阿波2007/11/02 23:59

国民文化祭徳島大会にきています。
とはいいながら、フィナーレのオペラ公演のため、
あまり他のイベントの様子もわからず、
相変わらず、暗い舞台の回りで、ホコリにまみれ、
着々と準備が進みます。

通し稽古は1回。
このオペラ公演の数時間後に、
本来の大きなフィナーレイベントもあるので、
舞台関係者は、作っては撤収して、
また仕込んでは撤収の繰り返しをしています。
特殊な環境の中でも、プロはプロ。
歌手から演奏家、裏方も、事務方も、
すべての人が職務に忠実にこなしていきます。
<幸せのパゴダ>も順調に進んでおり、
明日がGPです。

とりあえず、ご報告をしておきましょうね。

眉山2007/11/03 23:26

<幸せのパゴダ>最終通し稽古でした。
公演を観られるのは、応募で当選した方のみ。
そこで、この通し稽古も公開になり、
沢山のお客様に観ていただきました。
必要最低限のものしかない舞台ながら、
歌手達の稽古を積んだ歌と芝居により、
それぞれのキャラクターは鮮明に浮び上がり、
とても良い作品になっていると思います。
当初は1時間の予定が、
最終的には約2時間の上演時間。
休憩ない全10場の舞台は、
台詞入りといいながらも、
全面に音楽が入り、打楽器による効果などで、
全体はオペラの形態となっており、
聴き応えのあるアリアから、アンサンブル、
皆さんの実力を十分に発揮できる作品です。
8人の出演者は、コーラスから、アリアまで、
オペラに必要な要素すべてを網羅していきます。

演奏者も大変です。
2時間の舞台を支えながら、音楽は勿論、
台詞にもたくさん音楽が載っているので、
譜面から一時も目が離せません。
指揮者も勿論同じ。
マラソンの如く、2時間一気に駆け抜けるつもりで、
体も心も準備してのぞまないと、
大変なことになります。
山あり谷ありは許されず、常に最高の状態で、
2時間のテンションを保ちます。
結膜炎になりそうなくらいです・・・。

オーケストラの演奏者を選ぶときもそうですが、
その公演にあった人材を探すのは大変なのです。
オペラは特にキャラクターが重要ですので、
いくら芝居で自分とは違う人物になるとしても、
あまりにもかけ離れた人は辛いでしょう。
特に声域や声質が持つ特別なものは歌手の命、
最大の宝でもありますので、
これを生かしながら稽古を積んでいくわけです。
役柄と声も自分から発信していくものですから、
体と精神の鍛錬は人並み外れた苦労が多いのです。

<幸せのパゴダ>、8人の歌手4人の演奏者、
素晴らしいカンパニーになっていると思います。

通し稽古の後、
眉山(最近は映画でも有名ですね)山頂の
パゴダにお参りに行きました。
第二次世界大戦時、
徳島から沢山の若き兵士がビルマ戦線に送られ、
多くの死者が出たことは有名なのですが、
戦没者慰霊碑、霊を弔うために建てられた
パゴダも間もなく50年ということです。
中に入れてもらい手を合わせました。

皆で眉山の山頂から夕日を眺め、
頬を赤く染めながら公演の成功も祈りました。

毎日が舞台2007/11/04 23:28

<幸せのパゴダ>無事に公演終了いたしました。
22回目の国民文化祭は、今年徳島大会。
48年に1度しか回ってこないこの大会は、
どの県でも時勢を現すものでありながら、
埋もれている文化や伝統を再発見する機会。
また新しい創造や発見をするチャンもあり、
文化と芸術に正面から取り組む大会です。

2ヶ月以上の稽古を経て、本日の公演。
2時間ぶっ続けの演奏は、
勿論指揮者にとっても決して楽ではなく、
特にこの1ヶ月は、午後と夜の稽古日も多く、
適当な演奏はできない緊張した毎日でした。
質の高い内容を要求される作品でしたから、
歌手も、常に勉強の日々だったでしょうし、
稽古場内のどの位置にいる人も、
自分の最大を発揮し良き作品にしたい、
という共通した意識がありました。

