液晶譜面台2012/11/13 17:50

このピアノはどこが普通のピアノと
違うかわかります?
そう、譜面台が液晶になっています。
紙から液晶表示へというデジタル移行は
こういう楽器の姿も変えていきますね
でもせめてA4見開き譜面が入る液晶に
してくれりゃいいのにと思います。

譜面台を液晶画面にしてしまえ!は、
20数年前には考えていて、
そうなった場合の合理も考えていました。
なかなか良いアイデアと思っているですが。
例えば毎度のオケリハーサルでは、、、

指揮者「では・・Mの3小節前から」
奏者A「ん?Lの3小節前?」
奏者B「は?Nの3小節から??」
指揮者「だからェンムの3小節前!」
奏者A「あ~、Mの3拍前ね」
奏者B「最初からMって言ってよ」
指揮者「・・・・」

こんな会話はリハでは当たり前。
でも液晶譜面台なら

指揮者「はいココから!」と液晶をツンツン。
奏者全員の譜面(液晶)には赤⇒が点滅し、
演奏開始部分が一目瞭然!また相変わらず
休みばかりのトロンボーン奏者の譜面には、
⇒点滅横に〔あと125小節休み!〕と、
親切に表示されてグッスリ寝られる仕組み。

さらにリハーサルが止まる典型である
奏者間の重要だが日常会話。

コンマス「ボーイング変更しま~す」
1st.ヴァイリンの2番目の方々、さらに
後ろも身を乗り出して前の人の訂正を写し、
V消してΠを12人全員が書くまで数十秒・・・
指揮者「ふ~、書きました!?いいですか?」

こんな会話はリハでは当たり前。
でも液晶譜面台なら・・・

コンマス「ボーイング変更しま~す」と、
液晶にΠを書き込み右下のボタンから
<Vn1全員>を選びタッチすると、
後ろ全員の譜面にΠが反映されて全員頷く。
5秒後にリハ再開という便利な仕組み。

合理はリハーサルばかりではありません。

練習が終わってマネージャーC氏
「ハ~イ、今日のリハの譜面は
添付で送ってあります、宜しく!」
で、家でも同じ譜面が手に入る。

ペーパーレスに加えリハーサルの時短、
無駄なイライラもなくなりスムーズ。
こうなるのではないかと思うものです。
しかも液晶譜面は音に反応するので、
奏者は譜面を捲らないで自動で進む。
毎度音が半分になりそうなヴァイオリンも
誰も捲らないので演奏に集中できる。

奏者用の譜面データは毎回別名保存され、
違う指揮者が来たら別のものを出せばよく、
再度来た時には以前のデータで演奏!
毎回人によって書いたり消したりもなく、
床中に消しゴムのカスが撒かれる事もない。

最近では室内楽で紙を使わない演奏会の
実験がなされていますが、
考えを拡大すればオケにも当てはまる。
常設の練習場やホールがあるオケは、
液晶譜面台も導入可能なはずなのです。
でもなかなか進展しない原因は<モラル>。
「譜面は紙でなくてよいのか?」
演奏にとってこのハードルはまだ高い。

譜面立てにカラー液晶画面を搭載した
ローランド・デジタルピアノ「HPi-50」
詳細はローランド製品HP:
http://www.roland.co.jp/products/jp/HPi-50/

夢コン20122012/11/15 23:07

明後日、日曜日のコンサートです。
どうしても、皆さんに来ていただきたい!
準備に半年のコンサートが幕を開けます。

夢コンサート2012
~こまえを彩る秋の音~
2006年から行政と民間で創造している
<音楽の街-狛江>活動は、
プロとアマチュアも一緒に、
音で繋ぎ音に遊び音に学ぶ活動。
そしてこの公演は
“音楽による文化発信”の中心コンサート。
内外のプロ演奏家を招き、
様々なジャンルを堪能して頂きます。

華やかなブラスの響きでお迎えし、
10代のヴァイオリンソリストを微笑み、
邦楽の演奏に舌鼓、
情熱的なタンゴの響きに肉沸き、
打楽器アンサンブルの熱狂に魂が踊る。
声楽から溢れる言葉の泉を快感し、
日本の晩秋曲で演奏の宴は
天空の星空へ飛翔する。

