ヴィクトリアンダンディ2015/03/21 23:33

10年ほど前は、
頻繁に異種業種の集まりや、
様々なセミナーにも参加していましたが、
あまりの人間関係の広がりに目が回り、
4~5年前を境に止めてしまいました。
いろんな時期があるものでしょうが、
音楽にじっくり向き合いながら、
演奏家に没頭したくなったからでしょう。

といいながら様々な人間関係は
頻繁に続いているのですが。

久しぶりにセミナーに参加してみました。
デザイン関係の方々の間で、
「礼儀」や「もてなし」について考える
面白い機会だと思い立ったのです。
ビジネスマナーのヒントや、
様々な場合のクレーム処理など、
直接関係ないと思いながらも、
音楽や演奏会、企画、プロデュース、
人々が受ける演奏家からの感情など、
こちらの業界に置き換えてみると、
気づかなかった事や発見など、
面白いモノが見えてくるものです。

礼儀ってなんでしょう?
などと考えてみたら面白い。

日本人は挨拶でお辞儀をしますが、
これは挨拶として礼儀でやっている。
外国人は目を見て握手を交わして、
はたまた抱擁して挨拶をする。
でも外国人演奏家は演奏が終わり、
万感の拍手を受けると、
きちっとお辞儀をしてから引っ込みます。

このお辞儀は挨拶なのか?

と考えるとこれは「お礼」なのですね
では私達の頭を垂れる儀式は、
挨拶とお礼の2種類あるのだろうか。
外国人はお礼でも頭を下げるわけではなく、
言葉で感謝を言って握手をしてきたりする。

どうして演奏家はお辞儀をするのか?

私はキリスト教の礼拝に起源していると
思うのですが如何でしょう?
西洋クラシックの起源が教会音楽であり
儀式の中で生まれたものであるとすれば、
礼拝で神様に頭を下げている訳で、
この感謝の気持ちが演奏家の
頭を垂れながらのお礼なのかなと。
すると、日本人演奏家のお辞儀とは、
すこし意味合いが違ってきますね。

この件は面白いので
もう少しじっくり考えて見ましょう・・・。

さてこのセミナーのなかで、
マナーとしての正装の話が出ました。
しょっちゅう作業着として来ている
燕尾服が正に夜の正装なのですが、
正装を着崩していく話の中で、
様々面白い事も伺いました。

丁度先月発刊された面白い本があり、
斜め読みしたばかりでしたが、
読み返そうと再度引っ張りだしました。
19世紀後半に生きたオスカー・ワイルドが
19世紀に登場するイギリスの男性正装を
如何に捉えてダンディズムを形成したか。
ダンディズムの追求と、
正当イギリス紳士の正装の変換、
また19世紀末の舞台芸術に見られる
衣裳の影響も描かれています。
大変興味深い楽しい本です。

日本に無かった「椅子と靴」。
これを極めると西洋文化が見えて来ますが、
お辞儀の違いを取りあげてもみても、
まだまだ似て異なる日本の中の西洋、
はたまた知らない世界の中の現代日本
が見えるのかもしれません。

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