撤収と会議2008/09/01 23:00

そして一夜明け、音楽祭は撤収です。
たった2日のためにしっかり仕込んだ野外劇場は、
1日減って、最終日のみの使用になりましたが、
しかし、野外なりの素晴らしい空間と、
ライトアップされた外で極上の音楽を聴く悦は、
他のものには変え難いものなのです。

吊った明かり、組んだイントレは全部バラして、
使った物、借りた物は全て元に戻す。
撤収作業は、劇場でも野外でも、
何もなかったかのようにリセットして、
また次の客人を迎えられるようにするのが決まり。
ホテルのチェックアウト後にどこか似ています。
前の人、家族、団体、空気さえも感じさせず、
常に新しい家の状態にして待つのです。
“個性を消す”と言うのでしょうか、
新たな個性が羽を伸ばせるように、
まさにニュートラルに戻すのが鉄則なのです。
劇場の場合、最後のお客さんがロビーに出ると、
感傷に浸る暇もないほどの手際の良さで、
裏方たちは、舞台をバラしていくのですが、
音楽祭のバラしは翌日なので、
比較的緩やかに、作業が行われます。
四方山話などもしながらよい時間の流れ、
多少名残惜しいので、ちょうどよい時間です。

事故もなく、きれいに撤収です。
10日間と一番長かった友井さんはじめ、
東京、甲府からのスタッフ、ありがとう!

頭を深々と下げると、私も車に飛び乗り、
すぐさま一路東京へ帰りました。
地元であさっての公演の会議があるのでした・・。
あらあら、よく考えると音楽祭終わっていません。
あさって終わって、初めてシャンシャンです。

何はともあれ、北杜よ、小淵沢よ、
今年もありがとう。またすぐ来ますからね。

音楽祭Ex.公演の巻2008/09/03 10:59


正確には「音楽の街-狛江」主催で、
北杜国際音楽祭の招聘アーチストである、
「ザルツブルク・モーツアルテウム弦楽四重奏団」を
迎えてのエコルマホールでのコンサートです。

「音楽の街-狛江」も3年目に入り、
暗中模索の活動から、藪から棒の事業活動に移り、
ついには、海外ゲストを迎えてしまいました。
9月3日と言っても、まだまだ夏。
特にお客様は、広告を見てチケット購入するのですが、
夏の暑い時期に、チケットって売れないのです。
日本では“にっぱち”なんて、2月、8月を挿して、
世の中が動かない、つまり商売にならない月、
という事をいいますが、これは音楽業界も一緒。
ですから、9月を3日過ぎても、大変なのです。
前回昨年12月の“夢コンサート”公演は、
入場無料にして宣伝したら、120%の集客。
しかし、無料は全てをダメにする連鎖と言うわけで、
今回は、海外ゲストに失礼にならないような価格、
3500円(おい!安いじゃね~か!!)を正価に、
販売に勤しんだのです。

結果的には、目標には届かなかったのですが、
だいたい実数は予想通りの数で、
反省も含めて、良い経験になります。
これからの活動に生かしていくところです。

演奏の4人はそんなことに関係なく、
ガンガン弾きまくりで、2時間があっという間でした。
終演後は、駅前の居酒屋にて慰労会(打ち上げ)。
北杜音楽祭から、その他の営業仕事もこなし、
さらに名古屋に行き公演。
本日は、移動しての公演で、そりゃ、疲れるはずです。
日本での最終日でしたので、
嬉しい気持ちと、早く帰りたいのと、
疲れたカラダと、馴染んだ日本にも寂しさを感じ、
充実の1週間だったのではないでしょうか。
これで、音楽祭は、関連含め、全行程終り。
今日は、「音楽の街-狛江」の公演ですが、
私の頭の中は、音楽祭の千秋楽の気分。

写真は、舞台下手袖から。
大抵は、こんな角度から覗き、聴いています。

それにしても、演奏者、関係者、
狛江の委員の皆様、市役所の皆様。
全ての方々、感謝申し上げます。
お疲れ様でした。

前向きに2008/09/07 10:27

1年振りに、某大OBオケのリハに行きました。
これから約2ヶ月間のリハーサル期間です。
とはいえ、週に1回の練習、
2歩進んでは3歩下が・・、いや、1歩下がり、
しかし、確実に1歩は進みながら、
駆け足でゴールインな公演を迎えます。

