BoxCD ― 2015/11/01 11:53
あっちこっちに行っていると、
重たいスコアを何冊も運ぶのは大義です。
しかし数年前からはスコアをPDF化したり、
ネット上に落ちている膨大なお宝スコアのお陰で
重さ数キロに及ぶ荷物を常に運ばなくても
良いですし画面資料で確認することも多く、
デジタル文明は資料閲覧という分野では、
非常に恩恵があります。
とはいえやはり等倍の譜面を広げて、
見回しながら過去の作曲家の心理や、
その後の研究者の目論見などに思いを馳せると
等身大の対峙ができている気がして、
デジタルを介すモヤモヤスコアリーディングが
高原の陽の光を全身で浴びたり、
マイナスイオンをたっぷり放散している
森林で深呼吸するくらい気持ちが良い。
これが基準です。
さてCDの将来を案じているどころか、
もうすでに絶望しているのですが、
焦燥感のやるせなさが衝動購買意欲エネルギーに
変換される法則を調べたい位クリックしてしまう。
Claudio Abbado の録音全集Box CDです。
39枚の内すでに持っている何枚もありながら、
「限定」という誘い文句に頗る虚弱なのです。
こうしてカルタの様に並べると、
敬愛がやまないアバドの姿に嬉しくなりますし、
このジャケット一枚ずつの中のCDには、
彼の音楽が隅々まで入っていると思うと、
これもまた宝の箱な訳です。
しかも譜面広げて見ていったら2ヶ月位は
楽しめ、一生手本になる内容。
何もしないでこれだけを聴いていたい・・。
トホホ。
マラ5稽古 ― 2015/11/02 23:47
12月のメインイベント定期演奏会で
名曲でありながらアマチュアにとっては
難曲でもあるG.マーラーの交響曲第5番を
演奏予定で準備しています。
私が公演を指揮するのではありませんが、
“下振り”と言われる本指揮者の来られない時に
オーケストラに下稽古をする係の日でした。
私が公演で振るならば自分の思考で好きに考え
その演奏に皆さんを導きながら、
考えをひとつにまとめれば良いのですが、
下振りはそうはいきません。
自分が振っていながら影武者でもあり、
トレーナーとしての役目が優先です。
大きなオペラプロジェクトになると、
副指揮と言われる役目の指揮者が数人いますが、
この方々も基本的には下振りであり、
本指揮者をサポートしながら進みます。
しかしオペラの場合にはソリスト、合唱、
そしてオーケストラの絡みがあるので、
諸所の連絡や音楽の統一性を持たす事も大切で、
それぞれの持ち場を持った副指揮は、
とても重要な役目を発揮します。
つまり音楽スタッフの要でもあるわけです。
オーケストラの場合には下振りという
言い方で正しいと思うのは、
ソロも合唱も演出もなく、惑わされずに
オーケストラの音楽に関してのみ
サポートすればよいからです。
しかしながらただの影武者ではなく、
効果覿面になるようなレッスンをして
理解しやすく教える事が大切。
難曲ですが丁寧に時間をかければ、
かならす音楽(作曲家)との距離も縮まり、
納得のいく公演に行き着くものです。
20年振りとも思えるマーラーの5番ですが、
まだまだ道半ばであり、期待したいです。
そして下振りとはいえ、
この曲の音楽センスを前にすると、
振る事は非常に体力的にも精神的にも、
疲労するものです。
古典の音楽が精神との対峙だとすれば、
20世紀の幕開けであるこれらの音楽は、
哲学と思想を背負い込みながら、
まやかしではモノも言えない
思考の海に溺れそうになる恐ろしい曲です。
頑張って欲しいです。
皆頑張ろう ― 2015/11/03 23:53
様々な場所でやるのですが、
学校ではなく外部の練習場で行う時、
その町の雰囲気で
楽しかったり気持ちが萎えたり、
音楽とは違う部分で環境に左右されます。
文化芸術というものがホールや劇場の
屋内だけで存在したりする瞬時のまやかしではなく、
環境の内に存在するという連続性をもった
活動や運動の静止画像である事が大切ですね。
音楽だけではないのです。
街の中に生活があっるということは
住人の毎朝があり、活気ある毎日の昼があり、
身をやつして仕事をこなした就労人の夕刻、
安堵の表情で身を横たえる家族。
それぞれの絵が時間の経過であり、
街の表情や明日を生むわけです。
その街にある屋内劇場やホールは、
愛されるべき特別な日常空間であり、
誇るべきさりげない佇まいであるのです。
守られた環境の学生という立場で、
町に出た彼らは何も感じないかも知れませんが、
駅を出て街を感じる事は何時何度機でも
私には重要な課題でありレッスンの序奏です。
とは言え、下町の活気に気分良く進んで、
笑顔で初めたはずなのに、
一瞬で暗雲立ち込めた悪天候の精神状態に
なってしまうのですが・・・。
頑張るんだみんな。
文化フェス2015 ― 2015/11/04 10:05
躍起になって宣伝です!
