ディアギレフの夕べ ― 2013/02/19 23:23
毎回振らせて頂いているバレエ団、
NBAバレエ団の公演が週末です。
今日もリハーサルに参りましたが、
最後の追い込みしながら、
細部への拘りとドラマへの執着、
余念が無いようです。
1910年代~20年代に当時の最高の
芸術家の協力で成し遂げたロシアバレエ。
(バレエ・リュスとも言いますな)
ディアギレフという敏腕プロデューサーの
活動がそのまま20世紀のバレエを
再興していくのですが、
相当数の作品がありました。
ストランビンスキーなどが委嘱されて
創作した一群のバレエ作品などは
とても有名なのですが、
現代では上演されなくなった演目も
実に沢山あるわけです。
日本でも様々なバレエ団体が、
ロシアバレエに関する公演を実施していますが、
NBAバレエ団もこれまで何度も取り上げ、
その度に新作を上演してきました。
今回も以前の作品を熟考した再演もありますが、
なによりも<クレオパトラ>の上演が、
注目を集めています。
音楽家としては優先する興味は、
毎回の公演で取り上げられる音楽ですが、
<クレオパトラ>はAnton Arenskyの作曲。
正確には原題は<エジプトの夜>という
バレエ作品として書いた物ですが、
Arenskyの死後、ロシアバレエ団として、
取り上げた際に、他の作曲家の挿入曲も入れ、
<クレオパトラ>というタイトルで上演されました。
とは言っても95%はArenskyの作曲ですから、
彼の作品といって差し支えないでしょう。
Anton Arenskyは、作曲家として著名ですが、
当時はバレエに強い音楽家として、
指揮をしたり編曲をしたりと重宝がられた様子。
自作品としては実は結構な数があり、
弦楽四重奏2曲にヴァイオリン協奏曲と、
弦楽器奏者では知られている人。
また交響曲も2曲書かれていて、
そこそこ有名であり埋没された方ではない。
でも、人の良さや手先の器用さが災いし、
当時の楽壇事情と言うか人間関係、
権力関係でもあまり恵まれたとは思えず、
結果的に「お人良し」のレッテルという印象。
しかしながら作品の内容、音楽性とは
全く別の話であり、音楽からは、
メロディーメーカーらしい聞きやすい音楽、
またバレエに長けていた人らしいリズム。
原題の評価はもっと高くても良いはずと、
発見すること、再認識も多いものです。
まだまだ読み込みたい事知りたいことはあり、
今週はバレエ漬けが楽しみな毎日です。
ロシアバレエのことなど少し書いてある、
チラシの裏面もご紹介。
公演詳細などは下記に問い合わせるか、
バレエ団公式HPをご覧ください。
NBAバレエ団 04-2924-7000
NBAバレエ団公式HP:
http://www.nbaballet.org/
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