ゴルゴ2014/02/25 23:58

何故だか理由はよく判らないのですが、
深夜の電車帰宅限りの欲で、
コンビニでゴルゴ13を買ってしまう。
普段はコミック類は読まないので、
酒・深夜という2つのキーワードからか、
体の中でどこかの精神状態が弾けて、
何かを抹殺する代わりに
ゴルゴ13を読みたくなるのでしょう。

今日もその病気は発症したのでした。

駅前のコンビニに一目散に入り、
歩みも止めず本棚からゴルゴを抜き出すと
レジに向かい決済。その間約20秒。
300ページもある分厚いコミックでも、
300円程で買える再販モノですが、
60分で読み切るのは丁度良いのです。

大抵駅のホームに立って内容を知ります。
「ゴルゴ13 ~Russian~」とロシア特集。
なるほどと思って捲ると、
2話入っている2つ目は1991年の話。

ゴルゴ13をご存知ない方に補足すると、
さいとう・たかお氏著作のシリーズで、
世界的スナイパーであるデューク東郷が
依頼人からの暗殺の仕事を秘密裏にこなす、
いわばハードボイルドコミックなのです。
合理合法では解決困難な恨みことから、
政治までをゴルゴの銃で収束させると言う、
少々荒っぽい解決法でもあります。
しかしながらこのビックコミック連載の
不朽のシリーズが強く支持されている所は、
あながちフィクションとも言えない、
現代の問題や歴史的背景が強く描写され
現実味を帯びているところであります。
非情を建て前としているゴルゴながら
筋の通らぬ仕事は請けない男前加減、
草食系増殖のこの世では珍獣オスです。

補足が長くなりました・・・・。

偶然出会ったゴルゴ13の再販本。
二編目の1991年の話でありますが、
ヨーロッパと旧ソビエト連邦の利害に
国と国民が翻弄されるウクライナが舞台。
先週から毎日のように報道されている
ウクライナ再革命から歴史を遡る話が
延々と綴られている内容だったのです。

先週アメリカ滞在していた時も、
影響力の強い国ならではの関心からか、
様子は始終ニュースで放送していました。
デモ隊が声高らかに歌っていた歌が、
ずっと気になっていたのですが、
ウクライナ国歌なのですね。
ゴルゴにもウクライナ国歌の件があります。

“ ウクライナは滅びず 
     自由と共に希望を持て ”
という歌詞で始まるこの曲は、
1917年ロシア革命が起こった際の独立で
国歌として制定されています。
ソビエト連邦に併合された時代は
歌うことを禁止された国歌だからこそ、
独立心が強い野党支持のデモ隊は、
声高らかに歌っているのです。
凍てつく大地を思わせるテンポと
荘厳且つ強い意思を示すメロディー。
フルコーラスで8分以上という曲は、
ウクライナ民族の誇りを忘れないという
言葉で埋め尽くされており、
100年以上に亘り東西の大国に翻弄された
国の歴史を物語っています。

たまたま手に取った深夜のコミックながら
時事問題の根深さを思い知らされ、
歌によって鼓舞される民族の負の歴史を
再認識させられるという偶然。
簡単には解決できない歴史と民族問題ながら、
東アジアでも起こっている領土の問題と
少なからず根っこが関係していると思うと、
合理はどこかに無いものかと思う次第。
ゴルゴが出る幕ではまだないし、
紛争は決していけないとも思うのでした。
カウンター