楽しいですね。
知った顔ばかりのオケというのは。
たとえ知り合いが一人もいなくても、
やる事をやら無いといけない指揮者の世界。
アマチュア界で、帝王になってはなりませぬが、
殺伐としたプロの人間関係の中に居ますと、
ふっと気の抜くことができる人間関係は、
矢張り楽しいものなのです。
プロの世界でも、20年、30年前と今は、
雲泥の差といわれますので、
アマチュアの実力向上も大変な勢いでしょう。
しかし年齢問わず、皆さん生涯演奏者の心意気。
大事なことですね。
学ぶ姿勢、上昇志向と言うものは。

今回は、シューマンのシンフォニーが中心。
シューマンは、私の好きな作曲家ですし、
ハニカミ系インテリ風の持ち味を出した曲は、
どうにも、江戸っ子の心をくすぐるのです。

いやはや、良い本番目指し頑張ろうと思う次第です。
皆さんも、しっかり練習しましょうね!

暗譜必須2008/09/08 23:52

10月に行なわれる公演のリハ。
相変わらず教えているM大オケのトロンボーン達。
人の声でもなく、大編成のオケでもない。
言葉なんて無く、ついでに言えばそう上手くも無い・・。
これが、楽しいのです。
普段の音楽仕事とは違う音の作業は、
耳の原点回帰かと思えど、今ではそうでもない。
もはや、懐かしさを超えて、
新鮮さもある響きなのですが、
集うヤツラが楽しいので、
聴いているのも、教えて尚愉しい。

毎年、ハードルを上げたり下げたり、
様々な事をしますが、
4年間、絶対現役を合言葉に、
就職活動がひと段落した方々を引っ張り出し、
老体に鞭を打って、吹かせながら、
下級生へは、手本となるように参加。
それなりに、影響され、影響をして、
2ヵ月後には、みな見違えるように上達。
達成感と共に、公演を超えることが出来るでしょう。

しかし、何が楽しい、いや辛い・・って、
練習後の飲み会、いや反省会・・。
私も反省だらけですので、参加しながら、
少し煤けた心の澱みを洗い流すのです。
これがあるから、尚楽しいのですな!

写真は、イタイケな1年生のアンサンブル。
新鮮な雰囲気で、とても楽しい。
聴いてる私がニヤニヤするほどです。

整理整頓2008/09/10 10:28

1つ終ると、またすぐ次・・・。
このような公演の連鎖で、人生は進むのですが、
準備→リハーサル→公演という単純さではなく、
準備の中には、数ヶ月から数年の時を要するもの、
リハーサルだって、その日の公演前に1時間のモノから、
3ヶ月稽古を続けるものまであるのです。
自分が主催だったり、プロデュースしていたりすると、
さらに事後処理から、決算、お礼状から詫び状・・。
次の公演準備しながら、3つ前のお礼状書いていたり、
リハ真っ只中に、前回の事後処理があったり・・・。
言われます「よく、ごっちゃにならずにやるものだ」と。
感心されるのですが、イエイエ・・ゴチャゴチャです。

今日も、横浜まで来年の公演打ち合わせ。
これは、楽しい話ですし、この半年の苦労が、
来年成就されると思うと、嬉しいのですが、
相手と話していて、どうも、話が食い違う。
私は、近々の話しと考えていましたが、
・・・来年でした。
そりゃそうなのです。今から年度末までなんて、
どうにも時間ありゃしないので、来年の話なのです。

ほら、ゴチャゴチャです。

私は、地域振興的な公演も多いので、
役所の方、財団関係の方にも始終会いますが、
だんだん、何の話か解らなくなってきて、
他の地域の話で進めている考えを話してみたり、
話を鵜呑みにして、かる~く、ダブルブッキングさせ、
手帳開いて、慌てて訂正したり。

やはりゴチャゴチャ。

来年とか、早いものは、再来年の春なんて、
自分がどうなっているかもわからず、
しかも、大きな事業だと、
それを中心にしなければならないので、
一歩間違えると大変な事になりますね・・・。

ま、なには、ともあれ、今日の話は、
来年に続く楽しい話。
こういう風に、苦労したモノが、
苦労した分、しっかり還ってくると、
両拳をにぎり、「よし!」ってなるものです。

