ドリーム・ブラス2008/04/08 23:48

All Aboutに記事をひとつ載せました。

シエナ・ウィンドオーケストラは、
人気が高いプロ吹奏楽団ですが、
ここの精鋭で組んだ金管アンサンブル、
シエナ・ドリーム・ブラスです。
8人のメンバーに、打楽器の池上氏を招き、
金管打楽器による構成の公演です。

この公演は、朝日新聞関連事業で、
「100万人のクラシック」シリーズです。
わかり易いクラシック公演を、安く提供、
演奏時間も短くして飽きさせないシリーズ。
演奏会場が多いのも特徴で、
今回も10日の横浜を皮切りに、
関東で11ヶ所での公演が組まれています。

敷居の低いクラシック、
楽しめるクラシックは、私も目指すところですが、
こういう企画は、人気が出て欲しいものです。
シエナ・ウィンドオーケストラも、
佐渡さんを招いたりして、活発な活動で、
一時期よりもとても人気が高くなっています。
日本の音楽界の底辺を支える、
学校音楽教育でのブラスバンド活動や、
市民吹奏楽団などの方々の活気ある活動は、
私達プロ演奏家の支えでもありますが、
ブラスの華やかな響きは、
理屈ぬきで、いつ聴いても清々しいもの。

お近くの方、是非出かけてみてくださいね。
http://allabout.co.jp/entertainment/classicmusic/

振りぶり2008/04/09 23:56

今日のニュース。
亡くなったパバロッティが、
生前のトリノ五輪閉会式で歌った、
トゥーランドットのアリア「誰も寝てはならぬ」は、
本番以前に録音されたもので、
生演奏ではなかった、というもの。
体調を崩していたので、閉会式を考慮し、
やむなくそうなったということ。

私、急いでYou Tube 見ました。
急いで見ないと、この手のネットニュースは、
興味ある人が殺到して閲覧不能になるので、
なんとか検証しようと、あらためて見たのです。
歌も、オケも生演奏ではなく、“あてぶり”で、
指揮者は、録音に合わせて振っているらしい。
このニュースの元は、この指揮者で、
彼がこのネタを提供してしまったのですが、
パバロッティにしてみれば、不名誉なことです。

当時、フィギュアの荒川選手の優勝で舞い上がって、
同曲による閉会式は、「なんとジャストタイミング!」と、
日本中が湧き上がっていたものです。
次の日なんて、仕事先で、オペラ歌手は、
「あのパバロッティの口と喉は、手本だよね~」と、
賞賛したりして、
誰もがまだ醒めぬ夢に酔っていたものです。

私、非情に冷静に視聴し、確認いたしました。
まぁ、オケはあてぶりといえども、
一応弓を弦に中てて弾いているし、
パバロッティに関しては、あてぶりは全く解らない。
しかも、あんなどでかい会場で、
音響状態も良くなかったら、音が遅れても、
なんとも思わないのが普通です。
感心しながら、2分50秒を見通しましたが、
最後の伸ばしの音の切りの部分、カメラ割りで、
指揮者が斜め正面から写されていたのですが、
この音の切りだけは良くなかった!
明らかに、演奏者はわざとらしく切り、
もっとタイミングの悪いことには、
指揮者が、音が切れてから、振り切っていますね。
「あらあらあら・・・」と思って、ふと考える。

そうだ、指揮者ってかわいそう。
歌手の口だって、楽器だって、ごまかせるけど、
誰よりも動きが大きく、ましてや曲の最後に、
音に合わせて切るなんて、普通ありえず、
音より先に指揮者が振り終わっているのが普通。
「そうか・・、彼は自分の名誉のために・・・」
失礼ながら名前は存じ上げないのですが、
演奏のVTRを見た指揮者の彼は、
振り遅れて終っている自分の姿に失望し、
あてぶりだったことをいつか公言しておこうと、
パバロッティ亡き今、口を開いたのでしょう。
放っておけばよいことを、
名誉のために、言わずにはいられなかったのかな。

しかし、録音であることを隠しながら、
お客さんに演奏を流したとなると、
もっとも緊張したのは、閉会式の音響技術者。
これは演奏者とか指揮者の比ではないだろうな。
それを考えると、面白いのだが、
これで彼らは報われたのか、どうなのか。

