公演初日2010/08/01 23:40

北杜国際音楽祭、初日終了です。
管打楽器音楽の饗宴、とした初日、
とにかく面白い!
何がって?いや、みなさんです。

この音楽祭は西洋音楽ばかりではなく、
東アジア、東洋の音楽も誇りとして、
様々な表現者が集まります。
創作があり演奏がある。
作曲家同様、再現する演奏家もまた、
大切な音楽推進者であります。
新しいアジアのアイデンティティーを
表現する事も音楽祭の使命ですが、
アジアの演奏家の意気込みもまた、
これに通ずる信念です。

昨年の日本管打楽器コンクールの
優勝者中心に来て頂いた初日。
過去の音楽祭、
打楽器の特集は多かったのですが、
実は管楽器は殆どなかったのです。
芸術監督が昨年審査員をなさった事で、
今回の企画が実現しましたが、
なかなか素晴らしい公演でした。

私も元々管楽器奏者ですから、
日本の管楽器演奏の技術レベルの
移り変わりには詳しいですが、
昨今の演奏技術は世界的にも高水準、
管楽器オリンピックでしたら、
必ずやメダル級といった感じです。
西洋の考え方と違う部分あれど、
逆に東洋的な精神は武器であり、
西洋楽器においても、
表現力の考え方でもっと躍進する。

明るく素晴らしい未来を感じる若い方々。
将来も楽しみですが、
本日も誠に素晴らしかった。

フルート 竹山 愛さん、
ユーフォニアム 鎌田裕子さん、
トロンボーン 玉木 優さん、
そして前回大会優勝の
マリンバ 岩美玲奈さん、
皆さん、ありがとう。
それにピアノ伴奏をしてくださった
江上菜々子さんにも感謝。

さて、明日はオフ!!!
何するか?いや、、、やること満載です。

休暇2010/08/02 21:52

音楽祭初日は盛況でしたが、
今日は2日目にして休演日です。
月曜休館もあり、どこかで無理に組んでも、
客足も伸びないだろうと・・・。

慌しい数ヶ月でしたので、
休養は久しぶりです。
東京にいれば、手の届くところに、
様々な仕事が転がっていますから、
つい何かを始めますが、
音楽祭期間は必用最小限の仕事しか
持ち込んでいないのが幸いです。
ゆっくり起きて朝食、
午前中は読みたかった本を読み、
譜面を少し見ながらゴロゴロ。

東京と違い、気温は25度前後、
朝夕は少し肌寒い気温に下がります。
お陰様でよく寝られるし、
外で過ごすのも悪くないのです。

午後はショッピングモールをウロウロし、
お茶を飲んでゆっくり・・・。
のつもりだが、休みに慣れていないのか、
どうも今何をしていいのか解らない。
周りのリゾート三昧の家族連れに比べ、
歩くのが早いのか、いやゆっくり歩けば
転びそうになるほどギクシャクである。

それでも温泉につかりサウナで汗だく。
俗物のオッサンの休日など、
これで十分なのだ。
さて、明日は音楽祭2日目です。

2日目!2010/08/03 23:55

音楽祭の2回目の公演も無事終了。
本日は、若手演奏家のピアノリサイタル。
芸大に在学中の若手といえども、
最近の国際コンクール入賞もあり、
注目度は大変高いのです。

これまで様々な内外演奏家を紹介、
またガラコンのように、
何人も出演る公演は多かったのですが、
ピアノ一人のリサイタル形式は初。
それだけ任せられる演奏家であり、
人気も高かったという事です。

特に若手演奏家は、
人相(・・いや表情というべきか、
普段の顔だから人相が相応しいか・・)
をみていると、その人の器もわかる。
若い時は誰でもそうでしょうが、
自分を認めて貰おうと、
横柄になってみたり、
才能を認めさせようと、
演奏していないのに誇大広告したりと、
鼻息も荒くなるものです。
しかし、ゆとりのある精神状態、
つまり自信のある演奏準備がある人は、
努めて謙虚であり、低姿勢。
もっと言えば、笑顔とマナーが良い。
つもり朗らかな人相なのです。