私達演奏家は、常に創作された作品の
二次的表現者である事に変わりは無く、
その中で新しい表現や自分の自我を表現する。
つまり、作品の大きさや質を解った上で、
逆算しながら自分をぶつけていくのであり、
そこには多少の打算もあるのかもしれません。
全力で立ち向かいながらも、
計算をしながら自分を表現することも多いのです。
しかし、初演作品では向かい方が少し違います。
作曲家が創作したものでありながらも、
やはり舞台に載り、表現された時が最初の発表、
表現者の努力と技量で作品の価値は大きく変化し、
良い作品かどうかを判断するバロメーターは
大いに左右させられてしまうのです。

人生で、素晴らしい初演に携われる機会は、
そう何度も無いのかもしれません。
その作品に携わる多くの方々の努力で、
毎日宝石を磨き上げながら、
作品を世に出す準備が繰り返され、
曇りなき最高の輝きにしていくのです。
素晴らしい作品を磨き上げるには、
その作業が出来る環境に出会う事が必要ですが、
実はこの環境こそが最高の宝なのです。

出演者を信じ、指揮者である自分を信じながら、
音楽とドラマと対峙し続けることは、
楽しくもありながらとても苦しいものです。
しかし宝である稽古が毎日そこにあることは、
実に幸せなことなのです。
たとえそこが公民館であれ、古く狭い場所でも、
耳を使い、目を見合い、心を読みあうことは、
至福の時であるべきなのです。

公演が終わると、いつでもそうですが、
なんとも空虚な気分にもなるものですが、
今回はそんな事はありません。
それはこの<幸せのパゴダ>のドラマが、
稽古場に集まる劇団員の話であり、
明日に向けて常に立ち上がる舞台人のドラマ
であるからかもしれません。
しかしそれよりも、公演を通じて得た宝が、
これからもずっと輝き続ける永遠のもの、
決して妥協しない自分との対峙だったからかも
知れないと思っています。

大きな宝を皆からもらいました。
まず、すべての出演者、演奏者に感謝し、
はじめて出会ったスタッフにも大きな感謝、
そして敬愛する偉大な作曲家三木稔に感謝。
もう一人。
もう10年も前から、素晴らしいと感じ、
一緒に仕事がしたいと思い続けた、
演出家の岩田達宗さんとの稽古場の日々は、
毎日が宝の山であり、
決して忘れえぬ細胞活性の日々でした。
心より感謝し公演のけじめにしたいと思います。

見ること、聞くこと、感じること、
喜びも悲しみもありながら、生きること、
これらすべてが、毎日の常であり、
毎日が舞台であると感じた2ヶ月でした。

成功祈願2007/11/05 23:51

徳島から東京経由で帰京風も、
すぐにあずさに乗り込み、一路松本の町へ直行。

今日は松本<こうもり>オケ合わせ。
これは、歌手からみた練習用語で、
オケ、合唱には、“やっと来た来た歌合わせ”です。
今シーズン何度目の記憶できないほど、
来るのが当たり前のこの町も、今回が一端最後。
早めに着き、北原氏と打ち合わせしたあと、
練習が始まりました。

6月の定期を振らせて頂いたあと、
すぐに始まった<こうもり>オケの練習は、
17日からだと記憶しているので、
4ヶ月半練習していたことになるのです。
オペラ、オペレッタのオケ練は難しいもので、
肝心のメロディー、ソロが無い状態で、
何度も練習していると、次第にストレスが溜まる。
オペレッタになると、一見難しくなさそうな譜面、
しかし舞台芸術作品の音楽とドラマは、
常に寄り添いながら関係を保っています。
なんども練習しながら、ドラマを知ると、
音楽は輝きを増し、メロディーとオケの関係、
出演者の心理に対応した音の意味などを、
演奏で出せるようにもなるものです。
3日間で練習を終えてしまうプロのオケでは、
逆にドラマを理解した演奏は難しい部分もあり、
何度も公演を繰り返しながら、
本来の求められる音になったりするものです。