汗と藤と崖っぷち2008/04/23 23:56

あまりにブログを書かず心配されるので、
ここらで書いておきましょう。

なんて言う義務感はないのですが、
身の回りが始終忙しく、
ブログに専念(?)する時間が取れずに、
毎日が過ぎていきます。
音楽の仕事は、相変わらず多岐に渡り、
演奏ばかりか、編曲、歌詞の再考やら、
演奏会の構成や、そもそものプロデュースも多い。
4月は年度初めなので、昨年度の流れを受け、
年度の一貫した予定をたたき上げたり、
修正をしたりと、様々なことがあります。

4月は、季節の変り目ですので、
心機一転、さらにエネルギッシュに!と、
心にネジを巻き直す毎年なのですが、
今年は、バタバタと3月も終わり年度が開け、
いつのまにか時間も経つ、という体たらく。
しかしまぁ、今年は仕方ないと思いながら、
でもネジ巻かないと、いろいろな事が押し寄せます。
順に演奏会の告知や報告をしますが、
座って作業している日が多く、
オフィスワークも含め、気が滅入るものです。

雨が多い4月ですが、日が差した合い間を狙い、
久し振りに川から、近所の山にかけて自転車で疾走。
山?、そう山があるのです。
私の家の周りは、古代は多摩川の清流、、、
いや豪流の中でしたから総じて低いのですが、
隣のセレブな町は、高台の大きな山なのです。
この崖全てが、大きな多摩川と陸の境目というわけ。

雨上がりの4月は、花が綺麗。
家の近く、早々と咲き誇る藤の紫が、
新緑に映えて美しいコントラスト。
その目の前には、劇団があるのですが、
劇場を兼ねていて、もうすぐ新演目の初日です。
通し稽古が始まっているのでしょう。
大きな声に、演出家の怒声。
外まで聞こえる劇場の心拍のような熱気は、
私の萎えた心も奮い立たせます。
外に出ると発見は多いものです。

ありゃりゃりゃ2008/04/24 23:35

商売柄、古い音楽ばかり聴いているかと思いきや、
実は、私は気に入ったモノは、
最新のものを良く聴くのです。
記事を書いたり、予告書いたりするので、
それこそ公開前のロードショーを観たり、
発売前の曲や、アルバムを聴いたりする機会も多く、
こんな機会に、感じの良いものにである事は、
大変嬉しいものです。
勿論、クラシックのアルバムでも、そうなのです。

連休最中の5月3日になりますが、
「ファーム・エイド銀座2008」
という催しが開かれます。
これは、私もメンバーに入れていただいている、
銀座ミツバチプロジェクトの方々が中心にで、
意義ある活動をしている様々な方々、団体を巻き込み、
自然環境を考える催しなのです。
http://www.enjoyeco.com/index.html
松屋通り、銀座の真ん中、3丁目で行なわれる、
1日のイベント、是非興味をお持ちください。

この催し自体皆さんに来ていただきたいのですが、
様々なイベントの最後に、コンサートがあります。
このコンサートのプロデュースをしていますが、
これは楽しい90分になりそう。

昨年07年の5月に、銀座王子ホールをお借りして、
行なった「オペラthe銀座 ~銀ぱち物語~」。
観ていただいた方も多いと思います。
ミツバチプロジェクトの奇跡や、
奇跡的なミツバチの生態を音楽ドラマにした舞台、
好評の内に幕を閉じましたが、
その後も、オケ編曲Ver.、コンサート公演とあり、
今回は、なんと女性2人組ユニットによる、
新アレンジの別Ver.「銀ぱち物語」の誕生です!

今日は、今回歌う4曲がほぼ出来上がったので、
聴かせて頂きました。
作曲の、S女史(って伏せる必要はないが)と共に、
聴かせて頂きました!
「いや、イイゼ!」と、ナイスな感想、印象。
音楽屋の悪いクセなのですが、
忌憚無くさらなる要望も言わせて頂きました。
でも、よい!
長くなるので、また明日!