シューマンとショパンの生誕に合わせ、
両作曲家を特集したプログラム、
どの曲も素晴らしく、
またアンコールも3曲プレゼント。
切れの良い気持ちのよい音、
真正面の音楽は清清しいばかり。
力量に魅せられましたし、
これからの演奏は益々楽しみです。
来週にはフランスでコンクール、
期待も高まりますね。
本当にありがとうございました。
ピアニスト齊藤一也さんでした。
深々と感謝。

写真は、本番中の勇姿。
下手覗き窓から気を送ります!

私は終了後、すぐに車飛ばして一旦帰京。
150キロの距離はすぐ着きました。
(いや法定速度です・・・)
明日は朝から、7日のリハーサル、
その後北杜にとんぼ返りです!

八ヶ岳北杜国際音楽祭公式HP:
http://www.hokutofestival.com/

3日目、帰京2010/08/04 23:27

本日、音楽祭3日目の本番。
「北杜を代表する演奏家たちの夕べ」
19時~長坂コミュニティホールでした。

がしかし、
本日7日公演のための東京リハーサルで、
昨夜のうちに公演後に帰京。

朝、何故か立川の練習場リハがあり、
皆さんとご対面。
アジアアンサンブルの面々他、
アジアの来日ゲストもいて、
日本語、英語、中国語、入り乱れの会話。
私は1曲指揮するので、参加したが、
まだメンバーが完全ではなく、
40分の譜面の確認と、宿題出して終了。

さて、立川を出て、またもた北杜を目指す。
14時半のリハーサルに間に合わせるため、
激走しながら、「俺は40分の練習の為に、
そのために昨日帰ったのか・・・」と、
自問自答するが、そんなことは日常です。
リハーサルできるのなら、
エネルギー惜しまず何処でも行きますわ。

本日公演のリハーサル、
まずはフルートの3名から始まり、
そして歌手の3名まで進行に滞りなし。
チェロ奏者Kasiaさんは、2年振りの来日。
相変わらず不思議なアメリカ人でしたが、
アクティブな姿勢、思考も変わらず、
近況を聞いてまた驚く。

本番、私は相変わらずの司会。
最近は当たり前になり、
実は私も何でもないのですが、
何も持たない主義なので、
毎日、覚える事項多くて大変・・・。
でもこれも役目ですので、楽しいものです。

本日出演のフルート、
菅野芽生さん、飯島諒さん、伊東美紀さん、
ピアニスト小林範子さんありがとう。
また、アンサンブル“レガーロ”の3名、
中込育子さん、長澤れい子さん、西尾富美代さん、
ピアニスト伊藤ひろみさん、感謝。
そして、前述のチェロ、
Kasia Bielak=Hoops、また昨日今日、
アレンジメントしたプロデューサーの
ピアニスト森田基子さん、

心より感謝しております。

さて、本日も撤収して22時。
わたし、またもやの帰京であります。
車すっ飛ばして、今すでに家着。
という事は本日、なんと日帰りなのか。
日常に山梨県の音楽祭が入り込んだ、
という暴挙か奇跡か。
明日も当然音楽祭は続きますが、、、

実は、5年ぶり狛江の花火大会!
(心臓の中で尺玉上がっています)
この数ヶ月時間を費やした、
「音楽と光の祭典」音楽ステージの仕事、
プロデューサーとして手腕を発揮する日です。
1時間のライブは、朝から仕込み、リハ、
そして花火前、1時間がライブです。
準備は万端(のはず)。

