100万の顔2007/08/29 23:03

東京に戻って2日目。
中旬の猛暑を経験してからの避暑仕事だったので、
帰京後の気温に拍子抜けです。
「来るなら来い!」とばかりに、
気合入れて猛暑を乗り切ろうと思っていたのに。
しかし、音楽祭が終った途端西から東へと雨。
昨夜は落雷に見舞われ、我が家もしばしの停電であった。
オール電化の家は、電気が無くなると弱虫なので、
長引くと困るのですが、すぐ点いてホッとしたのでした。

2日前までの音楽祭の残務に追われながらも、
ドンドン仕事をこなさなくてはならず、
感慨や、燃え尽き症候になっている時間さえなく、
停まっていた仕事の取り返しから手をつけるのです。

夕方の小雨模様の中出掛けていき、
あるオペラ団体のオーディションに参加です。
勿論、私は歌うのではなく聴くのですが。
団体や公演形態によっても様々ですが、
オペラ歌手の皆さんには、オーディションがあります。
そんな事、知らない方も多いのではないでしょうか?
大きなオペラ公演や、ガラコンサートなどがある場合、
適した歌手を探したり、新人発掘の為でもありますが、
受けるのは若い人ばかりではなく、中堅の歌手の方も
オーディションを受けながら、役に結び付けます。
本当に大変だと思いますし、これを採点する側は、
致し方ないのですが、辛いものがありますね。

ヴェルディ、プッチーニなどのイタリア作品、
モーツァルトなどのドイツ作品、はたまた、
ドイツ語でもワーグナーのような楽劇と称するもの、
これにフランス語のオペラや、日本の作品、
ロシア語にチェコ語、勿論英語と、
様々な作品がある中から自分の得意分野や、
歌いたい作曲家を見つけて行きますが、
常にそのような作品を上演している訳はなく、
容赦なく、自分の持ち歌ばかりではないものに
挑戦しなくてはなりません。
公演に合った希望曲や、キャラクターに近い曲、
それらを選択するだけで、今度は音楽とドラマの中身を
知る為の勉強も欠かせないのです。

歌手といえども、役者と同じ、
100万通りの役があれば、
100万の性格を歌い分けなくてはならず、
語学から、運動能力、演技力からダンスまで・・・
その上で自分の歌を歌うのですから、
10代でデビューできてしまうような、
器楽奏者とは根っこからして違いますね。

この公演は、来年の夏なのでまた報告しますが、
楽しく質高い公演にしなくてはいけません。
企画を十分に練り、じっくり作り出そうと思うのです。
カウンター