭にシフトしているとは思うので、
騙し騙しワクチン行き渡るまでは行くしかないのかな。

音楽業界、演奏会も集客の制限がなくなってきて、
都市部から以前の形になっていきます。
・・・地方に行くと恐々なので、
残念ながら未だに50%を死守しようとするのです。
経済的に収支を合わせるには、50%でも無理ですので
少しでもお客様に戻ってくる気持ちになって欲しいです。

さて、連休が開けるので、
また頑張りますか・・・。

銀色の三味線2020/06/30 17:55

「それがB29で造った、
デュラルミンの三味線ですか。成程ね。」

この一節は、秦豊彦がペンネーム丸木砂土の名前で書いた
昭和23年発刊のエッセイ「銀色の三味線」の一行であるが、
何気なく読んでいて
「ほう!」っと膝を打ち感激したのです。

『ジュラルミン製の三味線があるのか!』
どんなにこの素材が好きな私でも
三味線にする発想は無かったのである・・・。

ジュラルミンはアルミ合金ですが、
愛好するドイツの鞄ブランド<RIMOWA>のメイン素材も、
戦後にユンカース(第二次世界大戦で活躍した
ドイツ軍の戦闘機)のボディー使用のジュラルミンに
ヒントを得て鞄の素材として売り出したものである。
そのデュラルミン製「銀色の三味線」という楽器の面白さに
咄嗟に感激したのである。

然しながら、その間隙はあまりにも浅はかな喜びであった。

銀色の三味線を爪弾くのは
、都都逸を歌う富士松時寿郎であるが、その都都逸が、

“アナタハンから戻ったあなた、
     もはやアナタハンへは帰しゃせぬ”

なんと艶っぽい粋な都都逸だ~と思ったものだ。
だが、エッセイのこの章を読み進めていくうちに、
そもそも「アナタハン」というのは島の名前で、
戦後この島に取り残された男性30人余りと
1人の女性の6年間が帰還後にニュースになり
事件としても取り扱われたのだった。
ルバング島の小野田寛郎さん、
グアム島の横井庄一さんの話は、
28年29年とあまりに長い時間潜伏した後に
発見された話として
幼少期のニュースで知ってはいるが、
都都逸を歌う方、本名丸山道郎さんと
生還者の6年間の話は
全くもって知らなかった。

少し調べてみると、アナタハン島のドラマは
その後映画にもなっているのですが、
奇怪奇妙な6年間の事件として扱われている事が多く、
ユンカースのジュラルミンで
喜んでいた事が恥ずかしいと思った。

しかし、世の中には、知っているようで
知らない事がまだ五万とあるのですね・・・。

さてさて1年の半分が終わってしまった・・・
コロナ禍でほぼ終わったようなものだが、
後半戦はとにかく舞台ができるように、少しでもまともに
音楽家が生計を立てられる事も含めて、
疫病に負けない人間になることにエールを送り続けよう。

紫陽花2020/06/04 23:44

庭に咲く紫陽花
二種あり、この写真は非常に濃い紫の品種です

家を建てた後に実家両親から送られた二鉢を
地植えして早13年ですが、
実は今年は百花繚乱の予想です。
毎年季節が終わると手入れをして伸びるのが早い
紫陽花の来年に備えますが、
こんなに成長著しいならもっと切っておけば良かったと思う。

紫陽花のすぐ近くに同じ頃に植樹したもみの木は、
あまりにも大きくなり過ぎて昨年根本から切りました。
すると突然この紫陽花が成長し始めたという事ですが、
ある程度広さがある庭でも、
もみの幹が太くなるほどに養分は必要となるわけで、
その恩恵を紫陽花が受けたのだと思います。