狛江花火大会公式HP:
http://www.komae-40th.jp/

しっかし暑いだろうなぁ・・・。
朝から9時間も居たら、どうなってしまう?
倒れてしまうとまずいのは、
私はまたもや司会!
何処に行っても司会、司会。

ううむ、責任は重大だぞ。
数万人のギャラリー、楽しもうぞ。

狛江花火大会2010/08/05 23:57

Yes Yes Yes !!
といった感じの花火大会でした。
5年振り(6年振り?)の花火大会は、
市民の待ちに待った念願のイベント。
そして「音楽と光の祭典」と称し、
市制施行40周年に合わせての開催。
花火に先駆け1時間の音楽ステージ、
プロデューサーを任命されものの、
予算と準備期間の無さに辟易しながら、
この数ヶ月前、様々なやり繰りは難航。
しかし、素晴らしい出演者の協力で、
3団体総勢30名の出演となりました。

名古屋を本拠にするGONNA(ガナ)は、
マリンバと和太鼓の団体。
技術的に高度な事はあたりまえですが、
ポップに魅せるパフォーマンスが、
人気の愛されるグループ。
昨年の北杜国際音楽祭でお世話になり、
この縁での出演依頼となった。
忙しい夏の公演予定の合間を縫って、
大所帯で東京に乗り込んでくれたし、
相変わらずの礼儀正しさ、
笑顔とやる気には感謝感謝でした。

地元の和太鼓グループ「きんたの会」は、
実はGONNAの大ファン。
地元で根を張り頑張る愛好家に、
憧れのGONNAとのセッションを
是非実現させたく出演していただいた。
プロの演奏家に混ざって舞台に乗るのは、
厳しい事をよく承知の上、
出来ることの最大限を見せてくれました。
GONNAと一緒の舞台経験は、
尚一層の励みとなるでしょうね。
ギリギリまで調整をしてくれたスタッフ、
親御さんにも心より感謝です。

そして狛江出身の歌手Cokuri。
彼女の実力は確かなもので、
初顔合わせの他の出演者もベタ褒め。
ピッチ、リズムの正確さ、
音楽の基礎がしっかりしていると、
心の底から気持ちがいい。
聴衆を考えながら、
良い歌を歌ってくれました。
サポートメンバーでもある、
先輩筋のKiYOMiさん一生さんにも、
心からありがとう。

10時過ぎから多摩川土手に行き、
様々な打ち合わせを経て、ゲスト到着。
ステージの建て込みは万端ですので、
楽器をセッティングしてリハーサル。
すべて予定通りの進行、
皆で演奏の狛江市のうた「水と緑のまち」
を今回用のVer.でリハをして完了。

花火打ち上げ時間は決まっており、
ライブは時間との勝負ですが、
終演時間はピッタリ1分の狂い、いや、
電波時計によれば10秒差もなし。
これは大事なことでしたので、ホッ。
MCを一緒に担当していただいた、
白百合女子大の放送研究会の
麻友さん、あずささんにも感謝。

それから音響、照明はじめ、舞台監督、
早くから熱中症ギリギリの攻防をした
バイト君にもありがとうです。
事故もなく、35度超えの猛暑でも、
熱中症も皆無の終了で、
皆さんの安全と体を守る立場としても、
肩の荷が下りました。

この日だけ抜け出して精神誠意仕事。
またすぐ山に戻りますが、
私はずっと西よりの太陽を受けて、
左腕を中心に日焼け・・・・。
次の日の楽屋の写真を掲載です・・・。

次の日は、
午前8時に出発ですが、
花火に負けじときっちり打ち上げ、
深夜の帰還であります・・・。

4日目2010/08/06 23:32

音楽祭のテーマは、
「東西音楽交流の聖地にジャンルを
超えたアーティストが集う」ですが、
音楽祭の中心となるこの週末は、
テーマを体感する公演ばかりです。

昨日の花火大会の余韻はシャワーで流し、
東京を早朝出発して三度目の北杜入り。

午前中からのリハーサルは、
明日の公演のためのもの。
内外のゲストが集いますが、
より良いものを創るために、
リハーサルは必須です。
やり繰りしながら回数を確保しますが、
言語も違えば感覚も違う同士ながら、
時間の経過と共に音色が変わります。

