謹賀新年2008/01/01 23:00

あけましておめでとう御座います。

一夜明けるだけとは言え、
お正月と言うのは、時節の区切りになるもの、
身体に変わりなくとも、精神はリセット可能日です。
誕生日が5月なので、正月に掲げた目標を
誕生日に修正するといったことで毎年思考をして、
どうにか神様には嘘つかない様にはするのですが・・・。
昨年の正月は、200枚のハガキ手紙を出すことを
目標に掲げた覚えがあります。
流石に200枚とは行かなかったものの、
なるべく手紙を書き、お礼に案内としました。

ここ数年、ネットでのクラシックガイドや、
手前のブログ習慣のお陰で、「文章を書く」という
表現が必要である事を感じています。
時折、思わぬコラムや記事の監修など頼まれるので、
文章を創ることは億劫でないのですが、
そこでどんな表現をするかと言う事は、
大事なことなのですね。
昔から、喋る人は書けず、書く者は喋らずと、
両方を流暢に操る事はなかなか難しいと言います。
私は典型的な「喋り」なので、
文字、言葉に対する執着が余りない気がしており、
文章を書くときは気をつけますが、
思ったようには書けない素人といつも実感します。

昨年、あまりの公演の多さに、
やらねばならない仕事や雑務、また感謝、お礼や礼儀を、
大分すっ飛ばしてしまいました。
演奏家は、現場での実践優先の仕事なのですが、
座り仕事の事務、また連絡やお願いにお礼など、
公演の前後に無くてはならない仕事が山の様にあります。
これら全てを充実させることで、支持、支援者が集まり、
自分の公演を大切に出来るという事でもあるのです。
忙しいと、どうしても、
この公演前後という期間が使えません。
余裕がないままに公演を過ぎて、また次の仕事、
溜めてしまったものを片付ける作業に必死で、
心では感謝していても、礼儀、恩義に欠ける事、
間々あるものなのです。
40代半ば、誰も余裕なんて無いのでしょう、
自由な時間なんてきっと無いのでしょう。
でも、上にも下にも挟まれた世代、
どちらも大事にしなければなりません。

今年は、言葉と時間を大切にし、
もっと恩義を感じられる余裕を持ちたいものです。
それから、「いつ寝ているのですか?」とよく訊かれ、
「あまり寝ていませんね」といつも答えますが、
もう少しだけ寝てみようかと思います。
健康は睡眠からかもしれないと、最近思います。
健康こそ全ての源などと当たり前を言いますが、
アンチエイジングを実践しようかと思っております。
それから、少しでも健康な地球と、
世界中が素晴らしい1年になれる様お祈りし、
勿論私も努力いたします。

今年もよろしくお願いします。

飛翔2008/01/03 23:23

こんな穏やかな正月早々のブログでなんですが、
私は昨年末からクシャミが酷いのです。
外では10/m(1分に10回の意)を越えたり、
非常に怯えながらの越年となりました。
怯えは、勿論風邪を疑っているのではなく、
何よりも恐ろしい花粉飛来に畏れをなしているのです。

覚えているでしょうか?2005年春を!

私の苦手なものは、「閉所、椎茸、無精髭」と、
ここ何十年変わらなぬ世界に3つだけの敵なのですが、
05年の花粉飛来で、花粉は苦手というよりも、
目を吊り上げて退治したいワースト1に踊りでました。
朝は目ヤニで目開かず、連続クシャミはギネスもの、
肌、皮膚も荒れて、お酒なんて1滴も飲めない症状。
バレエ公演の本番指揮中に、鼻をかんだくらいですから。

12月下旬の環境庁による発表で、
「平成20年春における都道府県別花粉飛散量予測」
と言う御触れが出回っております。
毎年、国家試験の結果を待つ様に緊張しながら、
この予測を待って、表を目を皿の様にして見渡します。
今年、東京はの飛来予想数は、2922個 / c㎡、
・・・平方センチという平面に置き換えると、
地面に落ち死に耐えた花粉のようで、「ふふふっ!」
なのですが、いやこれらが山の様に飛んで来るのです。
昨年が1514 / c㎡、なので昨年に比べると192%!!!
ど、どうしよう・・
昨年は、「口ほどにも無い奴!」と、マスクも活躍無く、
平穏無事な春でしたが、今年はそうも行かなそう。
ちなみに、平年の飛来値からは84.6%と、
少ない予想ですが、いやいや油断は決してできません。

