イブのくるみ2015/12/22 23:35

バレエ団のリハーサルでした。
数十回一緒にやっているプログラムでも、
その都度の小さな変更や演出の拘りなどあり、
修正しながら演奏していきます。
音楽面でも様々表現したい事もあり、
調整は楽しいものです。

<くるみ割り人形>は言わずと知れた
チャイコフスキーの傑作音楽でありますが、
クリスマスの夜を舞台にしたドラマは
彼が考えたわけではなくとも、
120年も経って世界中でこんな形で
上演され続けると思ったでしょうか?

<白鳥の湖><眠れる森の美女>と
合わせてチャイコフスキー3大バレエと
評される事が多いのですが、
音楽面だけとっても<くるみ割り人形>は
突出して完成度が高いですね。
もちろんドラマの元となる脚本の良さが
オペラ同様必要ではありますが、
この名作バレエではほとんど音楽を
いじれる可能性がないのです。
他の2曲は演出の改定やカットも含め、
原型は現代ではもはや無い状態なのですが、
これはドラマと音楽の完成度が高すぎて、
そのままやる事が常に新鮮であるわけです。

他の作曲家のバレエは実に音楽家泣かせで、
ドラマの完成度から始まり、
音楽の充実度、完成度など足りぬ部分が多く、
新演出とか○○初演などと聞くと
ビクビクしてバレエ団から話を伺いますが、
<くるみ割り人形>は安心。

この公演は関係者のみの観覧であり、
一般ではないのですが、
クリスマスイブに演奏する事が出来るのは
とても嬉しいものです。
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