さて、順当に明日公演のリハを経て、
本日のプログラムの出演者も到着。
順番にリハーサルをして公演。

今日は男性合唱から。
リーダーターフェル・ジルバーナー
1995の方々は東京からの参加。
素晴らしいレクイエムを聴かせ、
会場を沸かせました。
そしてメインゲストの海外奏者。
今回は中国、韓国、モンゴルを中心に、
アメリカ人作曲家なども参加。
今日はアジアの音をソロ、三重奏で披露、
技術的にも世界トップの実力者たち、
音楽的にも秀逸な演奏でブラボー。
リーダーターフェルジルバーナー
1995の皆さんありがとう。
それからアジアの精鋭、
中国琵琶シズカ・ヤンジン、
二胡のチェン・チュン・イェン、
大三弦のフェイ・ジェン・ロン、
みな素晴らしいソリストでした。

私は連日の司会、
流れも出演者も把握していますが、
何も持たない主義で喋りますので、
その前に確認して頭に叩き込む事も大事。
流暢に話をしているようで、
頭はグルグルといろいろな事を思考し、
脳内メモをあちこち捲りながら、
舌を回転させます。

いや、それにしても冷や汗も多き司会、
気の抜けない毎日であります・・・。

5日目maindish2010/08/07 23:36

音楽祭も1週間ほど経過し、
メインプログラムの日を迎えました。
アジア音楽紀行 シリーズは4回目、
芸術監督の三木先生自身による構成は、
内容の濃い日になりました。

新曲3曲を含むアンサンブルは、
都内での練習2日前の練習などを経て、
ようやく進んでの当日リハーサル。
アジアの楽器と言っても実に様々。
国と地域で言葉も違えば習慣も異なり、
ましてや普段の活動も個人の性格も違う。
一緒に演奏することは非日常の事件です。
西洋音楽が身近にある現代では、
五線譜は当たり前だと思いがちですが、
日本の和楽器も、元々は縦書きの数字譜
しか使用していない文化。
ましてやアジア諸国の民族音楽に、
共通する楽譜など存在しないのです。
そう考えると共通の言語である五線譜、
非常にありがたいものである。

公用語ともいうべき五線譜で会話しながら、
アジアの創造的な響きは進みました。
韓国の五面太鼓、中国の琵琶、二胡、大三弦、
日本の箏、尺八、モンゴルの馬頭琴、
そして西洋楽器のチェロも加わる!
こんな類稀なアンサンブルが、
そしてこれらの出会いと創造をテーマに
掲げる音楽祭が世界中にあるだろうか?

東京から来ていた私の友人H氏、M氏。
来ていただいた事が嬉しかったが、
「しばし西洋音楽を忘れていました」
と、音楽に詳しい彼らが感想を話してくれた。
現代の日本人が如何に西洋化したとて、
外套を外せば日本の古典文化が現れ、
着物、肌着も脱ぎ捨てたなら、
アジア人としての長いルーツが
心に浸透していると思い知らされる。

委嘱による新曲を披露してくださった、
Marty Regan氏、福嶋頼秀氏は、
忙しい中、北杜にもいらして頂いた。
参加に心より感謝したい。
また一級の演奏もさることながら、
私が振らせていただいた<牡丹>を作曲、
音楽監督のシズカ楊静には、感謝と、
同志としてのエールも送りたい次第。
タンザニアから来日のアメリカ人チェロ奏者、
カシア・ビラーク=フープスさんと一緒に、
素晴らしい二重奏とソロも演奏の、
木村玲子さん、尺八の加藤秀和氏、
馬頭琴のアヨーシ・バトエルデネ氏、
韓国打楽器の素晴らしいソリスト、
イ・チュ・ヒさん、昨日から演奏の、
中国人奏者にも心から感謝の今日です。

