脳マッサージ2008/01/23 23:10

バレエのリハーサルに行って参りました。
音楽のお仕事は、いつもリハーサルがあって、
棒を振りに行くだけではなく、
バレエなどの公演の場合は、
事前に実際に踊る方たちの呼吸や間を見たり、
音楽のタイミングを知ったりする事は重要です。

本来、オペラでもバレエでも、
劇場付属のピアニストが居て、
全ての稽古に付き合ってくれます。
バレエなどの場合、通常のレッスンでも、
ピアニストが音楽を弾き、それに合わせて、
レッスンがあるのも特徴なのです。
が、、、
日本のバレエ団、数千あると思われるスタジオで、
生のピアノが使われているところは、
ほんの数%、、いやそれ未満かもしれません。
経済的な問題ですが、
たとえオケでなくても、生の音楽と一緒に、
人が奏でる音楽に人が踊る、と言うのは、
大切なことなのです。
生のオケとやることに慣れているダンサーは、
感覚的に、録音とオケの差をわかっています。
指で押せばブレスもなく入れられるCDと違い、
事前に1拍必要で、息で合わせなければ入れない
オーケストラのタイミングを盗む事ができます。
困るのが、「ここで音出してください!」と、
オケと私の事をCDプレイヤーの様に仰る方・・・。
無理も無いのですが、「ここで踊ってください!」
と、言い返したくなるときもあります。

とは言え、
舞台上のダンサーの切磋琢磨している踊りと、
舞台上で優美な藝術を彩る、、なんて形容より、
“アスリート”という言葉が合致するほどの、
見事な筋肉を見るにつけ、
なんとかオケと一緒に創り上げたい、と、
心から感じるものです。
そんなダンサーの気迫を感じるために、
リハーサルに出かけることも大事なのです。

冷たい雪降りしきる中、紅葉坂を登れば、
稽古場の窓は、熱気で曇り硝子になっていました。
全身を使って表現するダンサーの汗が眩しいです。
近頃、1日中座って仕事したり、
本来やりたくはない事務関係に費やす時間が多く、
堕落した身体と脳が悲鳴をあげているのですが、
目の前の彼らの動きは、脳をチクチクと刺激し、
生きた音楽に対する欲求が高まります。
縦横無尽の早い動きを追い続ける眼球の働きが、
即ち私の脳マッサージになるのです!
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