荒立ちの日2015/03/01 23:32

オペラ<きみを呼ぶ声>
立ち稽古始まりました。

歌うだけの音楽稽古から、
全ての動きが伴っての立ち稽古。
皆さん集中してメモして考えて、
歌うときの心理や環境との対峙、
諸条件を自分の歌に照らし合わせます。

荒立ちというのですが、
主な動き、舞台への入る導線や、
動いて立つ位置から舞台を去るハケまで、
大まかな位置取りをまずしていきます。
そんな立ち稽古から始めるのが、
オペラの立ち稽古の最初です。

大きなプロジェクトで
大人数の香盤となると大変です。
また3時間もあるオペラの場合は、
この荒立ちという事に数日要します。

今回は1幕1時間出演ソリスト4名。

エコオペラと三木 稔が称した事は、
出演人数にも反映されますし、
このような稽古の進行にも影響します。
時間が掛かればお金も掛かるので、
明快に合理的に進行することも、
エコオペラの真理でもあります。

とはいっても生身のオペラ歌手。
4人は大変であります。
ちっとも内容と質はエコではない・・・。
それだから面白い。
凝縮したオペラ。
3月14日公演まで丁寧に毎日稽古。

銀座十字屋2015/03/02 23:46

昨年まで毎号の通信でお世話になっていた
銀座十字屋さんでイベントがあります。

創業140年を迎えた銀座十字屋。
明治から大正昭和と、
日本に於ける西洋音楽の歩みを
スッポリとはめ込んだ様に
同時代を生きてきた十字屋史です。

3月5日(木)~7日(土)
11:00~19:00のオープン
十字屋ホールで無料イベントが開催されます。

私はなんだか7日にゲストで喋る事に。
13:30~1時間ほどです。
銀座のまちづくりに尽力される
竹沢えり子さんとのカジュアルトーク。
・・・カジュアルっていうのは、
つまり気軽に聞き流して欲しいくらいの、
四方山話っていうことでしょう・・・

ホールには展示があるようですが、
フィルムによる活弁があったり、
紙腔琴(しこうきん)という
十字屋がヒットさせた手で廻すオルガン、
蓄音機からのSP盤の視聴・・
など様々あるようです。

マンドリンやハープの生演奏、
盛りだくさんの様子です。
3日間の感謝デーということですが、
無料!ですので銀座にブラッと行って、
展示見てイベント楽しんで、
昼は裏の煉瓦亭で洋食ですかね・・・。
殿方は、夕方から隣の「白いばら」なんて
老舗キャバレーで一旗あげては如何でしょ。
十字屋ばかりではなく、創業80年100年
といったお店がズラリと並ぶガス燈通り。
こちらもいいですね・・・

連日の篭り稽古の日々で、
太陽が眩しく羨ましくなっております。

十字屋さんのホールイベントを見ると、
詳細が掲載されております。
http://www.ginzajujiya.com/hall/

33回定期2015/03/03 02:06

連日の様々なリハーサルが絡み合い
なんだか分からなくなってきますが、
このリハはそんな事言ってられない、
大所帯のリハーサル。

6日のオーラJ33回定期演奏会。
最終曲の三木 稔<巨火>には、
愛好家の皆さんも途中から参加して、
80人以上の大合奏になります。
明日からは道義先生がいらっしゃり、
直前リハになります。

今日まではこの曲は私が下振りをして
備えて参りましたが、
楽しみが募ります。

勿論自分の振る1曲目も大切な新曲。
仕上がりもよく楽しみです。

6日夜は大勢の皆さんに
来て頂きたい演奏会です!

