Fogurenotes2012/07/27 23:47

多くの音楽家がそうでしょうが、
私も幼少の頃から音楽を習ったので、
小学校に入る前に既にドレミを読み、
五線という音楽理論の初歩は、
当たり前のように身についた気がします。
でも大人になった今でも、
白と黒の殺風景な譜面には必要以上に
脅威と距離を感じてしまいます。
カラー印刷という作業が安価になり、
家庭でも当たり前になった現在、
どの楽譜でも変えないモノクロ主義は
可笑しなものだとずっと思います。

演奏に必要な情報を書き込んだ後の
音楽イメージを頭に焼き付ける作業は、
モノクロではないのです。
どんな小さな編成でもオーケストラでも、
音色という色彩は豊かであり、
自由音の筆に絵の具をつけていくのです。
音を出す演奏者だったらさらに敏感に色彩を
感じているはずだと思います。
ですから、もっと直感的に演奏ができる、
もしくは作曲家の意図が正しく伝わる、
カラーの譜面は出来ないものかと、
長い事思っていました。

この考えによる音楽の為の記譜とは
根本的には違うのですが、
カラーを利用した視覚的に優れた
初心者に優しい記譜法があります。
<fugurenote>フィギャーノートと言います。
音楽を演奏するためには、
それ以前に譜面を読む技術を取得せねば
いけないのですが、
このシステムは色、形、長さという3種で、
音符に相当する音の種類、高さ、リズムを
視覚的に使い分けます。
譜面代わりの紙に書かれた色形をみて、
目の前の楽器に貼られた同じシールを追うと
自然と演奏が出来てしまうもので、
フィンランド生まれのシステムです。

この考えを日本に導入している方々がいて、
私も賛同しながら興味を持っています。
特別支援学校や特別養護老人ホームなど
楽器に触れたくても機会がなかったり、
譜面を読めないので諦めたりした方々でも、
このシステムは喜びを共有できるのです。
まだまだ広がりは少ないのですが、
今日も実践されている現場を見学しました。
このシステムによる演奏の喜びで、
音楽によるコミュニケーションが
確実に生まれている様子を目の当たりにし、
これからの展開と研究次第では、
もっと普及するだろうと感じました。

興味深く見守ろうと思います。
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