知っていましたか?
北海道旭川は予想値が33 / c㎡と、東京の1 / 50。
「北は少ないのかぁ~」などと侮る無かれ、
青森の今年の予想は、4587 / c㎡例年の237%と、
日本では最悪の値を予想しています。
表を見ると、埼玉と東京でも著しく違うし、
環境ってモノは、近くても繊細なものなのです。

2005年の数値、知りたいですか?
怖いもの見たさに調べましたら、例年の300%でしたね。
これに比べれば、今年の84%なんて数値は、
都会の空気汚染値から比べれば大した事はない?
いやいや、侮れませんので、対策は今から立てます・・・

平成20年春の花粉総飛散量の予測(速報)についてhttp://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9214

Do-Re-Mi2008/01/04 13:12

何年も喜歌劇「ミカド」公演に携わったお陰で、
この舞台をとりまく1880年代当時の欧州、英国、
時期同じく、開国以来の日本における西洋音楽、
という分野に関して勉強する機会が増えました。
それに伴い、私達音楽家の音楽に対する脳構造や、
そもそもアイデンティティーは何であるかという事に、
研究発展させていくと、キリは無いのですが、
西洋音楽を生業とする自分の位置は何処なのか、
と、永遠に興味は尽きないものです。

関係書を読み漁るうちに、様々な本や文献、
また面白い外国人による報道や報告を目にします。
全て過去のものであり、耳による遺産とも言える音楽は、
録音物さえ信用できない昨今です。
記録しておくことが不可能だった当時の事など、
2次的、3次的な発言記録などでは信用もできないもの。
先入観、偏見などによって書かれたであろう記録から、
真実を見つけ出す事は、勿論容易ではないのです。
しかしながら、時折「おやっ!?」と思う記録や、
「なるほど!」と頷きたくなる研究発表もあり、
研究者の観点により、面白い事を発見するのですから、
つい他の書簡も読んでおこうとなるわけです。

権威である大先生の書物は沢山読みましたし、
過去に研究されている方々へ遡る事は、
これからも続けていくのですが、
最近若い研究者による書物に新しい事を発見します。
視点や見る角度が新しい原因でもあるでしょうし、
斬新なアイデアによる説も楽しいものが多いのです。

年末に読み始めたのですが、1冊紹介したいです。
この本のタイトルは、『ドレミを選んだ日本』といい、
音楽之友社から昨年発刊されています。
著者千葉優子氏は、日本における西洋音楽の歴史、
邦楽から見る音楽観などの研究者ですが、
この本もなかなか面白いのです。
私達の耳はいつから伝統音楽を異質に感じ、
西洋音楽を日常に感じるようになったのか、
混在する明治期の日本人や事項に焦点を当てながら、
音楽的感性の変容を解き明かしています。
是非読んでくださいな。

さて写真は、デンマークのヨハネス・フォーサムと
ピーター・ローレンツェンというデザイナーによる
「ミカド」と言う椅子。
日本の代理店広告(多分本国の訳でしょうが)には、
日本で流行った<ミカドゲーム>が北欧に伝わり、
このゲームに使用する棒にインスピレーションを得て製作、
と書いてあります。
そんなはず無いですね・・。聞いた事ないですね、
『日本で流行った<ミカドゲーム>』なんて・・。

この話はまた・・・。

千秋君も筋肉痛2008/01/06 23:34

お正月は、元旦だけでよい!
なんて言っていながら、毎日出掛けて行く会の
料理の美味しい事、美味しい事!
お酒の旨い事、旨い事!
お陰でカラダはどんどん重くなる一方で、
健康を目標に掲げながらこれではいけないと、
天気と温かさにも釣られ、自転車トレーニングへ。

多摩川は凄い人です!
立ちすくみ、散歩(犬・人)、ウォーキング、ジョギング、
疾走、釣り帰り自転車、マジ走り自転車・・・
これだけ目的の異なる人と犬と自転車が、
土手の舗装コースを行ったり来たりしているのです。
中学生のマラソン大会並の混雑といえば解ります?
右側通行と言っても、抜くタイミング如何で事故りそう。
いやいや、30kmほど走りましたが、
カラダより気が疲れました・・。しかし温かく、最高。