長い練習を経てきたオケと合唱の皆さん、
オケと歌手の合わせは、楽しみにしていたはず。
オケの大変さは音楽でよく現れます。
私と公演指揮者の北原氏との若干の違い、
また歌手も劇場で声を出せば、
稽古していたスタジオとは少し変わります。
オケメンバーは、違いに耳を働かせながら対応し、
自分たちとの感覚の差を埋めて行きます。
繰り返しも多い譜面ですので、
2回目、3回目になると、次第に差異をなくし、
本来の演奏を取り戻せますので、
これまでの練習の成果が良く出ていると言えます。
まつもと市民オペラ合唱の方も、
発声の手本である沢山の声楽家を目の当たりにし、
自分達の稽古した内容を全身でぶつけています。
軽快なポルカステップに、華麗なワルツ、
舞踊も欠かせないシュトラウスの音楽を、
全身で表現しながら出演なさるでしょう。

皆さん平日に集まるのは大変です。
仕事を朝からこなした上で夜の稽古に出かけ、
神経を研ぎ澄ませながら音楽する。
でもがんばってこなして欲しいし、
最後の積み上げも丁寧にやって欲しいです。
これから、舞台美術が入り、照明が決まり、
期待する大勢のお客様で劇場が埋まると、
長い期間かけて来た自分達の成果を感じます。
でもきっと落ち着いて素晴らしい演奏と、
総合芸術である舞台芸術の素晴らしさも体感し、
もう次の公演計画が待ち遠しくなるのでしょう。

今日で私はこのプロジェクトとお別れです。
公演を振らないで、観ないで終わるのは、
フルコースの肉を食べなかったディナーのようで、
なんとも不思議なものです。
昨日の徳島の公演より寂しさがあるなんて、
可笑しなものですが、
プロが失いがちな純粋さを持つ彼らの熱心さが、
そんな気持ちにさせるのでしょう。
公演成功祈願!そして感謝感謝。

鼓舞2007/11/06 23:27

「ひとつ終ればまたひとつ」と、
この稼業に終わりは無いなと、
当たり前の事を毎夜思うのですが、
大抵は、企画や準備の段階を踏まえますし、
譜面を読んだりすることも含めますと、
2重にも3重にもなりながら、同時進行です。
大変な責務がある公演が近づくと、
このバランスは少しずつ変わっていきながら、
最終段階になると、完全に没頭してしまうため、
結果的に、他の事を放っておくことになりますが、
これが後に実にマズイのです。
2日で仕事量は倍に膨れ、
3日経つと、追いつくのに5日かかり、
1週間の放置は、1ヶ月尾を引きます・・・

きっと脳には許容量と言うモノがあるのでしょう。
体力があっても、脳が指令を聞かず、
働きたくないと、私の体にストライキです。
先日公演の<幸せのパゴダ>などの場合、
2時間1幕の稽古を昼と夜続けて何度もやれば、
21時には、魂が一度燃え尽きていますので、
3時間ほど経たないと他の事に手がまわりません。

今週は4つの公演があり、どれも大切です。
手が回らなかったものもありますが、
大至急の巻き直しです。
歌手の皆様に少し迷惑がかかっておりますが、
何とか奮闘していただきたく存じます。

今日は、既に別の仕事で大慌て修正でした。
なんとかしないとい追いつきません。
寝る時間を惜しむ時間の使い方如何なのですね。
頑張りましょう!関係者の皆さん!
と言いながら、己を鼓舞。

銀ぱち君再び2007/11/07 16:25

さて、6月に3回の公演が大好評でした、
オペラthe銀座「銀ぱち物語」の舞台が、
東に300メートル移動して帰ってきます。

公演日時: 11月9日(金) 19:00~(18:30開場)
公演会場: 銀座十字屋ホール(十字屋ビル9F)
        全自由席でドリンク付き(ハチミツ味見も)
        5,000円

出演は、関真理子さん(Sop.)布施雅也さん(Ten.)、
宇野徹哉さん(Bs)、江上菜菜子さん(Pf)です。
私は、企てと司会進行です。

十字屋さんは、100年を越える歴史を誇る、
楽器、楽譜販売の歴史を語る上でも欠かせない、
老舗の中の老舗です。
2年前には、「銀座十字屋物語」と題し、
歌で綴る十字屋と銀座の歴史を舞台にしました。
様々な銀座の方々との縁で繋がる関係は、
銀座ミツバチプロジェクトの世話人Tさんの
御紹介から、私もとても良くして頂いています。

