触発2015/12/27 23:28

ベルリンに住んでいるときに、
ほぼ毎日フィルハーモニーに通って練習もしたし、
リハーサルも本番も聴いていたので、
耳の基準がフィルハーモニー基準になっていました。

自分のお気に入りのオーディオで
様々なレコードやCDをかけながら、
演奏の良し悪しや好き嫌いを比べる気分でしょうか。
贅沢な話ですがベルリンフィル以外のオケが来ると、
それこそ舞台と空間が同じなので、
聴き比べる事ができてお面白いものだったのです。

普段でもこんな事はあるもので、
何時も同じ好きな映画館で映画を見たり、
様々な噺家さんを同じ寄席で堪能したり、
こんな楽しみは皆さんやっているものでしょう。

同じ方がいれたコーヒーを様々な豆で楽しみ、
同じカフェーでも器で楽しむなんてのも同じ。

今日は大いに触発されました。

若手指揮者No.1の演奏を目の当たりにして、
しかも聞きなれた場所と空間で堪能・・・。
いや研究しました・・・でしょうね。
オケってのは楽器が気や金属、皮でできていて、
電気的な物も化学的な素材も全く無いので、
ホールとの調和が非常に面白いのですが、
人間も皮膚の呼吸から服の吸音まで含めて、
空間の音と共鳴してくるので、
時間の経過に添って音がどんどん変わります。

演奏家も調整しながら響かせる工夫をしますし、
指揮者もそれを聞きながらオケを生かします。
こんな事が短時間の内に起こる現象は実は珍しく
それだけ演奏家の意識と演奏状態が良いという証で、
ホールを味方につける能力と奇跡なのでしょう。

最初から状況の良い空間で堪能するのは
もしかしたら簡単だし、
容易く味方する事ができる能力がホールにあれば、
演奏者は楽をしてしまうかもしれませんね。

条件の悪いホールでも前向きに思考し、
空間を味方にしていけば結果がついてくるということ。
こんな演奏をできるオーケストラと指揮者は
たくさんありそうでいないものです。

大いに触発されました。
奮起したいと思う演奏に年末に出会えたこと
大変嬉しく思います。

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