舞台魂2007/03/25 23:59

お陰さまで、オペラ「ミカド」
5日間5回連続の公演が終わりました。

前代未聞という言葉が今日でもあるなら、
この言葉が相応しい、総オペラ歌手による、
連続5日の公演でした。
全ての出演者、そして支えてくださった、
ベテランから若手のスタッフに対しても、
労いの言葉しか浮かびません。
皆さん、お疲れ様でした。

事故なく、健康で毎日の公演が終れる事、
このことだけを願い、
公演前から手を合わせていましたが、
5回の公演は、恙無く進み、
お客さんの満面の笑みを携えた後姿が、
常に次の日のエネルギーとなっていました。
ただ、終って打ち上げた席で歌手の話を聞けば、
熱が下がらず点滴だけで出演した方、
舞台以外の抜き差しならぬ仕事をこなしながら、
万全を期した方など、人には言えない苦労の中、
最善を尽くしながら出演した姿に、
前代未聞とは、浮かれた達成感ではなく、
一瞬にして谷底に落ちていくような、
危険と隣り合わせの登頂のようなものだと、
成し遂げた事に、ひとまずホッとしています。

この舞台を最後に舞台生活から降りる、
バレエダンサーのAちゃん、
この作品がさお最後でよかったと、仰ってました。
これからも良い毎日を。
でも、彼女だけではなかった、
やはり、舞台生活と線を引くと仰る方がいる・・。
私は信じないようにしているが、、、。
舞台を中心の生活がどの位大変か、
普通の方には解りかねると思いますが、
真摯に向かう者ほど、多くの犠牲を払い、
周りにも迷惑をかけながらでないと、
思うように成し遂げられません。
その苦労は人事では無いのですが、
考え抜いて決断した事を撤回させることは、
さらに苦しめることにもなるのかもしれない。

舞台は、魔物です。

沢山の方の協力と尽力、応援は、
この1年だけではなく、2001年から今日まで、
続いています。
個人的に応援してくださった方々、
団体として、また間接的に、
多大な支援をしてくださった方、
全ての方に感謝を申し上げなくてはなりません。
期待に応えられている部分もあれば、
大変な迷惑を掛けている部署もあり、
すべてにおいて頭は上がりませんが、
どこまで行っても感謝が追いつかず、
この場を借りて、あらためて頭を垂れます。

ミカドの残務は沢山あり、
これらにまだまだ時間を使っていきますが、
既に直ぐに取り掛からなくてはならない仕事が、
山のように待っています。
感傷に浸る場も時間もありませんし、
ミカドに費やしたが為に、滞った仕事多々あり、
取り返さなくていけない迷惑を掛けています。

また新しい1日が始まります。
こうしてまた、毎日が舞台の幕開けです。
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