十字屋の中村マダムは、有名な方で、
元アナウンサーの中村江里子さんのお母さん、
いつも気品がある表銀座の顔でもあります。
私が急いで小汚いカッコで、打ち合わせに行くと、
赤面してしまう程おしゃれなドレスを着ておられます。
エレガントと言う言葉は、この方のためにあるのだと、
いつお会いしても変わらぬ印象です。
サリーちゃんのママの様な方ですね・・・。

12月にお店を中心に置かれる、十字屋通信から、
年間4回のコラムの執筆を頼まれています。
「銀座と音楽」というタイトルですが、
ど、、どうしよう。中旬締め切りです・・・。
できるのか、お前!と巳に問いますが、
マダムにニッコリ微笑まれますと、
「だ、大丈夫です!」と、目を輝かせてしまうのです。

お時間ある方、どうぞいらしてくださいね。
チケットは、銀座十字屋ホール 03-3561-5250

夢コンサート2007/11/08 10:57

昨年に引き続き今年度も引き受けている、
地元「音楽の街-狛江」の推進事業は、
名称が、構想策定委員会から推進委員会となり、
さらに年度内に推進事業実行委員会と変化している。
こりゃ、まるで出世魚の様だと思うのだが、
会議に脂が乗り、美味しさが増すわけでもなく、
価値が急騰するような旨い話でもないのである。

昨年から半数入れ替わった委員の人数は10人。
顔ぶれをよく見れば、頼もしい実力者に経験者、
働き盛りと腕利きに、若い育ち盛りまでいて、
なんとも◎なメンバーが集まったものだと感心。
しかし、如何せん年間5回の会議しかなくて、
どうやって、昨年の話の延長戦を行なったり、
「音楽の街-狛江」5つのアプローチ詳細を考証し、
次年度からのヴィジョンを企画していくの・・・。
頭を悩ませる、役所のプロジェクトの取り扱いに、
春先は、お先は真っ暗だと思っていたのに、
公演実行を中心事業にして活動の宣伝する、という、
2枚舌仕立てのプロパガンダ・イヤーとしては、
現在では、特上寿司の出来栄えの現在ではある。
委員長である私も多忙人ではあるが、
委員の皆さん、忙しい中非常に良くやってくれます。

委員会を、ライブチームと、大公演チームに別け、
ライブチームは、10月11月にライブを決行。
なかなか上出来の事業活動となり、
ライブ2度目では、宣伝効果も上がっているでしょう。

さらに11月25日には、駅前ライブもあり、
これら全ては、12月5日公演への布石になります。
その12月5日は、「夢コンサート」と称して、
クラシックを中心に、狛江在住音楽家の演奏会。
音楽を中心にトークを絡めての内容充実の2時間、
楽しい、上出来の公演にしなければなりません。
洋楽に、邦楽、また民謡歌手など、
クラシックらしき公演とは言いながら、
様々なジャンルがあるのがよいところですが、
これらの調整が大変すぎて、チラシ完成が遅れました。
徳島公演があったので、なんとかその前に算段をつけ、
デザイナーM女史に情報を放り込み、最終OKをして、
チラシは現在徐々に市内を中心に出回っております。
まだまだ宣伝していくぞ!

会議ですが、とうに5回を消化し、場外乱闘のような、
熱戦は延長戦に突入しながら、まだ話し合いします。
母体、予算、本拠地無き、「魂と本能」の委員会は、
目の色の変わっている委員が皆納得するまで、
何度でも開かれますし、
公演を成功させるために、前を向くしかないのです。
すでにノボリもつくり、今度はロゴマーク募集です。
もうすぐ市報の1面に公演のお知らせなど載りますが、
これらを境に、皆さんの目が公演に向かってくれると、
実にありがたいのです。だって、無料なのですから。
700名入る、Novaのように便利な駅前ホールです、
500名は入って欲しいのですよ。

これからドンドン内容を詰めていきましょうね。
昨年のフォーラム、、、沢山の演奏付きで、
内容、ゲスト、どこをとっても面白かったんです。
NHKにも取材に来て欲しかったくらいなのに、
しかし、しかし人は入らなかった・・・。
これは、私の大きなトラウマになりました。
どうしましょう入らなかったら・・・。

この経過は、また報告いたします。
応援してください!音楽の街!

