野球な2時間2016/12/04 23:13

あっというまに12月です。
カレンダーを捲る度に感じますが、
最後の一枚になった時の残りの紙の薄さは
1年の速さを実感すると共に
「もう師走で大丈夫か?!」という
自問自答にもなるものです。

と言っても時間は公平にあり、
平等に過ぎていくものですね。

ひっさしぶりに野球をしました。
我がチームの納会の紅白戦であり、
楽しく忘年会するための一汗でもあるのです。

私は秋から全く運動をしていないに近く
歩いているのも不思議なほどの底体力。
野球がある土日は他の用事で忙しく
地元愛の証である草野球に不義理が続きました。

実は差し迫った仕事はありますが、
どうにか2時間だけ許していただこうと参戦。

いや〜〜〜、気持ちいいですね。
打てなくて肩がモロくてもいいのです、
自然を感じて野球をするだけで、
気分も爽快であります。

夜はリハーサル。
グランド駆け巡る楽しさから、
一気に現実に引き戻されるようですが、
新作の気持ちよさはまあ格別でもあります。

さてさて明日は5時起き・・・。
頑張るぞい!

北方領土2016/12/16 10:19

・・・というタイトルでなくとも
まったく良いのですが。

小説家の桜木紫乃の著作で
「霧〔ウラル〕」というのがあります。
この方は小説「ホテルローヤル」で
第149回直木賞を獲られているので
ご存知の方お多いともいます。

気に入った小説家を見つけると、
その作品背景の裏側を見つけたくて
新旧作品問わずどんどん暴読するのですが、
この方も追っかけ回しました。

桜木氏は北海道の出身で
作品の舞台は北海道ばかり。
(この辺で道産子は読んで見たくなるものですな)
最近何気なく抜き取って読みなおした本が
この「霧」なのですが、
舞台は道東の根室。

歯舞群島を目の前にした街ですが、
この町を中心にした話。

戦後ポツダム宣言受諾後も攻撃を続け
数週間で北方領土を占拠したロシアの史実から
事を発した物語なのですが、
自分が生まれる年を中心とした
日本の戦後から成長期の変わり目でもある
時代背景もまた感慨深いのです。

国後島を追われた日本人、
そこで引き裂かれた家族や友人との別れなど、
フィクションとは言え
行間で十分当時を思い起こせるものです。

たまたまですが、
北方領土問題をこんな切り口で見つめてみて
容易ではない日ソ関係と、
国の資源、資材、政治の欲、
そして今や住まう人間の生活が複雑に要因し
「自分の代で解決する」何ていう
簡単な問題ではない事は子供でもわかる。

そんな本を読むつもりではなかったのですが、
読んでしまったから忘れぬよう・・・。

オペラ鑑真東渡2016/12/23 23:36

丁度日取りが良く、
そして奈良で見ることの必要性もあり
日帰りで観に行ってきました。

友人が出演していたこともあり、
中国での初演を含めて話には訊いており、
来日引越し公演を楽しみ、、というより
興味津々でいたのです。

鑑真和尚の話ですので
知っている方も多かろうと思います。
私は、遠く高校生の頃に
映画の<天平の甍>を観ながら
壮大なスペクタクルに瞼を重くし、
ただただスクリーンを見つめた記憶。

しかも「この映画を観に行かないと一生の後悔」
というほど親に急かされて、
絆されながら映画館に向かった記憶・・・
まぁ鑑真さんの事は知らなければ
調べていただければいくらでも歴史は掴めます。

私が興味を持っていたのが、
中国江蘇から来るプロジェクトで、
歌手、スタッフ、そしてオーケストラ(!)
全てが来日です。
こんな事は今までないのです。

中国には素晴らしい伝統芸能と
舞台芸術が調和した京劇があり、
そして伝統楽器を配した管弦楽というものも
未だに根強い人気を博しており、
完全なる西洋スタイルのオペラは、
決して浸透しているわけではない。

一応断っておくが、
大都市北京には素晴らしい西洋音楽の音楽祭もあれば
日常的な西洋オーケストラの演奏もあり、
多くの都市部でもこれに倣っている文化はある。
この辺りはこの数十年の西洋化を考えれば
音楽に関しても想像に容易いのですある。

でも今回はオペラプロジェクトです!

