学生時の録音2017/03/13 22:47

その昔は録音する事自体が
一大イベントでしたし、
録音したものも大変大切なものでした。

今では簡単に録音をしてしまえるし、
録音器どころか、
携帯電話についているオプションのような
無料アプリで録音しても、
イベントの頃からは考えられない音色で
手軽に記録を残せますね。

私が大学生の時もまだそうでした。
聴くだけのウォークマンから、
ようやく良い音を録音する事が可能な
ポータブルが出てきました。

カセットテープの話ですよ・・・

そして一方では、
高音質で録音可能な高級機もあり、
オーディオファンは、
カセットデッキのマシン性能と、
選択するテープのランクで、
音質の違いに一喜一憂したものです。

でもあれですね・・・

その頃は再生の綺麗な音というより、
音楽が貴重で残したいという思いから、
聴くという事に集中した時代でもありますね。

そんな学生時代の録音の話です。

芸大時のトロンボーンアンサンブルの
演奏会の録音ですが、
練習を積んで学外で演奏会を催した時の
貴重でありまた反省もたくさん聞かれる
代物でもあるわけです。

この時は私は2年生でしたが、
今は亡き芸大の先生に新曲を依頼して、
演奏会で初演するという素晴らしい機会を得て
今では信じがたい事を進めていたのです。

そして今回、その録音をまとめて、
先生の作品集としてデジタル化を
考えている方がいらっしゃいます。

邦人作曲はたくさんおりますが、
初演されても再演の機会がなく、
埋もれてしまう作品もたくさんあり、
また亡くなってしまうと、
その作品の依頼経緯や譜面自体も紛失という
憂き目を見る事さえもあるのです。

そのような状態から掘り起こして、
録り直したりもう一度マスタリングしたりと
手間をかけながら貴重な作品を音で残しているのです。

私は今回のことで最近知り合いましたが、
当時の芸大の録音をすぐに送ってくれたのです。

32年も前の事でありながら、
作品と演奏に価値を感じてくれる方がいるのが
とても嬉しい事です。
演奏家では面倒でできない事を
許諾をとりながらやる事はたいへん。

ありがたい事ですし、
そのプロジェクトが進むように、
私も協力を惜しまない約束をしました。

で、聴いたのです・・・

演奏力が若くて若くて、
今の若者たちの実力に比べると、
確かに赤面の演奏でもあります。
しかしながら、
当時の自分の事も音で思い出し、
憧れたり参考にしたりした諸先輩の音、
また芸大ならではのコミュニティも
その15分には十分詰まっていました。

この録音が世にでるのはまだ先でしょうが、
きっと懐かしく楽しまれる方も多いとおもいます。

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