ヘイシャンアート2010/05/18 20:55

お酒を呑むのは人付き合いの日常も含め、
回数、量とも欠かすことが出来ない。
しかしながら、好みはあるもので、
誰と呑むかも大事ですが、
では何を呑むのかが大切なのです。
普段の食事や学生との語らいで、
何気なくビールを飲みますが、
「何が好きか?」と尋ねられれば、
迷わず「ラム酒」なのです。

サトウキビを原料とした蒸留酒は、
西インド諸島、カリブの島々で生産、
それぞれの島、国により特徴があります。
言語、宗教、領主国でも味は変わり、
その場所を示す味覚の指標にもなる。
私はほのかに薫る甘さが好きなので、
カラメル味の強過ぎるのは好みません。
その中中でも特に好きな1つが、
写真のbarbancourt(バルバンクール)。
このお酒、ハイチの代表酒ですが、
最近輸入が特に少なく、品薄です。
購入するのも一苦労・・・。

原因は今年1月12日の大地震。
この地震の被害は報道通りすさまじく、
西インド諸島でも貧しい国なので、
復興の障害も多く、未だ復旧は遅れている。
だが、様々な国と地域が資金支援、
精神的なサポートも含めて、
継続した活動を展開しているはずである。

ハイチには、ヘイシャンアートと呼ばれる、
独特の審美眼で描かれる美術があるが、
色使い美しさ、構図の自由と爛漫加減は、
彼らの精神の開放、心の豊かさの象徴。
遠く離れた日本で絵を眺めても、
羨ましいほどの陽気さに溢れながら、
一方で真面目さと困窮の痛みも、
ひしひしと感じる作品ばかりです。

苦境ながら、前向きな魂で復興して欲しい。
そして愛飲酒barbancourtのは外箱にも、
美しいヘイシャンアートが施されている。
こんなにも美しい酒の箱、
デザインの素晴らしいボトルラベルは、
世界中でもなかなか無いものである。

遠い国からやってきたこいつを呑むと、
微力ながら経済協力などと冗談も思うが、
この国の現状と一緒に車座で呑む。
これが大事なのでしょう。
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