試行錯誤2007/10/31 23:12

毎日の通し稽古では試行錯誤の連続です。
私は演奏中真ん中に居ない訳で、
歌手もそれはわかっていながら、演ずる。

テンポ指定は繊細であり、
その数字はドラマと非常に密接な関係を持ちながら、
勿論音楽の質をも左右します。
テンポは、人間の鼓動と連動しますので、
心落ち着いているときには、速い音楽はより速く、
また急いているときには、速い音楽には、
更に速くしたく感じるほどなのですね。
その時々のドラマの中心が何処にあって、
ゼネラルテンポ(いわばドラマの鼓動)に対して、
自分がどの位置にいるのかと言う事は、
音楽のきっかけを与える上では、非常に重要。
難しいものです、ドラマとテンポの関係。
お客さんの鼓動を知り、音楽を制御したり、
ドラマの芯を感じながら、更にじっくりと作ったり、
はたまたあっけないほどの淡白なテンポが、
逆に喜怒哀楽を浮きたててくれたりも、
するものなのです。

東京での稽古が終わり、明日から徳島入りです。
稽古は1回、ゲネプロは公開で1回。
そして公演も1回のみです。

この<幸せのパゴダ>は、
土砂災害に見舞われた町で、稽古場を失った劇団と、
稽古場の寺に宿るパゴダと呼ばれる兵士の霊との、
出会い、そして交流の物語。
劇団の子ヒバリによって3日間の生命を得たパゴダは、
バラバラになりそうな劇団を救おうと、
奮闘しながら、幸せな3日間を過ごします。

私達もあと3日で公演がやってまいります。
最後の3日間を有意義に、そして素晴らしい公演で、
国民文化祭のフィナーレを飾らなくてはなりません。
様々な仕事で頭が疲労困憊ですが、
四国の空と海を見ながら、リフレッシュして、
公演に没頭したいと思います。

指揮するだけでなく、パーカッションの端っこも担当です。
これが、意外にも大変で・・・。
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