感慨深い第九演奏会2017/11/07 20:33

直前になりましたが、
アマチュアの皆さんとの公演です。

ベートーヴェン、
第九ですね。

3年間過ごしたベルリンでも、
通常の演奏会で聴くことのなかった
このシンフォニーはやはり特別なのです。

・・・運命でさえ、
フィルハーモニーで1度も聴けなかった。
恐ろしくて皆振らないのでしょうね。

当時は奇跡の出来事、
ベルリンの壁が開いた事をお祝いする
イベントで第九は演奏していました。
次の年の再統一のイベントでも
演奏していました。

アマチュアの皆とたくさんリハをして
苦労しながらも楽しく勉強して、
日曜の朝の眠さも、
シーラーの<歓喜に寄す>を演奏すれば
演奏している彼らも皆笑顔になるのです。

オケの主催ですが、
合唱も自分たちで主宰したいという事で、
1人から声かけして
賛同していただいたプロの方も含めて、
総勢100人超になりました。
楽器から離れているけど、
一緒に舞台に立ちたいと、
毎回稽古に出てきた大学卒業生も
実にたくさんの数がおります。


もちろん
素晴らしい4人のソリストも、
私の関係からお願いしたとは言え、
友情出演という形で華を添えてくれます。

何て幸せな公演でしょう。

私にとっては何度めの第九だったか
覚えていないのですが、
年齢が上がるほどに
楽しくなればなるほど難しくなる交響曲。
自分自信に満足なんて一生ないでしょう。

でも、
この日の全ての演奏者、
寡黙に働くスタッフ、
応援してくださる仲間にも
今回の演奏会は、
なんとか彼らに満足をしてもらいたい。

精一杯頑張ります。

Say No yes yes Youth Orchestra
第9回不定期演奏会。
2017年11月11日(土)
川口リリアホール
15:00開演
入場無料

です。

お時間ある方、
いらしてください。


28年前の今日2017/11/10 17:42

11月10日が来ますと毎年思い出します。
もう28年も経ってしまいました。

この写真はEuropa Centerの屋上
Mercedes Betnzの
スリー・ポインテッド・スターが回っている所
から見下ろして撮った写真です。
溢れる人の波は歩道から車道へ、
車の往来も遮断するほどの人出。

練習のため、リハ・本番を聴くために
ほぼ毎日フィルハーモニーで過ごしていましたが、
この日は夕方ホールに向かいました。
私の家は中心地から近かったので、
異様な光景に直ぐにに出食わし合点がいきました。

「壁が開いたのか・・・」


この写真はU-bahn (地下鉄)の入り口に乗って
撮った写真ですが、
数万人の東ベルリン市民が西に向かって歩いていました。

写真好きでしたので、
日常的にカメラを持って歩いていましたが、
たまたまモノクロのフィルムが入っていて、
この日はこんな写真になったのですが、
髪の色が昔ながらの栗色の東の人は
見れば直ぐに分かる時代でした。


これもその近く。
有名なカフェ<Kranzler> の周り。
ものすごい数の人、、
渋谷の交差点のような現象ですが、
DJポリスも居ないし
前日まではこんな日常もあり得なかった。

1989年春に住み始めましたが、
その頃から瞬くように世界情勢が変わり始め、
6月には天安門事件も勃発していました。
東ヨーローッパも自由主義運動が盛んになり
日々伝えられる政治のニュースに
関心を寄せてはいましたが、
この日にこのような形になるなんて、
まったく想像もつかない日々でした。

日本の友人達は、
壁の上にきっと登っているであろう
私をテレビで散々探したらしい・・・
*そんな感極まる聖地にアジア人が行くはずない。

28年か・・・と思いながら、
音楽だけを考えていた
あの頃を懐かしくも思い、
あの日々があったから今があるとも思います。
その頃は想像もつかなかった
オトナになっているかもしれませんが、
自分自身は何も変わっていないつもり。

考えることはたくさんある毎日ですが、
音楽には感謝する日々でもあります。

今日は戦争を思い、平和を願い、
毎年そんな事を考える日なのです。
明日よ、良い日になれ。



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