最終リハ2015/03/05 23:31

二日間の井上道義先生のリハーサル。
時間は短くとも充実した時間でした。

指揮者にはいろいろなタイプが居ますが、
ステージを楽しませる、
見て楽しい音楽を実現させている方として
私もいつも尊敬しています。

大きな病から復帰して忙しい毎日。
心配もありますが、
エネルギッシュな動きで魅了し、
大胆な発想と繊細な感覚は
何も変らずに居てくださいます。

さて明日は公演。

19時からですが、
三木 稔メモリアルシリーズとして、
全6回を予定してくださったオーラJの
最終回と言う事になります。
<巨火>という大作品が好きで、
イベントのたびにやられていたものですが、
井上道義先生はそのたびに駆けつけ、
情熱を掛けてくださっていました。

今回の〆として相応しいメインゲスト。
大人数のアマチュアの特別参加の方々も
大勢協力してくださっています。
ホールも大きく、
当日券はまだまだあります。
是非、19時にめぐろパーシモンホールに
おいでください。

道義賛々2015/03/06 23:18

オーラJの第33回定期演奏会が
終わりました。
私がお誘いしたお客様含め、
沢山のお客様にいらして頂き、
ありがとうございました。

井上道義先生の素晴らしさは
私が今更話す事でないのですが、
あらためて邦楽の面白さと、
日本人の楽しさを確認しました。

《巨火》(「ほて」と読みます)は、
1976年に三木 稔が作曲した作品ですが、
この時の日本音楽集団の定期演奏会では
“かぐら1976”として、
あたらしい神楽への創造に挑戦しています。
他の作品も合わせての一晩の公演ですが、
最後に演奏された巨火には並々ならぬ
三木の創造性と遊び心が凝縮していて、
当時の現代邦楽合奏として
真骨頂でもあったと思います。

大きな編成の曲でしたが、
何度も再演されながら、1980年に録音。
この時に指揮をしているのが道義先生。
三木との長年の交流を続けており、
快く指揮を引き受けて下さった
追悼演奏会最終回として最高のゲストでした。

日本音楽集団が創始されてから50年。
素晴らしい歴史であると思います。
追随すべく創られたオーラJも18年。
現代邦楽を先駆した団体に、
負けじと三木に引っ張られた団体。
オーラJも現代の邦楽を考えながら、
進んでいる団体です。
そして追悼シリーズが終わり思います。
今の時代は音楽に何を求め、
邦楽合奏と言うものは
現代の聴衆に何を魅せる事ができるか。

流行と衰退は表裏一体でもあり、
流行ればあとは降りるのみです。
落ちずして先を目指すには、
常に刃の上を歩くようなもので、
鼓舞しても全員が渡らないものです。
流行らなくて当然ですが、
繰り返しながら歴史に甘んじれば
刃渡りの壁に阻まれては先など見えず、
見向く方々も減ってしまいます。
磨いで創った刃ならば、
何度でも磨きながら毀れず痛まず、
いつでも真剣として鞘に収めたいもの。

洋式で育ち洋楽を習ったものでも
年齢を重ねれば日本が面白くなります。
歴史を知るからでしょうか、
悲喜こもごもに沢山の情も経験しながら、
人生の哀れさも気づき始めるからなのか。
日本人にして日本を知らずに年を取るのが
恥ずかしくなって来たのが私の本音ですが、
誇れる日本の歴史と日本人の姿と思います。
そして未来はいつでも世界を魅了する日本で
あって欲しいものです。
そんな事を考えながら袖の小窓から
道義先生を見つめておりました。

もうすぐ震災から4年という時期。
日本と音楽家 という関係を
様々考えるには良い時期とも思います。

皆によい春が来るのを期待します。
私も精進するのみです。

銀座再考2015/03/07 23:43

銀座十字屋さんとはこの10年くらい、
コラムを書いたり公演をさせて頂いたり、
とても親しくさせて頂きました。
同時に銀座を勉強させてもらい、
銀座で商売を営む方々、
代々の屋号を守りぬく方々などと、
様々なところでお会いしながら、
銀座の懐の深さに感嘆も致しました。

十字屋さんは創業から140周年を迎え、
この3日間は展示やイベントで
周年行事を催していました。
銀座通りに面した3丁目で、
長きに亘り音楽専門として、
文化芸術の灯を絶やさないように
護る事の大変さは想像以上に大変ですね。

