伝統色2015/06/05 23:31

最近購入した書籍ですが、
大変勉強になります。

「日本の伝統色」
The Traditional Colors of Japan

つまり日本に古来から伝わる、
伝統的な色とその意味や由来を
紹介しています。
250種にも及ぶ色は、
紺、藍色など判りやすい色から、
聞いていても正確な色は知らなかった、
撫子色、小豆色、紫紺、牡丹など。
そして解説も読んで成る程となった
江戸紫、鉛色、桔梗色、蘇芳色、、、。

時代小説を読んでいたりすると出て来る色、
また和服の文様や色の件だったり、
浮世絵などで説明される色でも、
知ったかぶりが多かったのですが、
この本を読みながら目のウロコ落ちです。

何せ“ピンク”と言って片付けそうな種類で、
撫子色、紅梅色、退紅、一斤染め、桃色、薄紅
桜色、中紅、鴇色・・・
と各種違います。
自然の花や美、葉、土などから色を取り、
糸を作ったり染色したりという
伝統的な日本の技術から来る繊細な違いは、
全て学術的に分類され英語表記もあります。

説明を読むと、
採色に大量の材料を必要とするため、
貴重な色として庶民の着用を禁止した禁色
というものも多くあり、
自然と協調協和しながらも、
色に対する繊細な日本人の感覚が、
とても驚きです。
古い写真や映像というのは白黒写真が多く、
過去は地味で色が少ないと思いがちですが、
今よりずっと艶やかな和装の日常で
彩られたと考えると、
現代人は色に対する感覚も麻痺して、
知識に加えて目も退化していると痛感します。

辞書のような楽しさです。
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