特徴的な変わった品種なので、
地植えでは育たないかと思った紫陽花ですが
そういう事かと合点しました。
まだまだ咲きますので、細やかな梅雨の楽しみですね。

ズブロッカ2020/05/27 15:52

なんだか物騒なタイトルで申し訳ないですが、酒の話です。
「ズブロッカ」と言いますが、ポーランドで売られ、
ロシアでも同名のウォッカがあります。

Vodka(ウォッカ)が好きで色々呑みますが、
このズブロッカ、我が家の冷凍庫の中に常に横たわっています。
ズブロッカと言うのは、何かというと・・・。
ポーランドの東の果てベラルーシとの国境にある、
ユネスコ指定の世界遺産でもあるヴィウォヴィエジャの森(!)
というヨーロッパ太古の自然が残る森があり、
この森に生えている草の名前が「ズブロッカ」なのですが、
英語ですと<バイソン・グラス>つまり水牛の草という意味です。

ネタで申せば、ラベルに水牛の絵が書いてあり、
非常に印象的なのですが、要するに、
水牛が大好きなズブロッカ(バイソングラス)を漬け込んだ
ウォッカ、という酒です。

ほのかに甘酸っぱく青臭い香りがズブロッカの美味しさですが、
全て飲み干した後に次のボトルに中の草を移すのです。
この作業を繰り返して、何本も溜まっていくのですが、
私も20年で草が7、8本になっています・・・出がらしです。
朝鮮人参酒などでも同じようなことしますね。
ま、しかし40度(80proof)ありますので、
そうすぐには無くなりません。

ウォッカというと、直ぐにロシアを連想する方が多いのですが、
実はポーランドはズブロッカが非常に有名であり、
ウォッカ全般においても有名産地です。
前述のヴィウォヴィエジャの森というものを調べていくと、
本当の太古のヨーロッパ原生林の姿が見られて美しいと
幾つもの記述があります。覚えられない名前ですが・・・。

酒呑みですので、自粛ステイホーム期間は
飲んだくれているのだろうと思われているのですが、
意外にそんなことはなく、普段の外飲み癖が出て、
家ではあまり深酒も無いという健康です。
外ではあまり飲まないズブロッカの活躍も多く、
そろそろニューボトルであります。

下世話ない噺2019/12/21 21:00

このブログを始めた、、、いつだろう
きっと高尚な大志を抱きながら
気がつけば世の中が変わり、
blog というもの自体が異物になりつつあり

そして私の投稿回数は減ったが
それでも日常と幻想の狭間を記そうかと
思っているもので
内容には拘らなければ書く必要がないと思っている

傍若無人な飯の写真なども
以前は多かったものも、
今では、最新のインスタでもあげる奴は少なく
食う、寝る、などの自然現象は
誰も興味も持たないので
滅多にみなくなっていると思うのだ。

ですが、敢えての飯の写真です。

私、大のトンカツ好きなのです。
牛より豚、とかいうよりトンカツ最高なのである。
牛カツ、うまいのですが、どうも違う。
旨塩にポン酢で食べる牛カツより、
中濃ソースとレモンをかけて、
カラシをトントンつけながら頬張るのは
最高のトンカツ冥利です。

で、地方に行ってもトンカツ屋を探すのが
大好きなのですが、普段の行動範囲でも
知らないトンカツ屋はあるものです。

ここ、、、偶然知ったの。
夜に仕事終わって1人でお腹空いて、
ふと振り返ったら地味な看板が出ていました。
店名伏せますが、肉屋が元ですな。

肉屋の肉料理は最高でしょう。
魚屋が寿司やって少ないでしょうが、
肉屋が店構えるって多いね。

トンカツの話ばかりで恐縮なので
筆を置きますが、、

書いていたら
またトンカツ喰いたくなった!

