新国オペラ2006/02/14 23:43

今日から、新国劇場での新作オペラのお手伝い。

「愛怨」三木稔作曲で、瀬戸内寂聴台本です。
私は新国の音楽スタッフではなく、
ハイビジョンで収録するための音楽スタッフ。
収録時には、カメラ用の台本を使うのですが、
カメラのタイミングや、曲の切り替えなど、
音楽スタッフは欠かせません。
よく、アマチュアのオケなどで撮っているVTRは、
リハーサルの時に譜面見ている人が居て、
この人が全てカメラ割りしておきます。
本番中に、3~4台のカメラに、次撮るものを
指示していき、同時にカメラチェンジのタイミングも、
指示します。こうすれば、後で編集要らずで、
経費も安く済むのです。

オペラはそうはいきません。
念入りなカメラ割と、タイミングのチェック。
歌手は動きが多いですし、
照明もめまぐるしく変化します。
ましてや、ドラマですから、
めったなカメラ割りをしてしまうわけにはいきません。
また撮影後の編集も大変ですし、
外国語の邦訳の場合は字幕を入れますね。
この作業も過去に何度もやりましたが、
なんとも大変です。訳詞から、入れるタイミング、
また何名も違う言葉で歌うデュエットやトリオ、
7人が違う言葉で一斉に歌う、セプテットなんてなると、
これに正確に7名分字幕入れたら、
画面が見えませんね・・・。

ということですが、
今日は下見も兼ねて、HP(ハーペー)です。
新国は音の響きも良く、2階3階で観ても、
歌とオケのバランス、しかも日本語の場合には、
言葉の認識度なども比較的良いほうですので、
ストレスは少ないですね。
HPと言うのは、通し稽古で、
本番の舞台、道具、オケを使って、
実際の間尺で動き、歌い、感覚を掴んでいく稽古で、
通した後に、少し直したり、また練習もしたりします。
A組とB組があるので、2回やりますが、
合唱や比較的辛くない役は一人でやりますし、
勿論オケも1つですので、2日目の今日は、
いろいろとこなれてきます。

あすは、GP(ゲネプロ)です。
本番の様に、照明も入り、客電の消し方から、
休憩時間まで、本番通りです。
メイク、衣裳もさながらにしますし、
まさに本番の様にやる稽古。
更に良くなるでしょう。

遣唐使にのって中国に渡る途中に難破し、
命からがら助かった大野浄人は、
自分の妻とそっくりな女性 柳玲に出会う。
琵琶の秘曲「愛怨」を伝授してもらう事を目的に、
中国に行ったのだが、次第に柳玲にひかれていく・・・

奈良時代の日本と中国、
両国を舞台にした、大スペクタクルです。
私の友達、中国琵琶の名手、楊静(ヤンジン)も、
名演奏を聴かせます。

よい初日になると思います。
素敵な映像になるよう、私も働きますわ!
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