「のだめカンタービレ」・・・ビデオも駆使して、
2日間のスペシャル見ておきました。
All Aboutでも取り上げず、あえて避けていますが、
私が作ったアンケートでは、回答数35の内、
95%の方は観る予定だったんだから恐るべしブームです。

良く訊かれるのです。「指揮者ってアンナ感じ!?」
・・・あ、あんなって、どんなだ!!
と思いながらも、まぁ、そういう事あるよな、とも思い、
いろいろな裏話を知っている業界人としては、
あまりここでは触れたくない事もありますな。
触れておきたいのは、千秋先輩(って私が先輩じゃ!)、
連続ドラマで指揮していた時の方が上手かったな。
と、関係者も皆言うのですが、どう思います?
でも、Tillとか、振るの簡単ではないし、
難しいものですね。
弾きマネで済む楽器と違い、音出さないからといって、
振りマネなのに、実際はとても難しい事ですね。
しかも、プロオケと演奏しているシーンは、
日本でも、海外でも、漂う空気の違いがあるので、
可哀相な程でした。
いくら役者(元モデルだが)とは言え、大変でしょう。
とまぁ、触れるのはこれくらいにしましょう。

フィギュア、摩擦、ホルモン2008/01/07 23:30

昨日の自転車30kmに続き今日はスケート。
何年振りに滑ったか解りませんが、
生涯のスケート滑走記録を乗り換えた事は事実。

普段フィギュアスケート等をテレビで見ていて、
「たいしたものだ!」とは思いますが、
自分が氷の上に立つ事になると、
どうして、浅田さんや安藤さん方は、
見事に流麗に滑る事ができるのか、不思議です。
スケートの刃の細さがあるから、
滑る事が出来るのでしょうし、
自転車も競技用のピストレーサー、
ロードレーサーなどは、速さを求めて、
タイヤ幅が20mmを切る細さもありますので、
抵抗や摩擦と言うものがないという事は、
すごい事なのですね。
人間の足が滑っているとは思えないのですから。

そんな私でも1時間も滑れば、幼き頃の体験と、
氷への慣れもあり、次第に上手くなるものです。
調子に乗ってスイスイと、滑りまして・・
他人を見ていると、大人は転ぶのが下手ですね。
転びたくない本能と、痛いからか、
みな何とか体勢を整えようと、腰をひねり肩まわし。
子供はどんどん転んでいくのですが、
勢い良くお尻からド~ンと着いているのに、
体が柔らかいのでしょうね、全然大丈夫!
そういう私だって、1度位は転びましたかね。
やはり、体裁を取り繕うようにするものです・・・
流石に2時間半も滑ればギブアップです。
地上に上がって靴を履くと、
地面と靴の摩擦で滑らないものです。
当たり前のことですが、
抵抗や摩擦と言うものは有難いものなんだと、
スイスイと上手くいってしまう事が、
万事良いものではないのだという事も考えます。

さて、その後は急いで都内北東部に移動し、
小屋打ち(会場打ち合わせ)です。
27日の 『永濱メモリアル・コンサート』、
だんだんと近づいてまいりました。
詳細打ち合わせし、下見も済ませた後、
宴会場まで探しながら朋友T氏と歩き回り、
入らなきゃ解らないと、言い分けておいてから、
リハーサルも兼ねて、東向島でホルモンをぱくり。
最近この公演の実行委員会会議があるので、
何年も会っていなかった楽器仲間や先輩後輩に、
頻繁に会う様になりました。
昔話に花が咲きながら、杯を重ねるのです。
ひどい学生時代の話ばかり出ますが・・・。
こんな事も先生に感謝すべきことでしょうね。