江戸時代に徳川家康の命で銀貨鋳造所として
埋め立てから始まったのが400年前。
大火や震災のたびに大きく変貌し、
明治期に入ると文明開化の波から、
西洋化していった町並みから人の往来。
キリスト教禁止が明治6年解かれると、
銀座十字屋は明治7年に、
教会音楽を扱うお店として創業したのです。

私の四方山話にお付き合いいただき、
一緒にトークをしていただいた、
銀座街づくり会議・銀座デザイン協議会
事務局長でもある竹沢えり子氏。
豊富な知識と銀座を愛する言葉は、
20年に亘って人に会い話をしながら、
様々な意見や歴史を聞いてきた賜物。
銀座のまちづくりという、
いわば日本の顔をメイクアップする
重要な仕事を支えてきた方の、
お話は大変に理知的で楽しかったです。

初めて2人でトークショーの形でしたが、
ハードを支える竹沢女史と、
ポワンポワンな音楽ソフト担当の私で、
凸凹具合のバランスが良かった様子です。

竹沢えり子さんが書かれた本を紹介します。

「銀座にはなぜ超高層ビルがないのか」
~まちがつくった地域のルール~
平凡社 2013年11月発刊

今も(つねに)開発されている銀座を
ルールをつくり地域で守りながら、
発展させ進化させている銀座の話ですが、
建築と街の固い話ではない、
銀座に対する愛情深い方々の人情物語。
「人」に始まり「人」に至るという、
大切な事が沢山書かれてました。

音の寿命2015/03/08 23:09

高齢化社会であります。
命は順番であれば摂理に従い、
繋いでいくものと思います。
時折、摂理を乱す事件が起こり、
社会現象にまでなりますと、
若い命は尊いものと考え込みます。
与えられたのは1つの命であり、
家柄や社会的地位が違っても、
1つの人生は誰にでもある権利ですね。

その昔東南アジアに行った時に、
100キロの速度で走るバイクに
ノーヘルで乗るカップルを見ました。
特別ではなく、殆どそんな人たちです。

バイクに跨っているのは男性で、
後ろにはうら若き女性。
俗に言う横座りで彼の腰に手を廻し、
ニコニコしながら幸せそうな笑顔。
決して良い道路ではない舗装路に、
交通量の程多い交通情況、
小排気量バイクの制動力も考えると、
併走した車から見ていて心配が募ります、
でも皆楽しそうにスピードを出して、
そして2人乗りのバイクなどは、
無邪気に叫びながら会話していました。

大切にし過ぎて過保護なのも命なら、
明日の生活を考える余裕も無く、
毎日を必死に、でも笑って
幸せを感じながら過ごすのも命。
発展途上国などに行くと、
考えさせられた頃がありました。

さて三木 稔の資料を見ていると、
いろいろな過去の公演などのチラシ、
ポスターなど出てきます。
整理を丁寧にしてあるので、
彼の歴史だけでなく、
社会情勢と音楽家の関係が見えてきます。

写真の公演チラシは、
1986年の「合唱の祭典」という
大イベントの広告チラシ。
東京合唱協会定期公演とありますが、
ものすごい方々の名前と、
和田誠氏によるものであろう
作曲家の似顔絵も面白いが、
今は亡き方々も多く、
しかしながら歌い継がれている作品、
その他音楽分野でも演奏されている
素晴らしい名作曲家が連なっている。

命亡き後もこうやって魂のような
作品群が残り、
演奏によっていつでも息吹を感じる。
生命力と言うのは心臓の力ではなく、
創造力が産み落とした作品という
子供達であるというのが良く分かる。

音楽と命のお話でした。

東京初演2015/03/11 23:09

土曜日14日の公演の稽古が連日です。

エコオペラと謳って創作された作品は、
4人のソリストに女声合唱、
シンプルな1幕6場のオペラです。

病で声を無くそうとしている歌手「音哉」。
恋人「澪」に苦悩を打ち明けながら、
葛藤する生き様と恋人を愛する心。

岬で出会った魔法使いと称する「あかり」は
2人の行く先を心配しながらも
自らの恋心の矛先でもある「先生」との恋が
成就するのを待っている。

浜辺のコーラスが本番を迎える日、
深い池に住む伝説の龍が現れれば、
その魔力で様々な願いを叶えてくれると言う。
龍を呼ぶコーラスの声に現れた龍。
二つの恋は成就し音哉も生きる希望を持つ。