東京から多くの友人知人が訪れてくれる。
嬉しい限りである。
皆、「東京でもやってくれ」と口々。
そう、やりたいのですが、
この場所だからこその意味深さもある。

毎年、このアジアの日の頃には、
音楽祭の様々な事を考えさせられます。
でも、ここを拠点にするスタッフ、
また目的に来てくださるゲストは、
大きな軌跡を残してくださる。
吸収できる苦労と、忘れがたき喜び、
全て直面している音楽祭は、
プロデューサーとしての私を悩ませ、
しかし笑わせ、あげくに涙させます。
楽しい催しだけが目的ではなく、
主催者は町と地域に多くを提供し、
視野を広げながら文化芸術を発信する。

打ち上げパーティ!
毎回お世話になっている。
小淵沢のイタリアン、アン・ソレイユ。
こちらも都心からの引越し組なのですが、
都会的な味と決して嘘のない素材、
そして真心の料理となれば、
シェフの人柄加えた最高の条件が揃い、
参加した皆さんは舌鼓を打ちながら、
笑顔になるのです。

写真は乾杯。
この日の出演者、作曲家も含め、
さらにいつも別が多いスタッフも一緒。
嬉しい宴も含めて、有意義な1日。

Suwan Lake2010/08/08 23:46

音楽祭期間中だというのに、
日曜日が休演日の本日でした。
音楽祭は日程調整の準備も難しく、
結果的にこんなこともあります。
でも「協力公演」とさせて頂いた本日、
アルソア野外劇場で行われた
『八ヶ岳ジャズフェスティバル』は、
大盛況の様子でなによりです。

私は、・・・結構ボロボロ。
この1週間の東京⇔北杜の3往復。
10時間労働の仕切りと公演司会、指揮、
体は悲鳴をあげ、相応の疲労困憊らしい。
しかし今度は家族サービスが待っている。
でも、これは格好の息抜きなのです。

朝はゲストの送迎と感謝の儀式もあり、
忙しいのですがこれもひと段落。
近所のアウトレットに出向き、のんびり。
温い時間の過ごし方に慣れない私は、
普段とのギャップにギコチないですが、
まぁまぁのんびりなのでした。

午後、俗物の私はラーメン喰いたさに、
甲州街道を下り、諏訪までドライブ。
目に入る店尻目に、勘を頼りに入店、
味噌、赤味噌、醤油豚骨 バラバラな注文。
自由主義な家族でありながら、
互いを品評し注文センスを称え合う、
和平条約も締結された関係である。

その後せっかくだからと諏訪湖に出向き、
3人乗車の足漕ぎ白鳥ボートで出航。
この数日、自転車から離れている私、
疼いていた大腿筋は久し振りの刺激で、
裏も表もウハウハでした。

ノンビリ、ダラダラ、昼寝、夕寝、
そして夕食で温泉とサウナ・・・
有意義で有効、ダメダメな一日です。

余談ですが、炭酸好きな私は、
洋酒は、ラム、ジン、を中心に、
小洒落たウイスキー時も大抵ハイボール。
更にこの半年のマイブームは、
セブンイレブンの強炭酸(私命名)で、
サントリー「北杜12年」を割るのです。
旨いウイスキーは、割っても旨い。
北杜で呑む北杜12年は、
低湿度が喉の刺激指数にピタリと御機嫌、
ダメダメな夜はこういう拘りで、
シャワシャワと御和算にしてもらう。

さて深酒・・・
明日も忙しいから早めの就寝・・

6日目連作オペラ2010/08/09 23:23

主催公演は本日が最後の公演。
ワークショップ:三木稔
「日本史オペラ9連作」紹介シリーズ3

先日完成したオペラ版<幸せのパゴダ>で、
日本の5世紀から現代の21世紀を貫く、
9つのオペラ作品が連作として完成した。
こんな連作を成し遂げた作曲家は、
日本ばかりか海外にもいないはず。
最初の作品は1975年の<春琴抄>であり、
実に35年間に渡る創作は、
ライフワークと呼ぶに相応しい作品群。
依頼者も異なり、地域の文化財団から、
オペラ団体、新国立劇場となるが、
素晴らしいの事は、国内ばかりではなく、
セントルイス・オペラ劇場、
イングリッシュ・ミュージックシアターと、
海外の劇場や機関からの依頼も多い事。
内外の異なる発注でありながら、
同創作者のアイデンティティーで作曲、
様々な国で何度も上演されているのである。

