劇場の神2007/07/14 23:06

何処の劇場でも、必ず神が宿っているものです。
劇場の神は、天井高いところから、
毎日、舞台を使用するものたちを眺め、
悪戯をして見せたり、お眼鏡にかなうと、
とても好意的に協力をしてくれたりします。

昨日は、劇場の仕込みから始まって、
夜がバレエ団とオケの合わせでした。
バレエは、30周年記念事業で、
この公演の為に1年間に渡り準備をしてきた。
出演者は小さな子供から大人までいて、
大きな公演になると、準備に大童です。
オーケストラは葛飾フィル、
地元によって支えられているアマチュアオケです。
オケのいつものホームグラウンドである、
葛飾シンフォニーヒルズのモーツァルトホールは、
都内でも屈指の響きの良いホールとして人気があります。
ただ開館以来、江東区、墨田区にもホールが整備され、
私の目には、少し元気のないホールに映ります。
30周年事業で大きな舞台を初めて使うバレエ団、
オームグランドでありながら、あまり使用しない、
オーケストラピットに入って演奏するオケ。
この日の合同リハは、様々な案件解決の必要もあり、
時間をフルに使いながら、調整を重ねます。
オーケストラも、上下(カミシモ)に広がり、
いつもとは違う響きに途惑って演奏・・・。

劇場の神は、遠くから笑っています。

今日は、午後にゲネプロ、夕方から公演。
台風の影響から残念な天気ではありましたが、
劇場に入れば一切関係ありません。
公演に向けて精一杯やるだけです。
前日の洗礼が効いたのか、オケもさらに調整し、
お互いを信じあいながら、演奏が始まりました。
明らかに、昨夜とは違う音の響きです。
1曲目の<こうもり>序曲が終った時、
私は、「これはツイテイル、劇場の神有難う」と、
遠い天井を見上げウィンク。

何処の劇場でも、頭を垂れて入っていき、
三つ指ついて挨拶すれば、神は笑って迎えてくれます。
こんな風に全日の厳しい洗礼を受けても、
練習後にいつまでも音を出して練習し、打ち合わせし、
次の日の為の準備を怠らない
彼らの真摯な態度をみていたのでしょう。
天井で笑いながら魔法をかけてくれたようです。
すばらしい公演になりました。
本番が一番良い演奏、バレエも見応えがあり、
記念の公演に花を添えられて良かったです。
葛フィル、いつも地元に愛されるオケでいてください。
カーテンコールの舞台で挨拶したときに、
また一緒に演奏できる機会があることを、
劇場の神にも頼んでおきました!
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