2008年11月に静岡県御前崎の委嘱により、
作曲をした作品ながら、
作曲中の三木 稔本人は病の悪化や、
思わぬ別の症状で入退院を繰り返しました。
病院にキーボードを持ち込んで作曲し、
物凄いスピードで完成させたオペラは、
6曲の女声合唱も独立して歌うことが可能。
シンプルなソリストの編成でありながら、
4人のアリア、3重唱から合唱との終曲と
盛りだくさんの内容。

舞台転換が無いので美術予算の縮小になり、
小道具類も少なく、道具関係もエコ。
合唱も昨今の事情を反映して、
混声ではなく女声のみの3部編成。
こうする事でアマチュアで盛んな団体も
この合唱は気軽に歌うことが可能です。

日本史に添う9連作など含め、
様々なオペラに関わった三木ですが、
上演以前の経済状態に左右され、
資金調達に悩むばかりのオペラ上演を
何とかシンプルに出来ないかと考え、
身の健康状態からの苦肉の策のような起案も
理にかなったエコオペラでもあります。

しかしエコなのは制作していく上だけ。
このオペラ演じる側は大変です。
日本語オペラには日本語で歌う難しさ、
ダイレクトに伝える必要性もあり、
誰もが向いている訳ではないと思います。
1時間のオペラを4人で歌い
ほぼ休む間もなく演じていく事は、
体力的にも技術的にも鍛えられた
方々でないと大変でもあります。

今回のソリスト4名はとても真摯に考えて
公演に向かっていてくれます。
また合唱団の長い間の稽古がようやく
花を開こうとしているのを感じ、
指揮者としても企画者としても、
公演が成功に導く使命を感じます。

3月14日まで後数日。
今日は初めての通し稽古でした。
とてもよいスパートだと思います。
エコルマホールは狛江の駅から1分、
新宿から20数分で狛江に着きます。
3000円で松村禎三作品と、
東京初演の三木 稔オペラが見られる2時間。
残席僅少ながらまだまだ席はあります。
是非大勢の方に来て頂きたいです。

松村&三木2015/03/14 23:45

沢山のお客様に御来場頂き、
盛会のまま終演いたしました。

松村禎三&三木 稔という
珍しい組み合わせの企画も、
またこれ楽しいとして、
因果な関係を全うできたかと思います。

それぞれの作品がいつまでも愛され、
いろいろな方々の耳に目に、
感性に訴えかける事を祈ります。

出演していた者が喜んでいる場合では
ないのでしょうが、
万事予定通り楽しく参りましたので、
ホッとしております。

全ての関係者の方々に
心より感謝をいたします。

走る2015/03/20 23:04

オペラ公演も終わり、
少し時間にユトリが出来たので、
いろいろと再燃したり工夫したりです。

ジムに行く時間が取れるようになりました。
1ヶ月も行かれないと、
身体はブヨブヨになり、
まだ増えるのかと言うくらいに
体脂肪率も上がって参ります。
公演準備より減ったオペラダイエットで
体重が減っても運動能力は下がる。
やはり運動をして痩せ様と思うものです。

私は走るのが嫌いなので、
自転車に乗っているようなものですが、
ふと思い立ち、嫌な事からやろうと、
再開したジムワークでは実に走っている。
・・・とは言っても、
嫌いなランニングなので、
5~6km走っても平均で時速10km未満。
たいした話ではないのです。
一般的にアマチュアランナーの夢は、
42.195kmのフルマラソンで4時間切り。
つまり時速10kmで走り続けられても、
切れないわけでして、
4時間切りには平均時速で11キロは
稼がないとダメなわけです。

ううむ・・・
がんばろう。
カウンター