北方領土2016/12/16 10:19

・・・というタイトルでなくとも
まったく良いのですが。

小説家の桜木紫乃の著作で
「霧〔ウラル〕」というのがあります。
この方は小説「ホテルローヤル」で
第149回直木賞を獲られているので
ご存知の方お多いともいます。

気に入った小説家を見つけると、
その作品背景の裏側を見つけたくて
新旧作品問わずどんどん暴読するのですが、
この方も追っかけ回しました。

桜木氏は北海道の出身で
作品の舞台は北海道ばかり。
(この辺で道産子は読んで見たくなるものですな)
最近何気なく抜き取って読みなおした本が
この「霧」なのですが、
舞台は道東の根室。

歯舞群島を目の前にした街ですが、
この町を中心にした話。

戦後ポツダム宣言受諾後も攻撃を続け
数週間で北方領土を占拠したロシアの史実から
事を発した物語なのですが、
自分が生まれる年を中心とした
日本の戦後から成長期の変わり目でもある
時代背景もまた感慨深いのです。

国後島を追われた日本人、
そこで引き裂かれた家族や友人との別れなど、
フィクションとは言え
行間で十分当時を思い起こせるものです。

たまたまですが、
北方領土問題をこんな切り口で見つめてみて
容易ではない日ソ関係と、
国の資源、資材、政治の欲、
そして今や住まう人間の生活が複雑に要因し
「自分の代で解決する」何ていう
簡単な問題ではない事は子供でもわかる。

そんな本を読むつもりではなかったのですが、
読んでしまったから忘れぬよう・・・。
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