花から花へ2020/09/30 22:26

早いもので9月も末日です。

仕事の関係で定番のオペラ<椿姫>を聴く機会も、
若い時には演奏機会もたくさんありました。
むしろ今では名作の古典すぎて改めてプライベートで
聴く気は無く避けるほどでした。

しかしです。
来週アリアをやるのでふと目の前のCD盤に手が伸び
頂いたオペラ<椿姫>の封を切りました。
1990年10月12日の東京文化会館でのライブ録音です。

このCDは昨年2019年9月29日に急逝された
ソプラノ佐藤しのぶさんが主役ヴィオレッタを歌っているCDで
喪主の指揮者現田さんから香典返しとして頂戴したものでした。

素晴らしいのは解っていたし、
この名盤はもうすでに販売された時から
話題の名盤だったのも良くわかっていました。
しかし、封を開けて進んで聞く気になれなかった・・・。
前述のように聴き飽きたからではもちろんない。
生前の歌声を聴けることほど有難い事はないのですが、
同時にその声が聞かれない事悲しい事は無いのです・・・。

何の気なしに目の前にあったので、封を切ったのです。
その日が1周忌の命日などとは考えずにCDを掛けていました。

本当に素晴らしい歌声なのです。

イタリアに留学後<椿姫>ヴィオレッタでデビューして
格段の成果を上げながら、オペラディーバの階段を確実昇った。
<椿姫>の録音や歌っている回数も計り知れないとおもうが、
この録音はライブとして聴いても神懸った白眉である。

悲しさから懐かしさ、そして尊さに変化していくのだろうと
しのぶさんの歌声を聴きながら再び冥福を祈るのです。

例年に比べると秋を感じる事が多い気がする9月でした。
コロナ禍で愉しい事も少なく、滅入る事ばかりですので、
身体で施しを感じられる季節の贈り物は他には代えがたい。

10月も頑張ろう。

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