まぁ、頑張ってお客様に楽しんでもらいましょう。
来年の秋までには、さらに準備の時間があるのです・・・。

秋のくるみ2008/09/11 02:23

演奏会、公演には、季節がなさそうであります。
秋冬が中心のクラシックでも、春、夏に相応しい曲、
また時期的に似合う時期ってのもあります。
筆頭に挙げられるのは、まず第九でしょう。
今や、年末の代名詞ですが、いやしかし、
季節に関係なく、名曲は素晴らしいものです。
そしてもう1つ。
年末というより、クリスマスといえば、
「くるみ割り人形」ですね。
まさにそのまま、このドラマはイブなのですから。
観るのが日本の劇場であっても、
クリスマスの夜に、このバレエを観ると、
どんな輩でもメルヘンの世界に引き込まれます。
とは言え、やはり名曲は名曲。
季節に関係なく、よいものは良いですね。

直前ですが、9月14日(日)の公演、
「くるみ割り人形」の宣伝です。

もう何回公演を振ったのか解らないのですが、
何度演奏しても、素晴らしい作品。
毎回、譜面からは新鮮な発見があり、
バレエからは、新しい刺激をもらいます。
今日も、ロシアからのゲストが参加してのリハ。
リハを観ることが一番大切なのです。
同じ演出でも、出演者によって毎回違うテンポ。
これは、単純に速い遅いの違いではなく、
私が思う、チャイコフスキーの音楽としての表現と、
バレエ作品としての価値の差異が若干生じるので、
この埋め合わせをするために、参加するのです。
似ているようで、少し違う思考も当然あり、
譜面だけを、いつものように読んだりしていると、
バレエとしての重要課題を、忘れがちになったり、
バレエ音楽である前提が見えなくなったりします。

とは言え、良い作品は、
難しいことをいわなくても、
音楽がドラマを紡ぎ出し、共通言語で、
演奏と舞踊は結ばれていきますので、
堅苦しい事は考えすぎないことも大事。
それにしても美しいオブラスツォークの姿です・・・。
良い公演にしなくては!頑張らねば。

詳しくは、NBAバレエ団の予定からも見られます。
http://www.nbaballet.org/html/event.html
板橋ですので、お近くの方は是非。

次から次2008/09/12 00:01

いや~ん、もう9月も13日・・・。

3ヶ月後の公演、さらに詰めていかないと!!
宣伝広告のチラシの打ち合わせで、
昨日は深夜まで、G大時代の同級生I氏宅で、
打ち合わせと、近況報告。
様々なところで、クロスオーバーして仕事の仲だが、
実は長々と話すのは2年ぶり程かな??
押し付けるようにデザインをさせますが
さすがのプロは、いつでも最高のものを提供してくれます。
私の希望はただ一言、
「子供たちが見て、観てみたくなるようなチラシ」を。

大事なことなのですよね、デザインって。
特に大人のようなバランスで見ない子供は、
辛辣な目ではあるが、正直な感想を脳にインプット。
子供だましならばなんでもいいのですが、
真剣に創るものなので、大事な印象です。

それにしても、急ピッチで進めないと・・・。

なんて、焦りながらも、明後日の「くるみ割り人形」の
譜面を広げて見ていると1本の電話。
ぎょっとしたのは、いつもお世話なっている、
某団体の敏腕マネージャー。
いつもの癖で、また誤らなくては・・・と思ったら、
まったく違う話であった。

11月にある某大学の研究学会の催しの相談。
夏に、公演の片鱗を聞いていたのだが、
まったく忘れていたので、ビックリ。
しかし、話を聞けば面白そうである。
私の知恵でお役に立つなら、
いつでもOkですよと、快諾の返事をする。
「・・・それではまた!」と電話を切り、
よ~く考えると、まだまだ面白い話の連鎖になる。

大学と、自治体の利を生かした共同事業。
この大学が、また私に近く楽しいのです。
それに、この自治体は来年一緒に公演。
ほうほうほう、と頷きんまがら、譜面に目を落とす。

すると、また思い出し、総合音楽会社Y氏に電話。
彼女は私の知恵袋である。
「2月のバレエの譜面レンタルの件ですが・・」と、
切り出し、事情を話しながら段取ってもらう。
すぐに電話が来て、手筈が整うのです。

ふ~、と息を吐きながら、また「くるみ」の譜面。

するとメール。
来月の仕事のイタリア人の譜面の件でやりとり。
これも、なんだか大きなイタリアブランドの仕事で、
なんだか、質素な音楽家達が参加するべきものか・・。
のような華やかイベントなのです。
おいおい、そんなブランドの服、買わなきゃないだろう!
いや、買えないだろうに・・。

また譜面にもどり「くるみ~」

昼間1日家にいると、このような状態になり、
とてもゆっくり譜面見ている場合ではなくなり、
譜面抱えて近所のカフェに逃げてしまうのです。

面白い公演が来るのは大変ありがたい。
しかしどれを取ってみても、指揮棒持っていって、
最後に現れればよいのものではなく、
準備、譜面、稽古・・・、ようやく本番なのだ。
楽しいのだが、私が3人位いると、
話が早くて、体が分離するので、楽なのだが、
ううむ・・・、再来年の春まで大変だ。
がんばろう。

だが、今は目の前の「くるみ割り人形」なのです!

