終演2008/02/10 23:43

横井先生のバレエ公演終わりました。
ホッとしております。
ヘンデルは良き演奏になりましたし、
真珠の様に輝く、綺麗な純白の舞台でした。
コンピレーション(再構成)なので、
12の合奏協奏曲の中の5番と6番を再構築させて、
約30分の大きなドラマにされています。
調性などで、若干不可解な曲の繋がりがあるものの、
さすがの構成力で、初めて聴くお客様は、
こういう音楽がオリジナルなのだろうと感じるはず。
不思議なもので、次々に演奏していくと、
構成された音楽は次第にドラマ化していくのです。
勿論、これは狙ってそうしていくのですが、
あまりおおきなテンポ変化は出来ませんし、
再構築というビハインドを考えると、
計算し過ぎても出来ないものなのですね。
Largoは、演奏している時に遅いと感じながらも、
ドラマ構成の中では欠かせない充実したテンポ。
舞台のダンサー達に、目と脳で檄を飛ばしながら、
少しサディスティックな試みと思いながらも、
やはり、必要なテンポと、身を委ねます。
ライブと言うのは、恐ろしくも面白いものです。

2部のリヒャルト・シュトラウスに関して、
もう終りましたから、少しだけ補足します。
<最後の4つの歌>は、本来ソプラノ歌手と、
フルオーケストラの編成で演奏されるもので、
3曲がヘルマン・ヘッセの詩、最後の曲が、
アイヒェンドルフの詩です。
実はこの曲自体、初演からまだ60年、
しかもヘッセの著作権は現在切れていません。
当初普通に演奏しようとしましたし、
素晴らしいソプラノの佐々木典子さんが、
2つ返事で出演OKしてくださったのです。
しかし秋になって譜面をレンタルする段階で、
管理している日本S社にレンタル申請し、
バレエ公演での使用等を話したところ、
ヘッセの遺族からのクレームがつきました。
<演奏会形式意外での上演を一切許可しない>と、
厳しい内容のもので、この答えに窮した先生も、
丁寧に英国に手紙を書き、お願いしたのですが、
結局許可が下りなかったのです。
ベジャールの振り付けでは現在も公演がありますが、
べジャール以外では演奏許可しないということですね。

困りました。作品はもう広報に出ているし、
演出、振り付けの問題も大いにあるのです。
結局、ヘッセの3曲は歌詞を出さすに演奏、
つまりソプラノは出ないでオケ曲として演奏し、
4曲目のアイヒェンドルフのソプラノ付き・・・。
<最後に1つの歌>、、、という状態です。
しかし仕方ない。という事で、12月中旬から、
この曲の編曲もしなくてはならずに、
とんでもない多忙な日々になってしまいました。
バレエなので、なせる業、、と言うより、
演奏会だったら演奏できるのですから可笑しな話。
ま、しかし上手くいってよかったですし、
これも何も知らないで初めて聴くお客さまには、
「こういうものか」で済んだのかもしれません。

3部の「トロイの木馬」は圧巻です。
創作バレエの愉しい所を全部詰め込み、
1時間の大スペクタクルを魅せてもらいました。
本当は、このベルリオーズを生でやりたかったけど、
オケ、合唱、独唱、バンダ、、、無理ですわ。
こういうのは、録音の方がよいのです。

関係者の皆さんお疲れ様でした。
観に来てくださった方々、ありがとう御座います。
さて、明日から次の譜面を読まねばならない!
頑張ろう。

コメント

_ ☆oki ― 2008/02/13 23:19

>「ヘッセの遺族からのクレーム」
はぁ〜〜! そんな事があるんですねぇ!!
ホルン吹きとしては死ぬまでに一度は、あの第2曲を吹いてみたいと思う次第です。

_ ☆okiさん ― 2008/02/14 00:29

そうですね。演奏会でしたら、また違うでしょうし、バレエならではの楽しさとと、気楽さも若干あるものです。

それより、この<~4つの歌>の前に演奏した、<オペラ:カプリッチオ>の月光の音楽。このホルンはしびれます・・知っていますか?

ホルン冥利、ってやつです。

_ ☆oki ― 2008/02/14 08:21

月光の音楽......存じております。これもぜひやりたいですね〜。
 # たぶん、そんな機会はナイと思いますが....  A^_^;)
私、月光の音楽の部分のスコアが見たくて、ついついこのオペラのスコアを3年くらい前に買ってしまいました。(かなりマトモな装丁の外国版スコアしかなかったのですが..... -_-;)

月光はできれば、あまり歳とらないうちに、
9月は、自分が引退する間際くらい、に演奏できたらいいですねぇ〜。 f(^ ^;;

カプリッチオも、全曲の最後の最後にほるんがsoloの旋律で『?』って歌うんですよね。(<<<という、某国立歌劇場首席の話を聞いた事があります。)
面白いです!

_ ☆oki ― 2008/02/14 17:09

すみません、上記「ほるんがsoloの旋律で『?』って歌う」と書きましたが、これでは意味不明です。f(^ ^;;
正しくは「ホルンのsoloで『?』って吹いて終わる」ですね。<< ますます判らないか??

_ ☆oki さん ― 2008/02/14 22:31

いやいや、よく解りますよ、意味。
そう、??で終るのですな。

R.シュトラススは、とにかくイヤと言うほどホルン冥利ですね~。、月光然り、交響詩、4つの歌、、すべてですな。素晴らしいのですが、振っていると、あのコテコテのオーケストレーションに途中で満腹になるのは、私だけでしょうかね。

もう少し、サッパリと、粋に颯爽と出来なかったのですかね。
しかし、あの高いスコアを買うのは凄いですよ。B&Hのあれしか、売っていないのですがね・・。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://hanatsubaki.asablo.jp/blog/2008/02/10/2619163/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。

カウンター