老舗2007/11/09 23:28

銀座で創業133年。
老舗の楽器販売商である十字屋は、
銀座における音楽文化を発展させ続けています。
9階にある十字屋ホールでのコンサートも
本日、盛況のまま終ることができました。
6月初旬に3回の公演を催した、
オペラthe銀座「銀ぱち物語」は、3人の歌手で、
ミツバチの生態や銀座での養蜂活動を、
オペレッタスタイルで伝える音楽物語です。
この6月公演がとても好評で、
十字屋ホールでも!と、お誘いしていただきました。

霜月音楽会と称する1週間は、
十字屋ホールで日替わりの出演者によって催される、
クラシック音楽週間です。
このような催しを17回も続けている事も素晴らしく、
大切にされている週間の最終回に公演できることも、
これはとても名誉な事です。

6月時に“オペラthe銀座”と冠を着けたのは、
意外にも、銀座の街でのオペラ公演が少なく、
音楽ドラマをもっと増やしたい、という希望から、
こんな名前にしたのです。
オペラ座と銀座を二重に引っ掛けたのもありますし、
「銀ぱち物語」の上演の発端が、
パリオペラ座の屋上で行なわれている養蜂に由来する
という事でもあります。
いずれにせよ、コンサート形式でも、
再演される事は関係者にとってとても嬉しいことです。
出演してくださった、関さん、宇野さん、布施さん、
ピアニストの江上さん、
また、サプライズゲストとして出演してくださった、
NPO銀座ミツバチプロジェクトの副理事で、
養蜂活動のまさに世話人でもある田中さん、
みなさんにとても感謝しています。

さて公演は、満員になったお客さんで盛り上がり、
なかなか素晴らしいコンサートで終われました。
十字屋の中村マダムにも満足して頂いた様子で、
霜月音楽会の名を汚すことも無く、
企てから司会進行までしていた私はホッとしています。
カーテンコールとしての最後の歌を、
お客様が口ずさんでくれたのがとても嬉しかった!

年に4回発行されている「十字屋通信」への執筆を
頼まれています・・・
コラムの形で、「音楽と銀座」というテーマ。
明治大正から現在に至るまでの銀座での音楽の話。
何気なく受けたのですが、これは、、、大変。
しかも締め切りは数日後、、、です。
腰をあげて取り掛かかねばなりません!
いやはや大変だ、大変だ。

故郷2007/11/10 23:28

明治大学OBオーケストラの公演でした。
これは、千代田区の文化祭ともいうべき、
第28回千代田区文化芸術の秋
オーケストラフェスティバル、という催しです。
要するに、千代田区内で活動するオケが集まり、
次々に演奏をしていく公演です。
カザルスホールという響きの良いホールですから、
オケが4つも聴く事ができるという贅沢な日で、
無料公演となれがファンにとっては楽しい催しですね。

夏の終わりから練習していたOBオケです。
曲は、フィデリオ序曲と交響曲第5番「運命」で、
ベートーベン三昧といったところですが、
とにかく「運命」は、難しいものなのです。
多分、どんな現代曲が難しいといわれようが、
拍子や調整の無い理解不能なオペラがあろうが、
運命の難しさと比較したら、大した問題ではない。
ベートーベンの偉大さを譜面開く度に感じ、
演奏する度に悩みながら練習を続けました。
公演への集中力は、皆さん大したものですし、
大勢の現役諸子がはいってくれたお陰もあり、
エネルギッシュな演奏になったと思います。

