ラ・フォル・ジュルネ2008/03/06 18:16

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン
All About に新しい記事を掲載しました。

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン
「熱狂の日」音楽祭2008 は、今年で4回目。
5月最初のGWを利用したクラシックイベントで、
日本、、いや世界最大級のクラシックイベントに
発展しつつあります。
今年のテーマは、、「シューベルトとウィーン」。
様々な作曲家がウィーンで活躍しましたが、
生粋のウィーンっ子というのは、
有名作曲家ではシューベルトくらいなもの。
彼ほど、ウィーンの18世紀の匂いを持つ作曲家も、
珍しいのです。
ただ、残念ながら短命。
才ある方々は早く散る事も多いのでしょうが、
シューベルトも早くから咲いた天才肌ですし、
10代の頃の歌曲を聴くと、考えられない感性ですね。

私は、とても好きなのですが、とても難しい作曲家。
演奏家にとって、特に歌詞のない器楽奏者にとって、
シューベルトは、決して簡単な作品ではないのです。
定規を使ってしっかり書けば90点取れるような、
単なる構成上手の古典派では勿論なく、
一瞬の閃きと、瞬時の輝きを譜面に写していった、
右脳至上主義の爆発系作曲家でもない。
何だか、常に自分を卑下しながら済まなそうに歩き、
言えない事は友達に言ってもらいながら、
でも内面では、誰よりも熱く語っている。
この熱さは、暑苦しさではなくて、
いつまでもあたっていると低温火傷しそうな、
つまり、過度の温もり深き情熱とも言うべき感情。
この絶妙の温かさを演奏するのは難しく、
常に制御をしながら、腹八分目でなければならない。
横柄な音、厚かましい歌い方や、これみよがしは、
全部許されないのである。

強く触ったら壊れてしまいそうなものを、
大事に扱う感覚でしょうかね。
宗教曲など、特に神がかった才能ですし、
管楽器の使い方は、ベートーヴェンよりも革新的かも。
ドラマを作り出す才能もあり、
歌曲王と呼ばれただけあり、言葉を敏感に感じとり、
美しい旋律にする能力、
そしてそれらの言葉を紡ぎながらドラマにする才能、
どこをとっても、揺ぎ無いシューベルトの世界です。

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンは、
とんでもない数の公演をしていますが、
公演の数と共に、質の高い公演もたくさんあり、
特に、普段聴けないマニアックな公演に定評があります。
お祭りとは言えども、ホール内では粛々と公演が催される。
フランスのナントの町で始ったイベントが、
こんな形で日本に定着するなんて、4年前は、
思ってもいなかったのですが、今年は興味津々。
ようやく、来たぞ!って感じのないようです。
大いに期待したく、記事にしましたし、
シューベルトの横顔を見つめながら、もう一度、
公演案内書こうと考えております。

記事はこちらから!
http://allabout.co.jp/entertainment/classicmusic/

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