年の瀬2019/12/15 20:54

考えてみると
言いたいことも、書きたいことも
伝えたい事でもたくさんあるのですが

くどくどと書かない生活が続き
というより、私生活をあからさまにしない事も
多くなり、
ついついサボりがちなブログです、、、。

ブログ、という言葉さえ死語でしょうか、、

一緒に呑んだ若者に激励され
正月以来書いていない事も怒られてしまい
久し振りに書こうと思ったら年の瀬です。

早いものですね。

つまらない話でも良いでしょうか?
こんなトリスのおじさんの写真でも良いのか
自分の基準がわからないのですが、
それはそれで良いかと開き直りましょう。

月に2回ぐらいは書こうと思いました。
皆さんのご健勝をうれしく思います。

と、今年の締めに入る。

続く、、、

天災の祭典2018/09/30 21:50

今日も台風に怯える日になりました。
この時間、すでに電車も止まっております。

最近は天下のJRも、
「絶対動かす」なんてプライドよりも、
諦めを促し「早く帰れ」のコールは、
クレームを避けてのことなのか・・・。
しかしながら
「経験をしたことのないような・・・」
というフレーズが大変多く、
今回も暴風に関してこう言われます。

天気予報は当たらない、
なんて気象庁を侮っていたのは過去のことで、
正解確率は益々高くなり、各種イベントなども
天気予報で事前未然に対策を講じる次第。

今回の台風も近畿圏では
本日が目の当たりとして早々と予報し、
野外のイベントどころか、
ホールの屋内演奏会もお客様を考えて、
中止や延期をする団体を目にします。
難しいですねこの判断は。

予測不能な地震などの事後では、
流石に開催できないものもたくさんありますが、
防ぐために守るために事前に処理判断は
もっと難しいとも思います。

明日の公演のリハがあり、
どうやら多少の雨風はあったものの、
大きな憂き目にあわずに、
明日も台風をやり過ごしたあとに公演が
開催できる見通しです。
他地域を見ると喜んではいられないですが、
台風の進路によってはこういう幸運もあります。

しかしながらどの地域においても、
被害が最小限であることを祈るばかりですね。

写真はリユーアルのホール客席。
健在の真新しい臭いを嗅ぎながら、
これから愛される劇場にニヤリと微笑みたくなる
劇場大好きな私です。

切り口後(のち)の畜力2018/03/22 21:43

いろんな本を読みますが、
先天的誇大妄想症候群ですので、
すぐに影響を受けてしまいます。
小説など読むと深夜は眠れず、
朝だと一日中妄想だらけ。
行動に左右されそうで
ドラマは時間のある時しか
受け付けないようにしています。

昼間は実用本とか
新書的な研究本なんてうってつけ。
と思いながら買った本。

本屋のビジネス書の片隅です。

啓蒙本って嫌いなので
読みませんが
つい手に取ってしまった。
でも、ふ〜んくらいの興味。

美術史は
宗教と音楽の歴史に常に添うので
知識としても大切だし
知っているつもりだったりもします。

で、この本ですが、
帯がヤラシイ殺し文句。

「世界のビジネスエリートが
身につける教養」

確かにそうとも言えますが、、、

なんて思って読み進めますと、
意外に面白い。
簡潔ですし、
余計な時代は平気ですっ飛ばす。

切り口こそ勝負だったのでしょうが
こんなビジネス書でしたら
クラシック界にも当てはめて
上手くいけばビジネスマンに
興味を持っていただけるか?

例えば、、、

世界のビジネスエリートは
耳から教養を受けている

世界のビジネスエリートは
鼓膜で時代を聴き分ける

ビジネスエリートは
クラシック音楽こそブランドモード

ビジネスエリートが嗅ぎ分ける
フォーマルな内耳の宴

鼓膜に響くエリートの憧憬、
ビジネスは音と色の交差

妄想だらけなり。

売れないな、、、。
再考なり。

桜の落差2018/03/13 13:59

桜は鼻も敏感です。
気温の僅差か
ほんの数日で春になりますね。
寒桜も落山か、
そは儚き冬の名残です。

昼定食を頂きに頻繁に通う店、
魚が美味しく舌に優しい。
不規則な毎日を支えるランチの名所が
ビルの建て替えで立ち退きです。

昼御飯を頂きに通う贔屓の店、
肉が美味しく胃にも優しい。
様々振り回される毎日に強い味方が
後継者不足も祟り閉店です。

ううむ、集う場所がなくなる、
昼の舌鼓を打つ店が無くなるのは
寂しいですし困ります。
昨今は食材も値上げされ、
老舗は値上げしないで頑張るから
厳しくなり根を上げてしまいます。
残るのは何処の仕入れや解らぬ
大量生産を工場で賄う大手ばかり。

