話術 ― 2006/04/21 23:18
また居た!
前に見たときは、1年ほど前、東京駅の八重洲口、
今回は天王洲アイルの駅すぐそば。
眉が吊り上がりそうになったが、
良く聞けば、唸るほどの職人芸。
2列目に陣取り、耳を傾けると、
聴こえてくる懐かしいそのダミ声は、
1声目では、ふと目を留めて、
2声目には、誘蛾灯に集まるように、
足を向けさせてしまう。
じつに催眠術師のようだ・・・
このオッサンの商売文句を披露しよう。
「はい、はい、今日だけ、今日だけね。
もう、今日は特別なんだ、特別に、
1000円! 1000円だけ!
もう、負けちゃうからね、お買い得だよ!」と。
職人の「間」なのだ。
たちまち人だかり。
腰高の50センチ四方の箱の上には、
なにやら、ブランドのロゴ入りライターと、
ネクタイピン、それにカフスもあるぞ!
「はい、はい、今日だけ、今日だけね。
もう、今日は、特別なんだ、特別だよ。
今日は風が強いからね、あと10分で店じまいだ、
特別に、負けちゃう。特別に!
1000円! 1000円だけ! 1000円だけ!
・ ・・負けちゃうよ、特別なんだから!
MCMに、シャネル、ヴィトンのライターだ、
それにこれ、アルマーニのカフス、
全部負けちゃう、
1000円、1000円だけ!・・・負けちゃうよ」
財布を出し、5000円を突き出した初老の紳士。
「はい、ありがとう!包みに入れるからね、、、」
「おつり、おつり!」
「だから、手に入らないから、負けちゃうよ」
「4000円、おつり!」
「何言ってんの!? 1000円負けて5000円だ、
こんなの6000円だって手に入らない・・・云々、、、」
と、言いくるめられた紳士。
満面の笑顔で包みを押し付けられたら、
なんとなく得した気分になったのか、
頷いて、足早に去って行く・・・。
他の客、スルスルと後ずさり。
絶妙な「間」なんだな、
「1000円!1000円!」と、でかい声、
皆、頭の中で1000円がコダマする・・・ すると、
スッと、トーンを増4度下げて、
「負けちゃうからね、もう負けちゃうよ・・」
ようするに、『1000円だけ負ける』という事を、
心躍る話術で巧みにごまかし、お金出すと、
元はホント安いでしょ、更に1000円負けちゃうよ、
と、押し付けるのです。
八重洲では、感心し、天王洲で感動の再会。
学べるところ、、、あるわけないが。
人の心は弱いものだと、これも感心。
前に見たときは、1年ほど前、東京駅の八重洲口、
今回は天王洲アイルの駅すぐそば。
眉が吊り上がりそうになったが、
良く聞けば、唸るほどの職人芸。
2列目に陣取り、耳を傾けると、
聴こえてくる懐かしいそのダミ声は、
1声目では、ふと目を留めて、
2声目には、誘蛾灯に集まるように、
足を向けさせてしまう。
じつに催眠術師のようだ・・・
このオッサンの商売文句を披露しよう。
「はい、はい、今日だけ、今日だけね。
もう、今日は特別なんだ、特別に、
1000円! 1000円だけ!
もう、負けちゃうからね、お買い得だよ!」と。
職人の「間」なのだ。
たちまち人だかり。
腰高の50センチ四方の箱の上には、
なにやら、ブランドのロゴ入りライターと、
ネクタイピン、それにカフスもあるぞ!
「はい、はい、今日だけ、今日だけね。
もう、今日は、特別なんだ、特別だよ。
今日は風が強いからね、あと10分で店じまいだ、
特別に、負けちゃう。特別に!
1000円! 1000円だけ! 1000円だけ!
・ ・・負けちゃうよ、特別なんだから!