オケも来る・・・。
凄いのですよこれが。

中国のオペラ歌手はすでに欧米で活躍しており、
圧倒的な声量や生まれ持った素養も含め、
日本の叶わない領域まで達した歌手が
とても多くいる事は皆さんも知っている通り。
オーケストラとなると、
実はそこまでの実力を兼ね備えた組織は多くない。
これはオケという集団の価値が簡単には
質の向上を伴わなかったりするからです。
ひとりひとり全員が演奏家であり、
日本などは子供の頃から西洋式の
専門教育を受けて数十年頑張っている事を考えると、
西洋音楽に対する概念も含めて、
ゆっくりゆっくり上昇するものであるからです。

オペラ<鑑真東渡>です。

結構な急斜面の八百屋舞台でした。
平ゴムを多用して明かりを宛て
空間と時間を遮断したり繋げたり、
今時のLEDの照明は、
彼らの感覚でさらに奇抜かつ華やかな
色艶のライティングでした。

そうスタッフも全部中国。
演出、衣装から照明、、、全て。

劇場上の不利を補うために
PA使用も辞さないのは賛成ですが、
なかなか難しい塩梅でもありますね。
音に対する感覚の差があるから、
一概に良し悪しはないのです。

オケの音は明らかにグローバルだった。

これはインターネット世代全体に言えますが
もうすでに30年前の東欧の音や
ロシアの音、方やアメリカ的な響きなど、
今の世界には皆無と言えるのです。

つまり知っているのです。
世界標準と言われる平均の考えも音も。

これを知る事で、個性的であり、
民族的もしくは宗教的な価値も含めて、
自分たちの個性を上書きしてしまうように、
世界中が同じ様な感覚になっていくのです。

どうでしょうね?
筆を洗った水の様にならなければ良いと
常日頃から思うものです。

オケのレベルが今日の公演の興味ではなく、
「中国のオペラプロジェクトが、
丸ごと日本にやって来た」という事実が、
歴史を動かしていると感じるのです。

去る事・・いつだったか。

東京芸大が新奏楽堂の落成記念の一環で
三木のオペラ<あだ>を上演した。
この時は美術学部の先生も含めて、
出演者スタッフ総芸大という偉業を成し遂げた。

未だに新国立劇場でもできていない
「自分の小屋で全て創る」という歴史だ。

日本だって海外に行くプロジェクトは
今だってたくさんあるし、
過去にはオペラ公演にオケも帯同して、
総日本人プロジャクトを敢行している。
でもこれは景気の良い時なのです。

中国の今を考えると、
やはり、だから来られたと思いますが、
来た事は事実であり、
生涯語られる中国西洋オペラ史の1ページ。

これを確認しに行きたかったのです。
そして鑑真だから、奈良公演に行かないと、
臨場感もないものだと思いました。

ちょっとぼやけば・・・
最後尾で始終喋りっぱなしの
音響と演出のスタッフの舞台へのダメ出し。
とか、、、
チューニングの時点でもう面白い
とか、、、
ありますよ、切りもないですよ。

でも中国の西洋オペラが
日本で公演をしたという事はやはりすごい。

鑑真という中日間に於ける題材を選んで
意識したところから良かったですし、
作曲の唐建平さんの音楽は素晴らしかった。
これは間違いなく感動的でした。

オペラ、、そうね、
あまりに純粋で潔白で鑑真とお釈迦様を思うと、
これはオラトリオかも知れないと感じ、
そして宗教を取り上げる題材からして、
中国のオペラに対して本気を感じます。

あまり考えて書くと、
批評になるし、
こうやって書いてしまう方がいい気がします。

国や民族ではなく、
舞台芸術を想う心が形になったことを
この目で確認できた事がとても嬉しいのでした。

中国のオペラ。
目が離せませんよ。

カウントダウンコンサート2016/12/31 10:59

早いもので大晦日を迎えました。

今年は高松でカウントダウンコンサートの指揮を
仰せつかり光栄思っております。
一昨日から入りリハを続けて居ますが
讃岐人で構成された人材の中で
東京人の私を温かく迎えてくださりました。

なにせこれですよ!
空港から直行の製麺屋さんのうどん店
話には聞いて居た素朴で質素な
製麺店経営のうどん屋はセルフでできる部分は
麺の温めからセルフで行います。
店の中も粉っぽく、
長い事噺には聞いて居た素晴らしき暖簾。

讃岐魂全開の洗礼も嬉しいもの。


山だけではありません。
美しい瀬戸の恵み、
海に囲まれた四国の海の縁を頂きます。

目指した店に間違えなし。
江戸前の寿司作法を護れる
東京でも希少だと思われる技を教えて頂けました。
讃岐で江戸の間違えなしもご一興でした。

さて、、

コンサート。

カウントダウンですので、
時間との勝負。

いやその前に体力との勝負か、、、。
コンチェルト2曲、第九合唱付、
オペラアリア、ミュージカル、、、
ダンサー付のバレエ曲。

経験あるものが多いとはいえ、
カットもある限定版とはいえ、
良いところどりの構成は、
アドレナリンが200リットルほど出そう。


昨日のリハーサル。

明かりも全開で、
この構成でプログラムをこなして譜面灯かい!?
いやいや突っ込んでいる場合ではなく
全うして行くのが大事です。

さて、、、どうなるのか。
ランスルーも含めて2回の通しですな。
年をまたいで仕事するのも久しぶり。
でもとっても嬉しい大役を仰せつかり、
今年の大精算、来年の計も含めて挑戦です。

報告は正月で。

皆さま本年もお世話になりました。
良い大晦日をお過ごし下さい。
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