温故知新2007/03/06 22:21

長いお付き合いをさせて頂いている
バレエの振り付け・演出のY先生と、
来年の仕事の打ち合せで会いました。

先生とは誕生日が一緒なので、
勝手に特別な縁を感じております。
年は勿論大いに上で、次の5月には祝いのゾロ目らしく、
同じゾロ目になる私なんぞ、まだまだヒヨッ子である。
舞台芸術は、音楽のみならず
各界の才能が集積する場所なので、
このように音楽と隣り合わせの世界の方々と、
特に最前線で戦い抜いてきた先生方の話ほど
面白いものはないのだ。

50年に渡り舞台と共に生き
斬新な作品を発表しつづけてきた先生は、
集大成という言葉を使われ、
最後にもう一つ創る、と仰られる。
勿論、現在お元気そのものなので、
最後ではないはずなのであるが、
大切な仕事のパートナーとして
指名してくださった事に感謝すると共に、
とても身の引き締まる思いである。

まだまだ先とは言え、
準備万端、抜かりなく臨みます、と、
目で約束をいたしました。

現在の私を知った上で、
さまざまな経験をお話してくださる。
見透かした様に、強く発せられる激励の言葉は、
私の鼓膜を通れば叱咤として脳裏に響き渡る。
優しさと厳しさに目頭が熱くなる、のは、、、
花粉症のせいである(強情)。

創造という日常に押し潰されそうな毎日。
萎えかけた心に、言葉の針は的確にツボを刺激する。
冬の窓から差し込む陽が冷え切った心を暖めるように、
身体の内側から自然治癒されるが如く、である。

有り難いことです。 感謝 また感謝。

関係ない話になりますが、
現在ほぼ毎日稽古があります。
本拠地のスタジオから、出掛けたするのですが、
都電に乗って行かれる所が多いのです。
和傘十数本と舞扇子を抱えてチンチン電車に乗る。
ガタガタと低周波に揺られながら、稽古に向かうも良し。
一仕事終えてアドレナリンを放散させながら帰るも良し。
時間に追い立てられている日常を忘れてしまいそうな、
都電からのそんな車窓はとても心地よいのです。
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