この演奏会は数年の企画の集大成でもあり、
必ずや楽しく過ごせる2時間をお約束です。
しかも 1000円・・・です。
もうに度とできない毎年の企画ですが、
ワザワザの電車に乗ってでも、
是非、是非おいでください!!!
素晴らしいメンバーに囲まれて行います。
今週次週とドンドン宣伝いたします。
指揮と司会いたします!
日時:11月14日(土)15時開演(14時開場)
会場:エコルマホール
入場料:全席自由 1,000円
小中学生入場無料(事前に無料整理券が必要)
申し込み・問い合わせ:
(一財)狛江市文化振興事業団 Tel.03(3430)4106
主催:一般財団法人狛江市文化振興事業団
企画制作:音楽の街-狛江 エコルマ企画委員会
出演:
ホワイエでの【Welcome Concert】
明治大学交響楽団金管アンサンブル(14時20分〜)
【1時間目】器楽の時間~いろいろな楽器~
☆「春の海」(宮城道雄)
石田真奈美(箏)、戸川藍山(尺八)
☆弦楽四重奏曲第12番へ長調 作品96
「アメリカ」より(ドヴォルザーク)
レスパス弦楽四重奏団
【2時間目】トーンチャイムってなあに??
緑野小学校えのき学級有志のみなさん
【3時間目】朗読と音楽~音楽とおはなし~
☆「どんぐりと山猫」(宮沢賢治)
山猫合奏団(白石 准Pf、楠 定憲Na、高山正樹Na)
【4時間目】校歌収録~校歌を歌おう~
☆統廃合によりなくなった
狛江市立第二、四、七、八小学校校歌を公開収録
谷 宣子(指揮)、谷 有希子(ピアノ)
公募による文化フェスティバル合唱団
前嶋のぞみ(Sop)、小林紗季子(MSop)、
小堀勇介(Ten)、高田智士(Br)
【5時間目】唱歌の名曲大合奏
~みんなが歌った名曲メドレー~
☆唱歌からポップスまでのオリジナルメドレー
(編曲:大政直人)
石田真奈美(箏)、戸川藍山(尺八)、
レスパス弦楽四重奏団(Vn.鍵冨弦太郎、小形 響
Vla.福井 萌、Vc.湯原拓哉)、Pf.案野弘子
Cl.木津陽介、Fg.吉本 康、
前嶋のぞみ(Sop)、小林紗季子(MSop)、
小堀勇介(Ten)、高田智士(Br)
榊原 徹(指揮)
司会:
榊原 徹
(指揮者、狛江市文化振興事業団アートコンシェルジュ)
山本智子
(ソプラノ、音楽の街-狛江 エコルマ企画委員会委員)
阿波 ― 2015/11/05 12:57
縦譜 ― 2015/11/06 13:31
この世には他にもありとあらゆる譜面があります。
五線譜は西洋音楽の理論を図案化した所謂論理的な
表現方法であり、
再現をするのに汲み取ることのできる
共通言語だと思います。
同じように日本には日本の楽器独特の記譜法があり、
和楽器の各楽器それぞれに違います。
また同じ楽器でも流派によって違うものもあり
厄介ではありますが、
それもまた独自の変化と理論を備えた表現であり、
千差万別なのですね。
お箏の縦符というものは、
時間軸である拍子は縦に流れながら、
各拍子で区切られた小節の中に、
絃に割り当てられた音が鳴るようにを
弾く絃の番号が書いてあります。
同時に西洋音楽的な音量やテンポの指示、
はたまた歌詞も一緒に並行して書いてあります。
絃の本数に制限があり、、、
というよりもともと5音階だった日本音楽に
