ハンマー2007/04/10 23:22

もう何十年も思ってきた事をはじめた。

調律である。
何もたいそうな事ではなくて、
自分の楽器は自分で調整するという事だ。

小学生なら、リコーダーを吹いた後、
掃除棒にカーゼを巻いて中を掃除し、
ブラスバンドの子だって自分で楽器を管理し、
修理だけ楽器屋さんに持っていく。
プロだってみな管楽器の連中は楽器の調整や、
簡単な修理なら自分でやり、
自分でいじる事が、楽器に対する理解と、
思わぬ発見等に繋がるものなのだ。
4本の弦の弦楽器は、10分に1回は調律し、
ハープ奏者は、練習や本番の時間より、
チューニングにかけている時間の方が
よっぽど長いのかもしれない。
ま、47本もある弦を、演奏中には、
始終ペダル操作で延び縮みさせているのだから、
それも納得なのである。
洋楽器ばかりではない。
筝は13本でも、17本でも、21本、25本、
みな始終音替えで成り立っているようなものだし、
長い時間かかる調律を眺めていると、
演奏の時よりよっぽど集中しているものだ(失礼!)

ま、とにかく自分の楽器は自分で管理という
ごくあたりまえの事を、
私も自分の楽器がトロンボーンという
世界一不自由そうな楽器奏者だった頃は、
毎日面倒を見てやっていたのだが、
指揮活動だけになって、楽器がなくなると、
指揮棒を毎日磨き上げても仕方なく、
となると、毎日の様にお世話になっている
必需品のピアノが気になるものだ。

青年期の頃より思っていたことだが、
定期的にお願いしなければならない調律が
どうも解せなくて、不思議な作業だと、
思っていたが、いろいろな調律師さんを知ると、
技術に明らかな差があることもよくわかった。
毎日稽古があるスタジオのピアノは、
最低でも年に2回は調律しますが、
当初、来る人の技術(耳)が余りに酷くて、
さんざん本人にも苦情、やり直しを言ったのだが、
音が解らない(聴こえない)人に言っても仕方なく、
何人も経て上手い方が来てくださる様になった。

引越しした1月に実家から運んできたピアノは、
(私が背負ったわけではない!詳しくは、
http://hanatsubaki.asablo.jp/blog/2007/01/11/
移動する前は、20年以上調律せずに、
四季による気温湿度の変化と、あるときは、
猫(故ジルベール)にオシッコをかけられても耐え、
移り変わる世界情勢世の大海原をかいくぐりながら、
音もさほど狂わずに来たものです。
ま、言ってみれば誰にも触れられずに、
長い長い冬眠状態だったのだが、
強制連行されての20キロの旅は堪えたらしく、
正調西洋式音階だったはずが、弾きだして数日、
ドはシに近づいて、しかしシはさらに逃げ、
挙句、未だ見ぬ国の不思議な民族調音階に変化し、
ベートーベンを弾いても、
蛇が出そうな音階に変化してしまった。

そこで奮起。
今まで疑問に持ちながらやらなかった調律を、
自分で手掛けて見ることにしたのです。
調律用のハンマーは、正式なものは高いのだが、
調べると安く売っている・・・。
早速購入!
そして、我が愛器との戦いの日々は始まった!
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