そう食欲に深く無いですが、
なるべく目の前で作る食事を頂きたいものです。

春は様々な機微に触れますが、
桜の花にも、
人知れずな気苦労が
ある気がいたします。

遅咲き2018/03/07 23:31

日常的に音楽制作の環境にあり、
様々な調整をしながら
人前に届ける仕事をしていると、
一人になるときには、
全く音のない、もしかしたら
ひと気も無い環境に逃げ込みたい
という疲労も感じ感傷に浸ります。

午後になりメッセージが入りました。
「イクエも来いよ、みんなで集まるから
サンシの店、ベンもポン、コウジが一緒」
ダイからである。

私の事をイクエなんて言う
フルバージョンのニックネームで呼ぶのは
中高の友達ばかりであるのだ。
(と言いながら大学から今までも
そう変わら無い奇跡的なN.N.)

少し遅れて行かれそうだったので、
板橋区の某所某店まで出掛けたのです。
昨今はフェイスブックなるSNSもあり、
有難迷惑な事には、会ってもいないのに
行動を知っているが故に懐かしさがなくなり
左脳と右脳がカチカチする再会です。

ベンは高校1年時の同級バンド仲間。
本当に35年ぶりかもしれ無い。
聞けばまだ10バンドも掛け持ちしている
最高なアマチュアミュージッシャンですが、
浮世を扱う世界で商才を発揮している。
ポンは、紹介されてから脳裏の襖を
100枚ほど開けた向こうの押入れから
取り出した記憶に見つけた。
だって1学年下のバンド仲間の仲間だったし、
当時はテクノカットでしたが、
変わらぬ笑顔と当時からのタメ口で鮮明に覚醒。
コウジは学校違いで実は初対面でしたが、
みんなの地元仲間で、
元不良(皆そうですが)のままの格好良さ。
でもやっぱりSNS登場で初対面じゃない。
サンシ。この店のオーナー。
兎に角コイツに会いたくて行ったようなもの。
義理の堅さと人情の深さは誰にも負け無いが、
昔で言うオタンコナスな性格が愛されていた。
今でもパソコンも持たずフライパンと口達者で
人間関係を魅了しながら店を経営し、
会った人全ての心に存在のクサビを
打ち続けている奴、変わらない。

もうこんな出演者ばかりだと、
小説が第5巻<そして冒険へ・・・>まで
書けそうなほどの濃いぃ奴ら。
40年前の高校時代の、とある1日の放課後での
一言放った時の表情まで覚えてやがり、
当時の言葉尻を思い出して今頃大声で問い詰めてくる。

深夜まで続く会話と笑いに
鬱蒼とした毎日の手垢なんて
一気に吹き飛んだのでした。
呼んでくれたのは現役ミュージシャンのダイ。
高一の4月、入学式の日のクラスで
最初に見かけた印象と何も変わら無い
華奢で瀟洒、呑気で屈託ない心意気の輩。
ありがとう。

まったく面白い。
これだからもっと長く生きてみるものだ。
遅咲きであればまた其れも美しい。

寒桜でしょうが、咲き誇っています。
コイツを見上げるのは2年目になりましたが、
辺りを僅に窺い口角も3度ほど上げて鑑賞する気持ちも
出てきている気がするのです。
まだまだ寒い日が多いですが、
今日は40年前の桜が咲きました。
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