言いすぎでしょうか?
いやいや。

この演奏会は、
小さな街の些細な数時間ではなく、
真摯に紡いだ音による文化創造の
大きな証となるはずです。
年間通じた数多の音楽発信を集約した
大きな願いのコンサート。
沢山の方々に是非聴いて頂き、
共有していただきたい時間です。

2012年11月18日(日)15時開演(14時開場)
狛江エコルマホール
一般:全席自由2000円 小中学生:無料

詳細はHPをご覧ください!!
音楽の街-狛江公式HP
http://onkoma.jp/

私は指揮もしますが司会をしております。
出演もしますが、
皆さんの情熱的な演奏を聴くのを
楽しみにしています。
お時間のある方々、
是非おいで頂きたいコンサートです。

明日本番2012/11/17 23:50

連日の「夢コンサート」リハーサル。
公演の舞台を使用してのリハーサルは、
とてもありがたい時間です。

今回は様々なジャンルが次々に出演で、
舞台の転換も大変なのです。
巻頭見開きカラー頁特集のような気分で
次々に頁を捲っていただきたいと思い、
テンポ良く進めたいなと思う次第です。

そうそう司会もしています。

11月18日日曜日 15時~
狛江駅北口 エコルマホール

一般2000円、小中学生無料にて
当日券もあります。

多くの方のご来援お待ちしています。

夢コン終演2012/11/18 23:40

長い事準備に勤しんでいた夢コン、
夢コンサート2012が終演しました。
毎年の恒例公演となり今年で6回目。
いつも皆でアイデアを出し合い、
企画を絞り込みながらのプログラム構成。

世の中の演奏会の内容、
構成方法は多いようで実は少ないものです。
大方のお客様の興味は、
1. 主催する出演者を聴きに行く
2. 演奏する曲が聞きたくて行く
「付き合いで」の方も居りますが、
でもこのどちらかなのですから、
演奏会自体がこういう種類なのである。

さて、これ以外の内容にすると大変。
構成を普段とは違う切り口にした場合、
お客様側からは興味に連動した質問が出る。
1.誰が主なの?
2.ジャンルはなんなの?
となる。そして演奏会内容によっては、
ス~ッっと前向きな気持が冷め、
チケットを買っては頂けない。
・・・そりゃそうです。
クラシック好きに初めて生タンゴを聴かせ、
友人の演奏家の応援をしたいが、
その前に何倍もの出演者がいれば臆しますね。
本当にどれもこれも素晴らしいのですが。

夢コンの内容の価値は、
一般的な演奏会とは少し違います。
1.地元に縁のある演奏家の出演を中心に、
真摯なアマチュアとの交流も成し遂げたい。
2.都心で催しても胸を張れる内容で、
地域色を存分に出した発信力を持ちたい。
この気持を毎回の内容構成に生かし、
準備から広報チケット販売に至るまでを
ハードルを上げながら進みました。
毎回の内容は違いましたが、
考え方にブレはない6回の公演でした。

お帰りになるお客様の笑顔は、
主催者、出演者の安堵でもあります。
そして期待をさせることはそれ以上の
励みにもなるものです。
日本で2番目に小さな行政区の市ですが、
夢コンサートの価値と発信力は、
大きな文化芸術推進の原動力です。
たったの2時間は半年の凝縮であり、
「音楽の街-狛江年間活動」と言う本の
巻頭カラーページを飾る内容になりました。

私は円滑に進むように協力する役でしたが、
長い時間真摯に携わって頂いた委員の方々、
嫌な顔もなく手伝ってくれたスタッフ、
存分に技量を見せてくれた出演者、
すべての方の力があり笑顔で終われました。

こころより感謝しています。
お疲れ様でした。

気遣い2012/11/19 23:36

私は煙草の喫煙をしないのですが、
週に数本の葉巻を吸います。
時間がないと火をつけないですし、
深夜に近所のBarで四方山話をしながら
火をつける程度の嗜みです。
30歳位から扱い始めたので、
もう20年に近くなるのでしょうか、
ようやく楽しみも解り、
持つ手にも気恥ずかしさが無くなりました。

