リハ室L2015/12/02 23:21

公演があるという事は、
洋楽でも邦楽でもリハーサルや稽古がある訳です。

両方の世界を垣間見ていると、
やり方や進め方、モノの言い方や気の遣い方、
それぞれ微妙に違うのですね。

洋楽では、稽古というと
毎日一人で何時間も練習しているときの事で、
そこで準備した成果を持ち寄る公演のための
リハーサルは稽古ではないのですね。
元々が顔を合わせてやる洋楽の習慣は、
集まれば公演から逆算して合理的リハーサルして
とっとと修正点を見つけて仕上げる。

ですが邦楽は少し違いますね。

邦楽でも古典の場合には何度もやっていて、
頭に入っているモノを引っ張り出すだけで、
ほぼ打合せだけでできてしまうのでしょうが、
近代(現代)の作品となると違います。

もともと西洋的な合理的解決法ではない
邦楽特有の合わせ方は間(ま)などで象徴されるように、
音(音楽)の中に解決策がたくさんあります。
しかし洋楽は五線をたよりに合理的に解決できるので、
逆に邦楽器で合理的に解決しようとすると、
奏者は少し感覚を覚えなくてはなりません。
邦楽は非合理という日常の勘所が演奏の中心なので、
合理的な洋楽に対して収集をつける不合理が生じるのです。
皮肉のような話ですが、
ここの感覚のズレや音楽に対する概念の差が、
洋楽と邦楽の面白さだと思っています。

邦楽の方々が現代邦楽などをやるときには、
この不合理に適合させるための現代化が必要で、
少し時間もかけながら紐解く作業がお稽古です。

私は稽古は好きです。
ズレや隙間や段差も埋めながら、
じっくりと相手を知り己を見つめて進む。
こういうのを見るのが面白いのですね。

だだっ広い稽古場は普段はオケと合唱など、
100人以上で使う事もしばしば・・・。

たった二人。
気持ちの良い空間です。

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