Hecter&Becker2008/01/08 23:48

最近は車で仕事に出る事が少なくなり、
大抵は電車なのです。
昔は楽器も重かったし、仕事もそう忙しくなく、
車での移動が多かったのですが、
今は1日の中での移動も多く、遅刻も出来ない、
そうそう、お酒も飲めないので電車が多い。
ガソリン1ℓに150円も払うのは馬鹿らしいのですが、
「どうしてこんなに高いのだ!」と、
呑み屋で怒り拳を握っている輩が手にしているのは、
500mℓで500円のビールだったりする。
と言う事は、ガソリンだったら6ℓは入ることになり、
50~60キロ進むのではないでしょうかね。
車にガソリンは必要であり、貴重な資源と考えると、
1ℓに150円は仕方ないと思う私は可笑しいのか・・・。
だが、原油の値段で全ての物価が上がるのは困るので、
やはり問題はそこの末端価値ではないのですね。

久し振りに車で都心部を走りましたが、
どうも空いている気がするのですがどうでしょう?
始終込んでいた首都高、放射道路、環状道路など、
お正月明けのせいなのか、空いているのですね。
新年会あるから車出すのを控えている?

さて、ボ~っと走っていましたら、
いや、見つけましたよ、たまたま赤信号で停まった時。
解ります何か?
BMWのバイクもカッコいいし、サイドカーってのが、
尚更素敵で前に回って、乗っている人観たいくらい、
ですが、違います!
このバイク用の鞄です!!
Hecter&Beckerという、ドイツのバイク用品、
主にバイク用の鞄などを売っている会社ですが、
そこが私の愛するRIMOWAに作らせた鞄がこれ。
いや、なんてカッコいいのでしょう!!
こればかりは、12種類も持っている私でも買えない。
だって、バイクと一体になって美しさと機能を発揮、
単体の姿ではどうしようもないのですが、
運よく写真にも収める事できました。
できれば、持っている人と記念写真撮りたかった。
車に乗るといい事あるな~

いやしかしカッコいい!
ジュラルミンは美しいアルミ合金なのです。
すんません、こんな話で・・・。

フリーキック2008/01/10 23:09

どうやら今日は、引っ越してから1年目だったよう。
早いものというか、あっと言う間と言うか・・・
でも引越しの事思い出そうとしても、
あまり思い出せないでいるのです。
きっと、あまりに仕事が忙しい中の出来事、
断片的には思い出せるのですが、
引っ越した実感がないまま過ごしていたのですね。
今は流石にありますが、振り返ると怖いものです。

狭い市ではありますが、
市内の引越しとは言え、利用駅が変わると、
生活環境の変化と共に様々な変化があるものです。
引っ越したここは市の端っこで、
駅に向かえば、隣接する世田谷との区境になるので、
あちこちに面白い現象もみられる。
例えば、私道のような狭い路地が区境になっていて、
たかだか100mの道に区と市と都の管轄のマンホールが
30個以上あったり、
議員さんのポスターが、両側で30人分いたりする。
まぁ端っこってのは、何処でもそうなのでしょうが、
勢力争いや杓子定規な役所仕事を垣間見るようで、
なかなか楽しいものです。
利用する喜多見駅は、世田谷のモノ。
以前の狛江駅は、まさしく狛江の摩天楼!
この違いは大きく、市の中心狛江駅付近は、
何もかもが私を歓迎してくれている気分で、
八百屋から、居酒屋、同じ店舗に見えるマックや、
ミスドまでが狛江クサイ雰囲気で、握手したくなります。
対して喜多見駅構内にはいれば、
用心深く周りを見渡し、ヨソ者とバレぬうちに、
そそくさと電車に乗り込む感じなのだ・・・。
多少、語弊や妄想、誇大表現もありますが、
利用駅の変化により、引越しを実感するという事です。

利用呑み屋が大きく変化しました。
時折ここに書いていた、家から1分のベリーバー。
元気に繁盛していますが、流石に家から10分だと、
毎日の様には行かなくなりました。
あたりまえ、、ですか、ね。ハハ・・・
喜多見駅周辺にも呑み屋あるのですが、
どうも余所者気分が抜けず、
腰差しに手を掛け呑んでいるように緊張するので、
1つ乗り過ごし狛江前まで行って飲むのです。
「音楽の街」の副産物で呑み仲間には欠かないので、
楽しいものですし、店出て20分歩いて帰ったりするので、
実は、健康気分でもあるのですね。