MCMに、シャネル、ヴィトンのライターだ、
それにこれ、アルマーニのカフス、
全部負けちゃう、
1000円、1000円だけ!・・・負けちゃうよ」
財布を出し、5000円を突き出した初老の紳士。
「はい、ありがとう!包みに入れるからね、、、」
「おつり、おつり!」
「だから、手に入らないから、負けちゃうよ」
「4000円、おつり!」
「何言ってんの!? 1000円負けて5000円だ、
こんなの6000円だって手に入らない・・・云々、、、」
と、言いくるめられた紳士。
満面の笑顔で包みを押し付けられたら、
なんとなく得した気分になったのか、
頷いて、足早に去って行く・・・。
他の客、スルスルと後ずさり。
絶妙な「間」なんだな、
「1000円!1000円!」と、でかい声、
皆、頭の中で1000円がコダマする・・・ すると、
スッと、トーンを増4度下げて、
「負けちゃうからね、もう負けちゃうよ・・」
ようするに、『1000円だけ負ける』という事を、
心躍る話術で巧みにごまかし、お金出すと、
元はホント安いでしょ、更に1000円負けちゃうよ、
と、押し付けるのです。
八重洲では、感心し、天王洲で感動の再会。
学べるところ、、、あるわけないが。
人の心は弱いものだと、これも感心。
コメント
_ よーいち ― 2006/04/27 23:02
どーも、おひさっす。俺も実際に聞いてみたいっすな。でも、客が1000円ちょうど出したらどのような展開になるんですかね?それと、その場所では一人の客にしか売れなそうですね!大変な商売だな〜。
_ 私 ― 2006/04/28 08:14
いや、文章では、伝えきれない匠の技が随所にちらばっており、詐欺っていうのは、実は技術なんだと実感するよ。
いたよ、1000円出した人。そうすると、その人は、手を出して品物待つだろ、そうすると、今度はオヤジが手出しながら、さぁ、あと6000円とか言うのさ。価格なんてまちまちなんだもん。その時点で憤慨して、返金を訴える人には、多分執拗に絡まないで返すのさ。しかし、イケル!と思った人に対しては、トコトン責めて、いつの間にか、安い買い物と思わせてしまうんだな。
凄い事さ。多分人だかりは、サクラ混じりだな。
よーいちさんも、遭遇してみてくださいな。横浜西口とかにいそうだな。
いたよ、1000円出した人。そうすると、その人は、手を出して品物待つだろ、そうすると、今度はオヤジが手出しながら、さぁ、あと6000円とか言うのさ。価格なんてまちまちなんだもん。その時点で憤慨して、返金を訴える人には、多分執拗に絡まないで返すのさ。しかし、イケル!と思った人に対しては、トコトン責めて、いつの間にか、安い買い物と思わせてしまうんだな。
凄い事さ。多分人だかりは、サクラ混じりだな。
よーいちさんも、遭遇してみてくださいな。横浜西口とかにいそうだな。
_ よーいち ― 2006/04/29 11:33
なるほど、さらに追い込まれたりサクラがいたり、すごいですね。でも商売の基本なんですかね、売る側はより高く売りたい、買う側はその商品に見合う金額なら買う。俺なんて値札の金額で買うのが当たり前だと思っているし、同じ物なら高いものは安心、安いものは怪しい、と安易に考えております。買う側も賢くないといけないんですね。
_ 私 ― 2006/05/01 00:33
俺は値札で買うことも少ないんじゃないのかな。
商売って、全員から同じ金額とらなくとも、値引きした人ありゃ、まさに定価で買ってくれるひともありで、要はプラマイで商売なんだな。
肝心なのは、「いつも買っているよ」と言えば、安くてもいつも買ってくれる人は数が出るのだから、大丈夫と、売るほうは思うからね。これが肝心
底値で買っても、損はしていないはずです。
商売って、全員から同じ金額とらなくとも、値引きした人ありゃ、まさに定価で買ってくれるひともありで、要はプラマイで商売なんだな。
肝心なのは、「いつも買っているよ」と言えば、安くてもいつも買ってくれる人は数が出るのだから、大丈夫と、売るほうは思うからね。これが肝心
底値で買っても、損はしていないはずです。
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