葉巻も味は産地により様々ですが、
名産地であるキューバ産以外にも、
考えられないほどの種類があるのです。
自分の時々に合わせて趣向するのは
楽しいものなのでいろいろ試しますが、
あまり安いものではないので、
大概にはしております。
でも数年前から個人輸入をはじめ、
近年の円高の恩恵も重なり、
葉巻1本はワイン1本の感覚だったのが、
美味しいシングルモルト一杯の安価に
なった気もします。

ネットで仲介する海外業者があり、
当初は怪しすぎて恐る恐るでしたが、
ミスも嘘も無く品質管理にも心配りがあり、
大変気に入って御用達という按配なのです。
この業者、怪しいどころか、
毎年この時期になると、
クリスマスプレゼントを郵送してきます。
大抵葉巻に関するグッズなのですが、
ちょっと気が効いていて嬉しい。
そもそも世界中の顧客に郵送かと思うと、
律儀すぎて怪しんだ自分が恥ずかしい。

Habanaの有名ブランドの販促品でしょうか、
でも意外にも(失礼)とても書き易い、
ドイツ製の水性ボールペンを
今年は早々に贈ってくれました。

こんな気遣い日本人だってなかなかない。

六段2012/11/21 23:23

この世には様々な音楽がありますが、
この2つの音楽の接点を
真摯に研究しているものは少ないじゃず。
“グレゴリオ聖歌<クレド>と
       筝曲「六段」の酷似”

昨年発売のCDなのですが、
手に入れようと思いながらもやり過ごし
数日前ようやく入手しました。
ヨーロッパ音楽の日本初の上陸は、
明治期の開国に伴うものではない事は
すでに周知されています。
遡る事300年ですが、
F.de.ザビエルが鹿児島に上陸以降、
キリスト教伝来に付随したキリスト教聖歌は
布教活動と共に各地に広がっています。
このCDは、
当時の教会音楽であるグレゴリオ聖歌が、
日本の和楽器に与えた影響と
摩訶不思議な接点を紐解いています。

筝曲「六段」はグレゴリオ聖歌<クレド>の
伴奏音楽を基にして発想し創作された、
酷似音楽と和音構成であるという研究です。

CDと言うより耳で読む専門書籍。
皆川達夫先生の研究では、
かけ離れた音楽を解り易く解説しながら、
グレゴリオ聖歌<クレド>と筝曲「六段」
という今では果てしなく遠い両者の接点を、
歴史から解き明かしています。
キリシタン信仰と盲目の検校達の交流は、
今から450年を遡る
日本音楽の歴史スペクタクルなのです。

収録も文献であるテキストに沿っており、
日本からの少年使節歓迎ミサ曲に始まり
純正の<クレド>3,4,1番
そして<クレド>と六段の合奏では、
構成の近似がとてもよく解る。
そして最後には「六段」の演奏。
(野坂操壽さんの演奏が素晴らしい!)
付属のテキストを見ながら聴くと、
解り易いですが、初めて聴く人は、
少しアバンギャルドは組み合わせの
和洋の合奏曲と思うでしょうね。
全く違和感などないばかりか、
この2者の存在が近い事を放っておく
訳にはいかなくなるのが解ります。

日本人ながら西洋音楽を生業とし、
日常的に傍らの音階として受容しています。
一見不条理であるようだが、
乗り越えられない壁ばかりではなく、
新鮮な輝きも提供してくれていると思います。
こういう歴史を紐解いてみると、
未知の音楽に取り組みながらも、
日本人の感性に変換した先人たちの苦労と
天才的な先見の感覚に脱帽するばかり。
興味ある方、聴いてみてください。