という事で昨年に感謝して、
1年前の引っ越し直前の引渡し時の写真を出しましょう。
赤い絨毯にテープカットが可笑しいのですが、
お世話になった建設会社一行さんの並び姿が全員一緒!
こりゃさらに可笑しいと、思う今日です。

ビー・ムービー2008/01/12 23:17

もうすぐ封切の映画の話ですが、
『ビー・ムービー』(Bee Movie)です。
試写会に行ってまいりました。
日本でもヒットした『シュレック』や『チキンラン』を
制作したアメリカのドリームワークスの新作です。
私もメンバーになっている、
NPO法人銀座ミツバチプロジェクトが協力をしていて、
会報を試写会で配る手伝いでもあったのです。

集合時間に行くと、新宿厚生年金会館は、
物凄い人の列・・・
試写会に行くことも多いのですが、
大抵は、狭くて古くて、、という会館の試写室だったり、
教育機関の小会議室であったりするのですが、
2000人のホールでやるとは流石に角川です。
ひたすら「銀座ミツバチプロジェクトです!」と連呼し、
配り終えてから、いそいそと客席に着きました。
昨年秋から予告編も知っていましたが、
あまりアニメ自体見ないので、特に期待もなく・・・。
・・しかし、久し振りに大笑いしてしまいました。
ハチも可愛いが、良く出来ています。
スタジオジブリのような時間の流れは、
実に日本人の情感に合ったテンポ感と思いますが、
アニメのエンターテイメントショーを観ている様に、
めまぐるしい展開と、ジェットコースターの様な、
蜂のスピードに合わせた映像です。
しかも、全編にフルオーケストラの音楽が鳴り続けて、
物凄い手間とお金がかかっているのが、
スクリーンの端々でよく解ります。
チョイと感動的なシーンもあり、
不覚にも、アニメに目頭を熱くしてしまいました。

『ビー・ムービー』が2008年1月26日公開です。
公式HPは下記から。
http://www.beemovie.jp/
NPO法人銀座ミツバチプロジェクトHPは、
http://www.gin-pachi.jp/top.html

夜は、移動して新年会。

相変わらずのM大トロンボーン関係ですが、
私とほぼ同じ年のOBもたくさん集まり、
10数年ぶりの方には懐かしく、卒業数年目のOBは、
頼もしくなる姿に、始終微笑みました。
30数名の心優しきOB現役は、今では家族の様です。
毎年正月に酒、秋に演奏と、年に2回でも会える事、
素晴らしいと思いますね。皆の健康に感謝いたします。
幹事のI宮会長、S田君、現役諸子、お疲れ様でした!

オルガンホッケー2008/01/13 23:38

地元狛江の音楽事業に携わっていると、
多摩地区の他地域の事も気になりますし、
知識として知らなくてはならない事が沢山あります。
とは言え、人口、産業として比較にならない潤沢な市は、
経済力で羨ましい事業が沢山あり、
比較、なんて言ったら失礼なことばかりですが・・・。

府中市では勿論文化振興事業を行っている財団があり、
府中の森芸術劇場のホールを中心に活動しています。
事業の中でも月に1度の無料コンサートは、
もう155回も続いている人気コンサートなのです。
3つあるホールの内、522席を有する中ホール、
ウィーンホールを使用しての公演ですが、
このホールは実に響きが良く、評論かも皆ベタ褒め。
中央に配置するパイプオルガンが特徴ですが、
プロムナードコンサートも、オルガン使用のものが多く、
今日も、オルガンとフルートのコンサート。
じつは出演者の塚谷水無子さんへの取材が必要で、
それでは公演を聴いてから、となったというわけです。

この記事は、数日後にAll Aboutに載りますので、
とりあえず内容はその時にお知らせしますが、
塚谷水無子さん、とても面白い方です!
「猫踏んじゃった」をオルガンで即興も含めて弾くなんて、
世界中でもこの方だけなのでしょう。
もともと音楽の学問である学理を勉強していた土台は、
さまざまなオルガン演奏と、演奏スタイルにも影響し、
オルガン世界を古いイメージから解き放ってくれます。
オランダ在住ですが、今月下旬まで演奏会で来日(帰国?)、
フルートのマリアン・ヤスパース・フェイヤースさんと、
息の合った演奏を聴かせてくれます。
興味深い話をたくさんいたしました。
そのうちに、一緒にえんそうしましょう!と話して、
お別れしました。これからもお元気で!

