大浦天井2009/11/06 23:23

今日も、藝大でのオペラ稽古。
授業の時間に合わせているので、
大変物足りないですが、仕方ないのです。
じっくりゆっくりと進むしかないのですね。
終わってから少し時間があったので、
主役で主催、苦労と期待多き女性とお茶。
美校(美術学部)の新しくなった大浦食堂へ。

ウチの父の代から変わっていなかった旧食堂の建物は、
文化遺産のようなモノでした。
大正建築様式であり、天井の格子の美しさは、
日常美の典型、庶民の憩いを形にしたような様相。
文化遺産とも思っていた食堂が、
美術館建築と共に、建て替えられた事は、
私たちとその前の数十年の世代にとっては悲しかった。

外からは見ていたが、中に入る時間も勇気も無く、
その彼女が一緒だったので、念願の新食堂体験!
はいった瞬間、匂いが変わっていない・・・。
厨房の方に出向き、昼抜きだった胃を満足させるため、
カウンターを覗けば、懐かしい夕方メニュー。
と、思ったら、カウンターにおじさん!
「あっ、久しぶり!」と先に声をかけられる。
「あぁ、こんにちは、大変ご無沙汰です!」と。
ご無沙汰なんてものではない。
藝大にはたまに来ていても、
ここに出向くのは、、、15年振りか。
なのに、「あっ、久しぶり!」・・・。
2人してゆるむ表情。
20年以上前の学生を覚えているおじさんもおじさんだが、
覚えられている私に自分で驚いたものだ。
話が弾み、最近の話、昔の話。
昔と違い、屋内は全面禁煙になり、
夕方は音校生が、多いらしい・・・。

懐かしさあまり、夕方メニューを喰らう。
通称バタ丼。
バターたっぷりで、もやしと豆腐を炒めた名物。
気がつくと、私は昔の様に一味をたっぷり振っていた。
なにもかも同じ。
匂いばかりでなく、笑顔、味、厨房の様子。

屋内から出ると、たむろ出来るベンチに椅子テーブル。
ここは、四方山話、今の話、明日の話と、
数十年経っても、時代エネルギーの鍔迫り合いの場。
結局、何も、変わっていないのである。
変わるはずもないし、その必要もないのである。
カウンター