フィギャーノートでお箏2016/10/28 11:14

昨日、今日と2日間の授業でした。
昨年から用意していたお箏体験の授業です。

4年前から音楽の街–狛江で行っている
特別支援学校の子供達を中心とした音楽事業
という科目で色々な事を行っています。

フィギャーノートは色と形で音の高さと種類、
また伸ばす長さも一目瞭然の楽譜絵。
フィンランドで開発されていますが、
日本では私たちの市が
もっとも活用していると思います。

支援学級の子どもたち、
今までは洋楽器の取り組みで
フィギャーノートを使っていますが、
今回は「箏とフィギャーノート」という
組み合わせでお箏の体験をします。

さてまず楽器の紹介があり、
次に親指に爪をつけます。
右手の親指を突き出して
先生方がぴったりの爪を合わせてくださるのを待ち
「Good Job!」と言って爪を見せます。

1年生から6年生まで一緒に体験するので
反応もまた様々。
期待値の高い高学年の子、
なんだかワクワクしている中学年の子、
いつもと違う体験にソワソワの1年生。

こういう特別支援学級の子どもたちの
素直な反応の風景はとっても素敵です。


お箏の前にはフィギャーノート。
わかります?
色、形で種類があります。

題目は「さくら」
定番の日本の曲ですが、
事前学習で皆歌えるようになっていました。
こういうモチベーション大切です。
譜面には歌詞も載っています。


良い姿勢ですね。
お箏を習う箏は
礼儀や姿勢を習う事でもありますが、
子ども達ちょっと音を聞いたら、
自然と背筋がピンと張りました。

市内在住の奏者で小学生の指導も行っている
渡辺正子先生の優しく的確な指導です。

七、七、八、七、七、八・・・
さくら〜、さくら〜 となるのが普通。
でもフィギャーノートでは
「黄色丸、黄色丸、緑丸〜」という指導。


学校のスタッフ先生、講師の先生も一緒に、
子供達をサポートします。

”五線”という音楽用の楽譜は
西洋音楽の合理的な概念で、
非常に便利な数学的で理にかなった音符表記です。
フィギャーノートはこの階名に色をつけて、
色と形で音を表すので、
五線を読めない方でも気軽に演奏できるシステム。

日本の楽器には楽器ごとの譜面があります。
箏譜は弾く絃を数字で表す謂わば数字譜なので、
フィギャーノートのシステムと一緒です。

お箏を初めて弾く五線を読める人は、
日本音階に慣れずに戸惑う方がいますが、
フィギャーノートは概念が全く違うので、
今日の子供達は普段通りに弾き始めました。

思った通りです。

固定概念というのは良い事もありますが、
余計な知識に執着してしまうマイナスもあり、
取り払うのに苦労したりします。
フィギャーノートは見たモノそのままで
無駄な知識や概念が必要ないので、
通常級の子供達と同じような進度、
むしろそれより素直に
お箏の演奏に入ることができました。

日本の楽器なので世界初の試みでもある
「フィギャーノートによるお箏演奏」は
楽器体験の新しい思考を与えてくださりました。

そして楽しそうに演奏をしていた子供達の
嬉しそうな笑顔は、
私にとっても一番の収穫なのでした。
「またやりた〜い」「楽しかった〜〜」
様々な声が聞かれた2日間の体験の感想。
来年もできると良いと思いました。
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