さて、その後は、アイスホッケー!!

甥っ子Y君は、ハンカチ王子と同じ高校に通い、
アイスホッケーに打ち込んでいます。
続くのかよ!なんて思っていたら、もう3年生。
素晴らしい闘志で氷上の戦士となっておりました。
相手はK高校なので、練習試合といえども、
お互いの関係者席からは声援と拍手、悲鳴が鳴り、
ここにもSK戦というモノが存在していると実感。
目の前で観るアイスホッケーは、高校生でも迫力十分。
防具つけていなかったら、即喧嘩なのでしょうが、
そこはやはりスポーツ。
熱くなっても、冷静に試合を進めながら、
チャンスを逃がさず攻め込みます。
自分にもこんな高校生時代があったなぁと、
防寒で羽織っていた高校時分のダウンコートを見つめ、
黄昏てしまいました・・。
一所懸命っていうのは、大人になっても悪くない。
真摯な彼らの背中から立ち上る汗の湯気は、
ダイヤモンドの様にキラキラ輝いておりました。

ディスプレイ2008/01/14 23:04

銀座の街を散歩すると、
自然と歩く姿勢が良くなるのです。
もしかしたら誰でもそうなのかも知れませんが、
この街の魅力がそうさせるのでしょう。
秋に書き出した十字屋さんの「十字屋通信」のコラム、
どうやら暫く年に4回の季刊への寄稿は続く様子。
<銀座と音楽>なんてタイトルですから、
銀座の街と音楽の古今の関わりを、
気軽にオールジャンルで書けばよいのでしょうが、
あたしの性分がそうはさせません。
勿論ジャズ、シャンソン、また楽器店などの関わり、
あらゆる点で興味尽きぬ事柄は多いのですが、
なにせ紐解かないと気が済まないのです。

元々十字屋さんの御商売自体が楽譜、楽器販売。
明治初期の西洋文化流入による教会普及で、
必要とされた楽譜の販売、教育音楽でも不可欠になった、
足踏み式のリードオルガンを販売していたのです。
銀座のお店らしく、流行りモノを作るのが得意、
オルガンの技術を利用した手風琴、紙腔琴なんてものも、
どんどん流行らせたのですから、恐れ入ります。
こんな由緒正しき銀座の音楽屋さんからの依頼、
いい加減なこたぁできねぇさ、とばかりに、
生粋の凝り性も手伝って、せっせせっせと調べ物。
19世紀後半から20世紀初頭の大衆クラシックの分野は、
演奏する身としても得意分野ですし、
ましてや、これら西洋音楽の日本への入り方も、
長きに渡り調べている事柄ですので、
温故知新、と目から火花とウロコの裏側日本史です。

銀座の街の魅力ってのはなんでしょう。
古くは、江戸の職人の町として栄えていましたし、
江戸っ子特有の見栄っ張りとお節介、心優しき職人肌。
結局、人と人との距離感の居心地が良いのでしょうかね。
いつ行っても何処歩いてもよいものなんです。
なんか、いるのでしょうかね、先祖か守護神か。

調べていくと面白い本にも出会います。
「銀座のショーウインドウ~130年のデザイン文化史」
という、(社)日本ディスプレイデザイン協会発刊で、
明治から昭和、平成にかけての銀座の街を彩った、
広告街としてのブランド銀座を1冊にしています。
煉瓦街の銀座の街、大火事から関東大震災、
様々な苦難を乗り越えながらの街の移ろいは、
写真と記録絵、古地図も含めて大層面白い。
大事なんですね、人が何処から何処に歩いたか、
何観て何を感じて歩いていったのか、って事は。
職人と商人がいる店の中をディスプレイひとつで紹介、
外にいる人はこの立体広告の連続で街を感じ、
季節も感じ、きっと音まで感じていたのでしょう。

こんな本も参考にして、明治期の銀座の音楽、
西洋音楽と日本の文明開化を紐解くと、
信用できない録音よりずっと信憑性のある、
街の音、ざわめき、そして音楽で歓ぶ姿が見えてきます。
カウンター