祭り2008/09/14 23:48

くるみ割り人形公演、終わりました。
前日は深夜まで遊び・・いや打ち合わがありましたが、
今日は、午前早くから、子供たちの合唱指導、
ゲネプロ、そして本番と、くるみ割り人形を満喫。

9月にやっても良いものですね、やはり。
素晴らしい音楽とドラマは絶対なのです。
しかし相変わらず美しかったオブラスツォーワ!
妖精の様な容姿ですね。
何度も公演することで、熟していくダンサーに、
華を添えるように舞う彼女。
指揮者とプリマの関係は、時に難しいのですが、
こちらも踊りたいテンポを酌みますが、
彼女からの注文もそれほど多くなく、
技術と魅せ方に起因するユトリでもあるのですね。
音楽家にとっては嬉しい限りです。

バレエにとって、テンポは心臓のようなもので、
踊りが輝くか否かの大問題ではありますが、
テンポより、大きなフレーズの捕らえ方で、
踊れるダンサーは、多いようでそうでもないものです。
つまり、音楽と舞踊の寄り添い方が大事なところ、
何度やっても、難しくとも面白い世界なのです。
オケの皆さんもお疲れ様でした。
いつもながらに、進化をしていく様子に、
感謝をするしだいです。

オブラスツォーワ目当てのお客様も多かったでしょうし、
地元のバレエ団の協力、合唱の子供たちの参加、
様々な協力で超満員の板橋文化会館。

ここ大山の街は、高校時代のホームグラウンド。
文化会館は時々公演で来ますが、
街に対して慨深い思いでがあります。
相変わらずな喧騒は、昔より垢抜けてますが、
時期が重なり、お祭シーズン。
館内で響くオケのくるみ割りと同時に、
会館の横の空きスペースには、テントが張られ、
地元商店街のお祭り本部となっていました。
お囃子が鳴り、子供神輿の威勢の良い甲高い掛け声、
焼き鳥と日本酒の匂いが、雰囲気を盛り上げる。
こういう事が混在しているところが楽しいのです。

公演が終わり、ひとり商店街に出れば、
祭りの打ち上げで赤ら顔の旦那衆がたくさん。
あ~ぁ、こっちにも混ぜてもらいたかったな。

前乗り2008/09/15 23:57

〔閉所恐怖症+せっかち〕な私は、“待つ”ことが出来ず、
車の渋滞や、人の混雑、ましてや毎日のラッシュなんて、
考えただけでもクラクラしてしまう駄目自由業者です。
ドーナツひとつ買うのに数時間待つ人たちなどは、
研究して論文のひとつも書けるほど、宇宙人に見えます。
高速道路も、ひたすらまっすぐな道にイライラが募る。
空いているのだから、前に行けばよいと思い、
気がつくと、メーターの針が4時ということもたびたび。
何をするのも、ゴーっと、バーっと進めないと駄目なので、
周りから見ると、なにもかもギリギリに見えるらしい・・・。
いや、これは半分は右脳人間の悲しい性でしょうが。

そんな私が、今日は余裕をもって行動しようと、
夕方の中、一路信州を目指してハンドルを握る。

姿勢を正して、余裕とユトリの安全運転。
燃費向上、地球温暖化防止!などと、
エコな自分を褒めながら、途中で休憩なども取る。
300キロ離れた長野の山々が見える頃には、
陽はとっぷりと暮れて、雲が張った空が恨めしい。
高速を予定通り降りると、10時を回っており、
ここからさらにドンドン山奥に進む。
「そうだ、、、そろそろ奴らに連絡しよう・・・」と、
携帯で電話をかける。
「おう!高速降りたから、あとしばらくで着くよ」
「へっ・・・???」
「もしもし!だから、もう降りたから!」
せっかちな私は電波状況にもウルサイのだ。
「ど、どこの高速を降りたのですか・・」と、
パーリーのK氏はオロオロと、のたまう。
「だから、信州中野に決まってんじゃん!」と、
あくまでユトリをもった行動に自信満々な私。
「合宿・・・、明日」から、、、です・・・」
「へっ・・・??」
今度はオロオロするのは私の番だった。