沿った楽器であったものですから、
7音階を表現する時には飛ばしてある音もあり、
五線譜よりも絃符という記譜の法が、
的確で合理的であるわけです。
お稽古の時、五線譜と縦譜を広げてみると
合理の思考の違いが見えて面白いものです。
即食 ― 2015/11/07 17:35







約束 ― 2015/11/08 23:48
大変お世話になった写真家の水谷さん。
舞台関係はいつも撮って頂きました。
元々の報道カメラマンの威勢の良さ、
江戸っ子気風でカメラも口も上手い。
音楽には気を遣ってくださり、
「徹ちゃん音消しているからさ大丈夫大丈夫!」
と言っている声が一番デカくて、
咳払いにガサゴソ鞄を漁りながら、
フィルムにレンズ変える音もやかましい。
撮った写真の出来栄えば最高でした。
江戸っ子職人の典型みたいなおやっさん。
何十回約束させられたかか解らない。
「俺が死んだらさ、
弾いてよラ・クンパルシータ!!頼むよ。
キオちゃんと一緒にやってよ!」
その度に
「冗談でしょ、やめてよ縁起悪い」
といって縁起でも無い話を終わりにして
でもまた次会うと言うんだね。
「頼むよ、約束だよ!」
そんな日が一生来ない方が良いと
ずっと思っていたし、
葬式でタンゴ演奏しろって、
不謹慎だろうって思っていたのに。
とうとう逝っちまいました。
昭和2年の生まれってんですから、
天寿を全うって言うのか、
でも自由人過ぎて一人暮らしを貫き、
そんでもって心配も他所に独りで逝って、
なんて人だろうって思いますね。
約束守るため奥様と一緒に行ってきまして、
<ラ・クンパルシータ>
鍵盤ハーモニカとヴァイオリンで
目の前で演奏してきました。
ジーっと目を瞑って聴いていましたね。
ジーっと。
ニヤニヤでもゲラゲラでも笑って欲しかったね。
自分で撮った遺影はカッコよくて、
しまいにゃ手土産の挨拶文まで用意してあった。
なんて人だい水谷さん。
寂しいなぁ
世話になった先輩が逝くのを見送るのは。
参ったなぁ
<ラ・クンパルシータ>が悲しい曲になっちまった。
文化フェス見所 ― 2015/11/12 08:46
もうすでにホールで準備を始めました。
今回の「音楽室に行こう!」は、
懐かしい音楽の授業で知ったクラシック名曲から
知っているけれど生で聴いた事がない邦楽古典、
合唱祭でうたったあの名曲や
なんとなく知っているけどうる覚えの宮沢賢治、
そして地元統廃合された小学校校歌・・・
学校の音楽をたくさん取り上げます。
ロビーでは、音楽の街–狛江活動の様子や
肩を並べて活動する絵手紙発祥の地ー狛江の
みなさんの音楽絵手紙なども飾り、
文化フェスという側面も十分に匂わせます。
ホール主催の事業なので早くから準備をしたり、
また日曜日のこまえ市民まつりとの関連前夜祭
という位置付けから共通広告もして頂いています。
私は最後のフィナーレ合奏の指揮と、
全体の司会をしておりますが、
こういう音楽イベントは質もさる事ながら、
娯楽的要素をいかに挟み込むかという
仕込みが実に重要ですね。
頭も体も使いながら、成功させたいです。
心配なのは天気のみ・・・。
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