全国あちらこちらのアマチュアオーケストラを
振りますが、団体によって運営は実に様々です。
これは、実力の問題だけではなくて、
組織のあり方から、音楽に対する考え方、
勿論、地域性や経済的な問題まで、全て含みますので、
アマチュアオーケストラと言いながらも、
画一化された運営方法があるわけではないのです。
ですから、指揮者として指導し指揮をするにも、
100の団体に行けば100のやり方があり、
そこにあったやり方を常に瞬時に判断しなければ
ならないわけです。
「指揮者は常にマーケティング」と常々思うのですが、
演奏者の様々な考え、意見、音楽表現を聞き入れ、
平均を割り出しながらも、突出したものも察知、
最善に導きながら進めて行かねばならないのです。
どこに行っても、またいつでもこれは最重要なのです。
オペラ等では、もっと多くの事を気にしているのですが、
オーケストラでは、器楽作品としてのクオリティを
最高に仕上げることに重点を置けますので、
オケ空間の中で思考し、熟慮していけばよいのです。
ただアマチュアオーケストラの場合には、
抱えている様々な問題もあり、
音楽だけに集中しているだけではいけないのです。
その団体の問題を取り除きながら進めていかないと、
その先にある音楽を引き寄せられないので、大変です。
「音楽を演奏させに行けば良い」なんて考えて、
その問題に対して共通の意識を持たぬ指揮者は、
わたしは、あまり関心いたしません・・・。
良い演奏と良い音楽の為に練習を重ね、
沢山の方に自分達の音楽を聴いてもらいたい。
それだけの単純な環境を得るために、
プロオケだって実に苦労をしているのですから、
環境づくりは大変重要なものですね。

OBオケはこれからも良い活動を続けて欲しいですね。
4年間しかない現役時代より、10倍も楽しめる、
さらに一生好きな音楽に邁進することが出来る。
こんな素晴らしいことを実現しようとしている、
OBオケの皆さん、頑張ってね。
久し振りに会えた方々も多く、楽しい練習期間でしたが、
このオケと過ごす特別な45分は、あっと言う間でした。
カザルスホールの神に、私の思いは届いたでしょうか、
また皆さんと一緒に出来る日を楽しみにいたします。

本番直前のチューニング中のみなさん。
この窓をのぞきながら、心静かにしていくのです。

稽古再開2007/11/12 23:09

地獄の公演続きから、やっと開放されたと思いきや、
世の中はそんなに甘くは無かったのです。

昨日は、ヘラヘラと寝倒そうかと思ったのに、
“市民まつり”だった事を思い出し、
遅くに(朝か)寝たのに、早くに起きて、
宣伝しなくてはいけない強迫観念に駆られながら、
急ぎ足でまつり会場の第一小学校へ向かう。
校庭は、昨日からの大雨でグチャグチャ。
粘土質の土にたくさんの雨が降り、
そこらじゅうの土が赤福の様な形状に盛り上がり、
靴にくっついて歩き難いわけで、例えれば、
巨大な陶芸教室に参加し、足でロクロを挽いている感じ。

「夢コンサート」の美しい仕上がりのチラシを、
満面の笑顔で配るも、皆それどころではない。
チラシを見てくれているのだと思いきや、
更に下方の足元に視線を落としているのです。
配る私も哀れ、手に取った方も可哀相で、
入り口で配布するのは断念なのでした。
場所を変えて、音楽を演奏しているステージ前で配ると、
ニコニコと手にとってくれる人多し。
おう、それでよい、それで正解。
12月5日、皆さん大勢で来てくれたし!

市民まつりを仕切っていた市民協働課の皆さん、
非常事態宣言出された災害時の様に、
みなさん眉間にしわ寄せて走り回っています。
作業着に、長靴、首にはタオルの素敵スタイル。
仕事がひと段落した休憩時には、
ハイライトとワンカップの日本酒を熱燗にして差し入れ、
なんて、マジで思うほど体力勝負ですな。
休日返上での大仕事を目の当たりにしました。
大変ですよね、みなが喜ぶ事をするのは。
よく解ります、大変よく解る!ご苦労様です。

本日は、打ち合わせ8時間・・・。
忙しさで随分と逃げ回っていた仕事の大波に、
ドップリと捉まってしまい大変な事に・・・。
明日にもブログで公演告知しますが、
12月の公演の稽古は始まっており、
しかし音楽の詳細をなかなか決定できずに、
皆さんを困らせていました。
御免なさい!取り掛かる時間が皆無でした!
取り戻しますので、少々お持ちを・・
本日より、再び新たな稽古の毎日でございます。
頑張ろう頑張ろう。
カウンター