出会う系2008/06/14 23:34

相変わらずのMオケ指導は楽しく、
自分で振っても、一部を担当していても、
音楽を介しての、新しい人間関係構築、
愉快で、音楽家冥利に尽きるというものです。
こんなM大オケの6月定期演奏会でした。
プログラムを広げると、230人ものメンバー表。
六大学の一角でオケとなれば、当然と思うが、
これは私の知る限りでもマックスな人数。
もっと団員数の多い巨大な大学や、
学部間が離れており物理的に不可能なので、
学部に分かれてオケが存在する大学もある。

演奏会で配られるの手元プログラム、
サイズや体裁は、基本的に毎回同じ。
しかし、メンバー表を眺めると、実に多彩。
新設された学部を合わせて9学部。
そこに他大から参加している団友達。
1年から4年という立場の違いをあわせると、
人間関係の組み合わせは、多種多様であり、
異種文化コミュニケーションのサンプルのよう。
しかも弦楽器から、管打楽器にいたるまで、
細かく見ていけば、13種以上の楽器である。
これだけ複雑な体系になると、
まとめていくのはさぞかし大変であろう。
その昔、話は叫んで通じさせていた。
いや、これは携帯も勿論メールもないので、
叫ぶか、呼びに走るしかなかったのであるが。
ワープロが辛うじて存在するだけの20年前は、
名簿も手書きであったろうし、
コミュニケーションは、話すか、書くか・・・、
つまり人が会わないと成立しない組織だった。
オケというコミュニケーションは、不自由である。
指揮者のいない小さな室内楽の編成では、
互いの顔が見えるように座り、
目線や息遣いで情報交換をしながら演奏するのだが、
指揮者を中心として半円になるオケの情報交換は、
常に気にしていないと、相互通行できない。
不自由な分、敏感になるのが奏者の脳なのである。

「出会い」というものは大事であるが、
「出会い系」となると、まだ出会っていない危うい響き。
では、「出会う」ならばどうであろうか。
会うことを前提にしたコミュニケーション。
会わなければ何も始まらない関係は、オケに同じ。
『出会う系』という一歩進んだ行動のようで、
これはそもそもアナログな時代の常識だった。
230人が一緒に演奏することも、
多分一同に介することも出来ない現サークルは、
この組織から何を発信していけるのだろうか、
興味津々であり、核になる学生達は、
この人間関係から多くの事を学ぶのでしょう。

素晴らしい演奏でした。
お疲れ様でした。

コメント

_ 1038 ― 2008/06/16 18:32

演奏会、盛況だったようですね。
私は親類関係のやぼ用で聴きに行けませんでした。残念!


因みに私は「叫び走り回っていた代」です。
当時は合宿の案内も手書き。これじゃあいかん途中からワープロを購入しました。そのローン(親からの無利子ローン)に四苦八苦しました。
合宿で一番苦労したのは、朝ご飯の数。
前日の夕方までに確定して沼田のオヤジに申請するのですがその日のコンパがどれだけ荒れるかを予想して数を決めます。
「八割食べる」を基本に微調整した記憶があります。
今流行りの地頭力をフルに発揮しておりました。

_ 1038さん ― 2008/06/17 00:40

まさにそれ!

時代の地殻変動を実感した世代ですね。

遡れば、アホな時代のようで、
今には無い、天然記念な動作が100万ありました。

でもそれがオケ、その連続が社会ですね。
学生、不自由を楽しんでもらいたいですな。

_ KGW ― 2008/06/17 09:00

昔は記念館の張り紙伝言版がコミュニケーションの手段でした。
(おかげでパー練・合宿・トラ募集・コンパ等々、壁一面に手書きの張り紙だらけ)

あと、部室ノートなんてのもあって、C年のころは先輩達のいろんな想いを読みふけったものです。
記念館の部室に来ないと出会えない。
そんな出会う系の住人でした。

それにしても、230人は凄いですね。
一つにまとまることが信じられない数です。
我らは「3人いれば1人は好みが違う」位に個性派が多かったので、当時230人もいたら3つ位に分裂しちゃったでしょうね。

_ KGWさん ― 2008/06/17 09:55

演奏会が終った瞬間に私がホッとしたのも束の間、
心配が恐怖に変わったのは、
230人があの宴会場に集うと床は抜けないのかと、
20年前、すでに高度成長期の産物となっていた、
Mオケの聖地の崩壊を心より心配した・・・。

深夜の2次会なんて、同じ人に2回出会わないくらいの、「出会えない系」の騒ぎ・・。

平成学生恐るべし
です。

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