LED2015/04/28 23:03

照明に拘るわけでもないのですが、
西欧に暮らした経験がある方は、
日本と西洋の照明の考えや、
目に映る好みの色の違いなど、
気になる方も多いのかと思います。

この写真の照明は新宿のあるBarですが
フィラメントが揺ら揺らと瞬くいて
昔ながらの光源が素敵です。
焚き火を見つけると見入ってしまい、
気分が寛いでいく感覚ですね。

プロ野球ではナイター照明がLEDに
換えられた球場があり、
眩しい残像がプレイに支障がでると、
選手から不評になったりしています。
舞台照明もLEDが増えていますが、
安い電球ではないので徐々に設備投資し、
昨年辺りから何処でも見られるほど、
本来の照明を凌駕する割合になったと、
感じています。

照明家と話すとLEDの話で、
数時間酒が進むほど悲喜交々の進化ですが、
使い方によっては難しいと思いますね。

先日とある劇場に初めて行きました。
今の世の中にしては珍しく、
客席音響に拘った装飾と予算の掛け方、
音も心地よく最新の技術に感心をして
耳は満足なのでした。
新しいホールなので、
積極的にLEDを取り入れながら、
照明も出来る限りそうしているのでしょう。
反響版を使用した舞台でしたが、
天板から降る照明もLEDによるもの。
舞台転換時には客席明かりがうっすら点り、
次が整うと客席明かりが落ちて舞台上が
本照明に変化するものなのですが、
途中LEDの白い明かりが一度射して、
ソコからアンバーな明かりに変化するのです。

これが気持ち悪い・・・

白けたあかりといえば、
悪役代表として蛍光灯という節約の王様が
長く昭和の時代に鎮座していました。
青白く光る光源には風情も情緒も無く、
近年になって暖色系蛍光管が出るまでは、
インテリアデザインの敵呼ばわりでした。
昨今のLED照明は悪役というより
面倒な奴という大役を引き継ぎましたね。
青というより白く光る人工的な光が
一度目に飛び込んだ瞬間に、
膨らんだ期待感も幻想さえも吹き飛び、
白けた気分にさせられます。

合理的な西洋音楽ならまだ我慢か。
効果的に利用できそうなポップスなら
悪を手玉に取りながら正義と成すか。
しかしながらドラマ性のある舞台や、
純邦楽の舞台などでこの明かりを
射された瞬間に興ざめになります。

進化は文化を消すといいますが、
ガスの明かりを頼りに上演した19世紀、
もっと遡れば薪能の本火の明かり、
照明もなく天日の下だったシェイクスピア、
こんな事を考えていけば、
LEDを敵に回すのではなくて、
手の内の技術とよく考えたセンスで
処理していかないといけませんね。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://hanatsubaki.asablo.jp/blog/2015/04/28/7622937/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。

カウンター