リハ後のArearea(アレアレア)のお2人。
So Cuteです。

5月3日ライブ2008/04/25 09:43

前日の続きです。

Arearea(アレアレア)のお2人は、
銀座の方々の関係で紹介されたのですが、
最初に聴いた時から、ピ~ンと、来ました。
クラシックの歌手が歌うために創られた曲を、
軽音楽系の歌手が歌うのは実に難しく、
手の込んだ細部に至るまでの工夫が仇となり、
歌手の良いところが出ないまま終了・・・、
「やらなきゃ良かった・・・」という事も多い。
ですから、サンプルでもなんでも、
音、歌を聴いてからでないと、可能か決められない。
昨年上演した「銀ぱち物語」は、
言葉も音も、舞台も含めて、創作した人の、
思いが詰った作品でしたので、
安易な請負や、作品使用の許可も出せないのです。

オリジナル創作し、ピアノアレンジを加えた演奏。
VoのRinoさんは、いわばAreareaの顔ですから、
センターで「ど~ン」と、歌う。
それを支えるのが、Areareaの鼓動Yukiさんで、
想像力に富んだピアノの上手さで、声も良い。
ピアノの演奏に、Rinoのソロと、さらにYukiのコーラス。
これがAreareaなのです。
Areareaとはこれ如何に?とおもいますよね。
ゴーギャンの絵にありますね。
ポリネシアの言葉で「楽しさ」の意です。

本人達に、「ポップスではないね」と言うと、
「ポップスのつもりですけど」と、西の訛りで返される。
「いや、それではもったいない」と東男が申せば、
「では、なんでしょ?」と訊かれた。
なんでしょ、この2人の音楽は?

ジャンル別けがデータベースの為の堕落であるなら、
ポップスなんて枠に閉じ込めてしまうのはもったいない。
そう、“余り有るポップス”なのです。
「アマリアルポップス」と言うべきなら、
a ma real pop(伊英造語:でもまさにポップス)。
逆な言い方なら、a la poplalo (伊仏造語:ポップ風な)、
簡素にいえば、ポップス風なで、「a la pop」だね。
でも、ライブの自己紹介の時に、
「われわれは、a la popのAreareaです」は、
舌をかんでしまい運ばれるお客様が続出だな・・・。
Arearaと音楽の印象で「ありゃ?」(日本語:これは何?)
の意味ならば、「Arya pops」・・・。
と来るならば、オペラのアリアになぞらえて、Aria pop。
「アリアポップのアレアレアです」・・・
く~!!かんだ舌が更にシミるのである。
でも、アリアには、空気、空間のAirの意味合いだから、
ありゃ、とAriaで、「Ariya pop」がジャンル・・・か?

Areareaの詳細は、下記HP。
http://www.arearea.net/
さらにこの中で、彼女達が採ミツに行った映像に合わせ、
新曲を試聴できます。
http://www.arearea.net/photo/20080412.html

5月3日は、Areareaの2人だけでなく、
私の地元方面より素晴らしいゲスト招きました。
Areareaの、聴くだけでフラボノ効果に加えて、
音楽大地に草木のささやきのような声の、李英香さん。
彼女は地元のライブで知り合いましたが、
ジャンベを抱えて叩きながら歌う姿は、
土を踏みしめる裸足の子供用にまっすぐで、
地平線まで届きそうなストレートな歌唱表現です。
当日は、李さんに先に歌っていただいて、
その後Areareaの2人で、「銀ぱち物語」の4曲も含み、
約90分のライブステージです。

地球環境に対する人間のモラルが問われる中、
「ファーム・エイド銀座」の催事の意味は重要で、
優越の無い、地球⇔人間の出会いの場です。
「銀座で地球と遊びませんか?」
http://www.enjoyeco.com/

アコースティックライブ
HPを観ていただけば、FAXでも申し込めます。
当日現地で、チケット販売しますが、200名限定、1500円。
「地球に耳澄ましませんか?」

あららん2008/04/27 13:01

2年前から始まっている「音楽の街-狛江」活動。
市民協働から始まった構想策定委員会も、
昨年度は、構想推進に成長し、
様々な事業を発案しながら、実績を重ねました。
元々話し合いの会から始まりましたが、
構想を実現させるためには、実行が大切と、
昨年は、事業を興しながら、
活動の宣伝に特化し、10人の委員、行政で奮闘。
どうにか、アマチュア出演の方々も巻き込んでの、
野外ライブ、駅前ライブも敢行し、
12月には少し大きな公演で幕を閉じ、
実質的には、3ヶ月間で多くの公演を催しました。

年度で動く日本の社会は整理整頓されているのですが、
季節や人の流れで動く、サービス業のような、
音楽、文化芸術業界には、困った一面もあります。
特に助成を受けたり、行政との協働では、
4月始まりが仇となってしまうこともあるのです。
特に行政との関係が強いと、
公的な税を使う場合、議会での承認が必要不可欠。
この時期とのすり合わせが必要で、年間を通じ、
欲をいえば、年度を跨いだ活動が困難なのです。
「音楽の街-狛江」の委員の感想や実感でも、
年度末まで動けない実態や、年度毎の委員会結成、
また次年度の企画などの決定、見通しを、
早期に立てなければならないところが辛いところです。