私は全作品の初演に携わった訳ではないが、
初演を指揮させて頂いた2作品もあり、
その他にも再演時の参加、また古くに、
演奏で参加した作品も幾つもあることから、
近親者としても音楽家としても、
この偉業は身近な喜びでもあるのだ。

ワークショップは、
映像を見ながら作曲者の作品解説を聞き、
途中でシズカ楊静の生演奏を聴く、
という豪華なもの。
映像と生演奏がリンクする面白さなのです。
平日の午後公演ながら、
毎年のリピーターも大変多い、
価値あるワークショップなのです。

三木先生も1930年生まれの80歳。
元気な姿でありながら、無理は禁物。
他の公演は全て私が司会進行でしたが、
この公演ばかりは、頭で挨拶をして、
「待ってました!」の先生登場です。
映像と話で2時間強の公演。
他の公演とは違う面白さでした。

一昨日の公演が大きな公演でしたので、
ゲスト参加の人数も多い日でしたが、
公演が終わると皆それぞれに戻ります。
日本人も海外ゲストも、
帰京する方を送るのは少し寂しい。
しかし、ここまで事故もなく、
無事に進んでこられたのは嬉しい限り。
本日の出演者、芸術監督三木稔先生、
中国琵琶のシズカ楊静さん、
ありがとうございました。

写真は、
公演後の明日の為の照明合わせ。
献身的な作業です。

最終協力公演2010/08/10 21:41

音楽祭の最終主催公演は昨日でしたが、
今日は協力公演でありながら、
全日程の最終日です。

出演者チェコからいらした、
「ブラダン・コチとその家族」
チェロ奏者のコチさんは、
何年も前から日本に来日しており、
各地で演奏をしていますが、
彼の演奏にほれ込んで、
何度も演奏会を企画しているY氏、
今回はファミリーも一緒に呼んで、
日本ツァーを決行していました。
コチ氏本人が若いときにチェコで、
徴兵を拒否して投獄された過去もあり、
戦争に対する反対意識、
また被爆国としての日本への思いも強い。

ファミリーは、奥様もチェロ奏者、
長男は、チェロを学んだ後、現在は、
アメリカで医学を勉強中の身ですが、
それにしては上手い演奏です。
3人のチェロに加えて、
長女はヴァイオリンの逸材。
現在も勉強中ではありますが、
大物を思わせる堂々とした演奏。
2時間の演奏会は、
ポピュラーなクラシック中心に構成し、
満員の会場のお客様を沸かせていました。

この演奏会、勿論コチ氏の人気と、
プロモーターでもあるY氏の努力、
数年間の蓄積があっての満場でしたが、
350人にも及ぶお客様は、
音楽祭の主催公演だったら、と、
羨ましい限りであり、
様々な事を考えさせられた。
いずれにしても、椅子を足しながら、
お客様みなさん座れて良かったと、
思ったのでした。

この夜にて音楽祭の全日程は終了。
最後まで一緒に居ていただいた、
舞台監督の友井氏、毎度の感謝感謝。
また先に帰ったが、制作の門脇氏、
照明高山氏と林氏、写真の長澤氏、
そのほか、沢山の関係スタッフ。
また主催NPO関係スタッフにも、
そして身近な支えの近親者へも感謝。

楽屋、事務部屋の荷物、椅子、譜面台、
全て撤収して会場を後にしました。
約10日間の日程の
第5回八ヶ岳北杜国際音楽祭、
多くの方々に深々と感謝をいたします。
カウンター