1年際2012/11/23 23:52

昨年12月8日に亡くなった義父の
一年祭でした。
神道なので、一周忌とは言わず、
祭事ということです。
家族と近い親類の内輪で済ませましたが、
仏教と違い香を焚かないので、
なにかサッパリと明るいのが神道。
焼香すると途端に辛気臭さや、
悲しさが沸いてくる時がありますが、
香りが心に訴えると言うか、
過去の潜在的な感情を呼び起こすのかも。
人の記憶や感情は香りや匂いといった、
臭覚に由来する事も多いのですね。

義父の両親のお墓も整理をして、
徳島のお墓からこちらに移しました。
この納骨の儀も行い、
お墓の中では核家族のような団欒になり、
数十年振りの水入らずといった事です。

前日から降り続いた雨でしたが、
少しずつあがり、
晴れ渡った後は、浄化されたように
奇麗な冬の夜空になりました。

早い1年でしたが、
父の関係ではやらねばならぬ事が
まだまだ沢山あるのです。
著作権保有者である母と姉妻に加え、
私が託された課題もあり、
進まなければなりません。
偉大な彼の作品は尚且つ衰えず、
そして時と共に新鮮な響きを与えるはず。
こちらが萎えないようにせねば・・・。

和式2012/11/24 16:16

12月に限らず土日はリハーサル生活。
アマチュアオーケストラなど、
多くの団体と関わっているので、
社会人の皆さんの楽しみ時間は、
私の仕事時間でもあるわけです。

来月公演の弦楽アンサンブル、
毎回趣向を凝らして、
ただの演奏ではなく、
意味のある公演にしようと、
皆さんで考えて努力しています。
邦楽作曲家の作品を取り上げるもの、
その中のひとつですが、
とても良い試みと思います。

西洋様式の生活は日常になり、
椅子に座りパンを食べてベッドで寝る。
こんな毎日の事は西洋式とは言わず、
近代日本の日常なのでしょう。
音楽家をしていても、
何とか欧米人のセンスになりたいと、
子供頃から西洋音楽に触れながら、
よもや日本を蔑ろにしないと、
西洋感覚にならないのかと思う羽目。
西洋人の好む音楽を真似たり、
さもドイツ、多分ウィーン、
よもやフランス、スペイン的、
これぞイタリア風演奏だって、
お手のものなのが日本人ですね。
でも意外に日本の音楽感覚を
西洋楽器でやろうとすると難しい。

井戸を掘り農作業をして鍬を振り上げ、
大八車を手押しして掛け声を掛け合う。
櫂を漕ぐときの全員の掛け声、
倒した大木を担いだ全員揃いの足踏む音。
木遣りの歌に代表される労働歌などは、
日常の仕事や感情が音になったもの。
つまり日常の生活音の旋律です。

西洋化した日常を送っていると、
日本式の生活や、
日本人の体躯に合った動き方など、
無理のない風情を忘れて仕舞いがちです。

邦人作曲の音楽には、
忘れかけている日常を取り戻す音や、
否定する訳にいかない日本式のリズムがあり、
練習中でも面白い発見ばかりです。
プロではなかなかやり難い事を
わざわざ取り上げる姿勢がいいですね。

新規練習2012/11/25 23:15

年間を通じていろいろなオケの方、
そしてアマチュアオケとの公演があり、
その度に沢山の方々との出会いがあります。
毎回、最初の日はワクワクしながら行き、
挨拶から入るのは勿論です。
いざ練習が始まると、
その日から練習回数を計算しながら、
頭の中で練習スケジュールを立て、
どこまで要求に応えてくれるかなど、
公演までの内容を想像します。

学生オケでも、社会人オケでも、
それぞれ皆予定がある中、
万障を繰り合わせて集合します。
音楽と人が集まる魅力が満載なのは、
オケの特権でしょうし、
アナログな集団の奇跡です。

今日もご挨拶から始まる
最初のリハーサルでした。
何時、何の仕事で行っても、
中部地方の方々には親近感があり、
過度に緊張することが無い。
地域がそうさせるのか、
街か、言葉か顔なのか?
勝手な思い込みですが。

連休最終日は新幹線の混雑あり、
チケット予約が大変でしたが、
こういう日にじっくり練習を楽しむ
アマチュアオケの方々は、
いつでも応援しています。
カウンター