打弦2007/04/27 01:38

日頃、大変世話になっている
元大使御夫妻に招かれ、演奏会へ。
催し場所は、我街の素晴らしいホールです。
以前にも紹介しましたが、
ここと同じ規模でのここまで素晴らしいホールは、
私が知る限り、半径20kmには無いはず。
御夫妻は、この限りなく私設に近い、
200名のホールを所有する方の仲間という事で、
今回は、ここでの催しとなったのである。
海外で駐在大使として活躍されていた頃より、
文化芸術に愛情を持って接してくださり、
多くの演奏家がとても心強い恩恵に預かっている。
勿論私へも、日頃から応援してくださり、
精神的にも非常に強い味方であるのです。
感謝。

時折、素晴らしい演奏家を紹介するように、
演奏家を企画され、有意義な時間を作って下さるが、
今日もまた大変興味深い、そして近いうち、
もっと身近な関係で一緒に演奏する事があると、
予感される2人でした。

ひとりは、中国楊琴を操る薇薇(ウェイウェイ)さん。
そしてもうひとりは、ドイツから来日した、
ツィター奏者のWilli Huberさん。
これ読んでいる方々、
中国楊琴と、ツィター、お解かりだろうか?
中国楊琴とは、簡単に言うと、
弦を張った筝を棒で叩いて演奏するのである。
対してツィターは、棒で叩かず、指で弾くのです。
・・・あまりに乱暴な説明なので、
少し細くするのが正義ってものでしょうね。

棒は竹で出来ており、先はスプーンの様に、
打弦する面があります。表はゴムで柔らかく、
裏は竹のままで、とてもシャープな音。
もともとスチール弦で、良く響く音は、
楽器自体が共鳴体であるのです。
同じ音に5本もの弦がある音もあり、
全部で120数本の弦が張ってあるのが凄い。
楽器を近くで見ると、
発電所近くの高圧線を張り巡らした場所みたいで、
電磁波で大問題の地帯の様相である、、。
演奏は軽やかで、細身の彼女にピッタリな、
中国伝統楽器であるのだ。

さて、ツィター。不思議な名前ですが、
これは南ドイツからチロル地方伝わる伝統楽器、
手前の5本の弦は、フレット付きのメロディー弦。
丁度スチールギターの様に左手で押して、
右の親指のつけ爪で演奏する。
残り30数本の伴奏弦は右手4本指で弾くのだが、
数ミリ間隔の弦を、巧みに弾き分けていると思うと、
指の太い大男には絶対に演奏できそうもない。
Willi Huberさんは、作曲もする若手ですが、
これから来日も多いそうで、私には、
作曲したオケ伴奏の協奏曲を送って下さるそう。

この異色のコラボレーションが素晴らしいのだが、
この世には人に知られていない演奏会が、
まだまだ沢山あるものである。
それに、その伝統楽器に真摯に向かいあい、
毎日毎日、練習を重ねながら、
楽器の啓蒙運動、新しい音楽の創造など、
計り知れない努力を怠らないのでる。

こちらまで、闘志が沸いて来るものです。
カウンター