そして3年目の今年。
昨年までは、この年度事業に振り回されながら、
後手に回ることも多く、民主的に進めるが為に、
多くの合理性を自ら拒んだ委員会運営もありました。
しかし、多くの大志を抱きながら始動している委員会は、
より実り深き構想実現のステップ組織になるために、
さらに多くの実験と行動をしなければならず、
今年は、無駄なく、活動の偏りも少なくしながら、
バランスよく、高速で進めて行かれれば、と思います。
委員会始動が、6月になってしまうので、
オフシーズンのようになる2月~5月。
これではいけませんので、既に仕込を始めています。
ま、土を耕して堆肥をたっぷり注いでおけば、
よい季節に、しっかり苗を植えられるはずです。
植えたら、皆で育んで、収穫を超えても市場に出るまで、
そして反応と、美味しい顔を見るまでが仕事です。
委員の方、面食らうかな。
後戻りしませんので、どんどん行かないといけません。
でも空回りしないよう、じっくり越し卸して、
農具の手入れして、農機に油注して、
あとは、思考を回転させて、準備準備。

早いもので、もうすぐゴールデンウィーク。
遊び過ぎ日本人と思うのは、私だけか・・。

前に建っていた家の庭にあった蘭。
大きな鉢に、そのまま育っていますが、
ときより水をやるだけで、花が咲きます。
気付いているのでしょうか、
こんなに美しく咲いている姿に・・・。
なんの手入れもしない1年を、
花が咲いてから、申し訳なく思うのですが、
だから、花は気付いているのでしょう。
少し怒っているようにも見えるのです。

イナセ2008/04/28 23:27

家の近くの素晴らしいホール。
このホール、あまり知られて居ないのですが、
170席に満たない贅沢な空間ですが、
この規模のホールででは、半径20km圏内、
ここが最高だと思います。
いつも力説していますが、あまり知られていない。
「音楽の街」づくりには、様々な方の協力が必要ですが、
この空間を使っての新たな試みが出来ないかと、
頭の中で、何年も前から試行錯誤してきたのですが、
すこし考えがまとまりました。

日本人で有る姿かたち、立ち居振る舞いの生活の中で、
当たり前に融合している西洋スタイル。
西洋音楽の楽しみや、食事、原語もそうです。
でも、日本の気候、風土や習慣から来る、
心地よい時間の過ごし方、ってありますね。
ワーグナーを、畳に寝転んで聴くのは楽しいし、
和風スパゲティは箸で口に運びます。
何の違和感もないのです。
ですから、西洋音楽なんて枠を決めないで、
ピアノや弦楽器、原語による歌曲などを、
何気なく日本人の咀嚼(ソシャク)で楽しめるのです。
では、少しこの辺りを意識して、
「西洋スタイルは、日本のモノだ」と高飛車に考える。
「和の中の西洋」ともいうのでしょうか。

日本人は、暦を元にして五感を食に取り入れたり、
季節を感じながら、生活を合わせていくのが得意。
気候など時節における既知の知恵も習慣にして、
心と体の健康を保つのは、さらに上手いはず。
ならば、西洋スタイルがもっとこの知恵に近づき、
「旬の中にある西洋」とするなら、さらに楽しい。
西洋音楽の楽しみも日本の旬に合わせて、
時節ならではの楽しみは、耳も目も歓びますね。
時雨のショパン、夏至のメンデルスゾーン、
長月なら、中秋のドビッシーと名月。
さらに神無月には、バッハのシャコンヌ・・・。

こんな事を妄想し、美しいホールの内装を、
2階のこの角から眺めながて聴くのが好きです。
素敵な若きヴァイオリニストでした。
長く催されているピアニストWさん、
素晴らしい活動に、頭がさがります。

解るでしょうか?
「クラシック、時節のハーモニー」なんて催し・・・。
わかって欲しいな。
世知辛い今だから、感じて欲しい季節と旬。
「俺、先走って!昨日アマデウス聴いちゃったぜ!」。
「おいおいフレデリック!雨は音楽だけにしてくれよ」
捨て台詞残して小雨を見上げると、
ひょいと頬かむりで掛け出して行くイナセな兄さん・・・。

こんな情景が街に溢れて欲しいものです。
カウンター