私は1日間違えて家を出たのである。
何も気づかず、鼻歌交じりでハンドルを握った4時間。
慌ててブレーキを踏み、山中に車を停める。
落ち着こうと外に出ると、辺りは漆黒の闇に包まれ、
夜の帳どころか、厚い緞帳のような雲は、
十五夜の月明かりを閉ざし、私の心にも一気に紗幕が下りた。

プラス思考の私は、こんな事では動じない。
そこらじゅうから聞こえる虫のせせら笑いも、
一瞬にして、大歓声に変換して、車に乗り込む。
Uターンして一気に山を降りる・・・。
それでも考えた。
帰ると、300キロ、却下。
小淵沢、150キロ、却下。
ならば、松本!80キロ。元気ない、却下。
選択肢は1つ。長野市20キロ。
人生の借りを返すように飛ばせば、10分で到着。

もう一度言いますが、プラス思考なのです。
まったく取っていなかった休みを頂いたと思い、
1泊を有意義に使おうと思うが・・・。
世の中3連休最終日、
街は、静かに日常の幕開きを待つ深夜。
それでも、チェックイン後に深夜営業のバーを見つける執念。
「ふ~、避難避難」と地下への階段を下り、
踏み外さぬよう足を運んで、ドアを開け、ようやく一息。

いやはや、自分でも驚く失態・・。
こんな事、生まれて初めての経験だ・・・。
などと凹まずに、有意義に明日を使うことを考えながら、
東京出身のマスターと話がはずみ、夜は更けていき、
何だか長野だが東京だがわからなくなった深夜である。

精霊2008/09/16 23:05

期せずして頂いた半日の休暇、とは言え、
慣れていない事に、何をして良いのか途方に暮れる。
・・・などと言っていると、日も暮れるので、
とっとと起きて行動を開始するのです。

長野県は様々な場所に行っていますが、
長野市自体には滅多に来ないのです。
よい機会と、朝から散歩。
そして、昨日からここをメインと決めていた、
善光寺へのお参りをしっかり90分。
壮大な建築と、石畳、見所満載なのです。
連休が終わったばかりで、観光客の数はまばらで、
この位の込み具合が心地よいものです。
10人ほどの観光グループに、必ずガイドさんがいます。
このグループの後ろに、何気なく着いて歩き、
饒舌なガイド節に耳を傾けながら、成程、成程と感激。
参道を往復すれば、3人ほどのガイドさんに遭遇し、
たくさんの薀蓄と、笑えない駄洒落も堪能です。
祈願はただひとつ。
本堂に入り、10分ほど手を合わせながらしっかり参る。

参道から駐車場への帰り道、
古い洋酒屋さんを見つける。
この手のお店、宝の山なのです。
洋酒、しかもスピリッツ系が好きな私は、
どこにでも置いてあるウィスキーなどには興味なく、
この20年間位に、すっかり姿を隠したラム酒、
稀少なポートワインなどを探し回るのです。
少し古い洋酒屋さんには、あまり買う人がいない、
これらの品々が棚の奥に誇りを被っている事が多く、
しかも、昔の値がついたままなので、相場からは格安。
スピリッツは、あまり劣化しないので、
品質も気にすることはなく、
掘り出し物、しかも格安という恩恵が多いのです。
やはり、このお店にも切りなくありました。
また来られる事を祈り、厳選した1本だけ購入。
市場価格の5分の1でしょうかね・・・。

長野市から、志賀高原まで行かなくてはならぬので、
下道を通ってゆっくり走る。
須坂を超え、小布施の町。
小さな町は、栗の産地であり、
おいしい水と環境に、優れた蕎麦屋も数多い。
遅めの昼食は、もちろん蕎麦。
車でなかったら、地元の蕎麦焼酎を蕎麦湯で割り、
そばがきを摘みながら楽しむフルコースにしたかったが、
いやいやそんな場合でもないので、
大人しく、食事のみで退散。

たかが半日でも、ゆっくり信州を楽しむなんて、
経験したことがなかったので、格別な休暇でした。
日程を1日間違えた事が、結果的には幸い。
夏も1日も休みなく、様々な仕事をこなしたので、
精神的には大いにリフレッシュしたこの日でした。
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