毎日が舞台

申し訳なさそうに、ポツリポツリと、
生憎の雨模様ですが、
心は晴れ晴れ、今日は卒業式。

リボンを付けた純白のブラウスを、
まだまだ着られるようにと、
肩幅少し広い濃紺のブレーザーで羽織り、
制服の様に似合っているチェックのスカート。
肩まで届いた髪は丁寧に後ろで結び、
前髪をお気に入りのピンでピシャリと決めた。

卒業証書授与では、
舞台の上がったら一人一人夢を発表します。
パン屋さんになりたい、
看護士として病気の人を助けたい、
大工になって、お父さんの跡継ぎ、
それぞれの夢見る職業を語ります。
北欧のような社会福祉税を認めさせる、
政治家になるのが夢、
という素晴らしい彼の眼はまっすぐであり、
イチローのような大リーガーになるため、
さらなる練習の誓いをする、肌が焼けた少年。
オリンピック金メダルのおじいちゃんを夢見て、
立派な体操選手を目指す彼は、
姿勢が良く、校長先生へのお辞儀も素敵だ。
まだ夢は無いけれど、
中学高校を通して大きな夢を見つけて行きたい、
と語った彼女の真摯な発言。
遠くの大きな夢、目の前の大切な目標、
不安から楽しみまで、12歳の素直な今日。

割台詞と群読を駆使した言葉の「門出」は、
5年生も伴いながら、ミュージカルのような演目。
卒業式は、全てが感動的な2時間のドラマでした。
最後の退場では、しゃくりあげるほど泣く子、
安堵の表情、照れ笑い、厳しい表情に満面の笑み。
ウソでは創る事の出来ないキャラクターは、
この日の準備に6年もかけました。
もっと磨いて更に輝いて欲しいと思う限りです。
こんな子供たちが、素直に育つなら、
日本はなんて幸せな国になることだろうと、
93人の言葉と表情を見ながら安心するも、
大人の責任は尚重いと、我が身は引き締まります。

引越しに伴い、4年生の時に隣の小学校から転入。
そこからは、誰よりも大変な日々もありました。
汗だくで走って帰ってきた1年生の初登校から、
6年間の生活は、短いようですが波乱万丈。
でも、今日が来てよかった。
娘を取り巻く全ての方々に、心より感謝申し上げます。

笑顔でこちらを見る娘のピースサインと笑顔。
ファインダーを覗く私は涙顔・・・。
おめでとう、本当におめでとう。