Jazz先駆者2013/01/10 23:51

先月来読んでいた
日本で最初のジャズ歌手二村定一の本も終わり、
昭和初期のヒット曲、日本のジャズ黎明期の
彼の歌声を聞いています。
本を読んでいる時から、
あらためて早く聴きたいと思っていましたが、
我慢を重ね活字を追い、時代の夢と幻想に、
こちらも思いを馳せていました。
というのも、聴いてしまい本と平行したら、
職業的な耳と頭で考えてしまい
楽しくないのは解っていたので、
我慢していたのが爆発してやたらと聴いています。

仕事の関係でも時代物の舞台は
相当やりましたから、
クラシック指揮者の中でも
多分誰よりも詳しのではないかな。
明治~大正期における
日本の大衆音楽創生エネルギーは凄まじいが、
昭和一桁つまり1930年代に、
アメリカから飛び火した日本のジャズブームは
これまた飛びぬけて面白いのです。

二村定一ばかりか、
ディックミネ、笠置シヅ子、川畑文子、
岸井明、宮川はるみ、天野喜久代、
ベティ稲田、森山久、中野忠晴、
なんていう往年の歌手達の活躍ぶりが
この時代になると録音で残っているのが
なおあり難い事です。

SPレコード
(つまりLPより前の78回転のレコード)時代は、
その後年の電蓄(電気式吹き込み)時代も通して
すべて一発で録音をしてしまいます。
マイクだっておよそ1本で、
音のバランスから演奏技術も含めて、
リハーサルしたら本番はコンサートと同じ。
それだけに演奏に込めた熱が
今でもダイレクトに伝わってくるものです。
多少のミスなど関係なく、
演奏から先人に学ぶところは多いものです。

CDの現代になったからこそ、
80年前の臨場感を簡単に味わう事ができる。
ましてや全ての事が便利になった現代、
時代は技術や人間の思考までも
進めたと思っているのに、
この演奏を聴いてしまうと、
決して敵いそうも無い彼らの“生きた熱い思い”を
感じて恐れ入ってしまいます。

これらのレコードは
単なる音楽の収録ではなく、
音楽人の魂を収録した素晴らしい産物として、
何時でも私の心のお手本です。

*FB掲載の文章から改訂

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://hanatsubaki.asablo.jp/blog/2013/01/10/6687733/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。

カウンター