合理の是非2013/01/23 21:55

2月に公演があるバレエ団のリハへ。

毎回のことですが、

踊る方と奏でる方は全然職種が違うので、

音楽という共通言語、、いや、

音の共有認識ですり合わせを

していくのが楽しく、また困難。

 

しかしその前にもっと困難が、

譜面を整理していくことです。

今回は、過去公演の再演作品もありますが、

まったくの本邦初演かと思われる

作品があるので、目を吊り上げます。

しかし舞台は妖艶なクレオパトラの話。


  公演ではオーケストラが演奏しますから、

最終的には40数人分のパート譜にして、

譜面台に置かないと音が出ません。

しかしあるのがピアノ譜のみだったり、

参考音はあるけど譜面が何も無かったり、

海外バレエ団の数十年前の公演記録だけで、

しかも音がノイズの方が大きい劣悪状態だったり、

そもそも断片的にしか音が存在しなかったり。

・・・冗談でなくてホントに今まで、

なんどもこういう状況を打破してきた。

 

稽古ピアニストである知識人の

ロシア人Y氏の研究や思い込みも手伝い、

次第にピアノ譜が出来上がるが、

途中はこんなメモ書きばかりになる。

挿入曲になると彼も耳で聴いてコピーだから、

まぁ仕方ないですね。



演出の意向でようやく様々決まって来ると、

平行作業の音楽も確定してまいります。

そうなるとようやく私も次の作業なので、

稽古を全て録音となりますが、

こういう時にiPod君は大活躍ですね。

少しばかり良い音を狙いマイクも付け、

アプリを起動して開始です。

録音機材なんて要らない時代です。

録音、録画、聴くのも、見るのも、

そしてそこから送るのも受けるのも、

同じ機械ってどういう時代だろう・・・。



これが良い音で取れるのですよね。

でも、容量が大きくてメールなどでは

とても送れやしない。

しかしながら便利なことには、

こんな150円のアプリから撮った音でも、

PCに繋いで純正ホームステーションを

開いていけばそのまま保存できて、

2分後にはアレンジャーに音を送っている。



譜面はpdf化して指示メモを添えて、

やはりメールにて送ってしまえる。

 

こういう文明の進歩を身に感じながら

新技術を使用している常に思うこともある。

『これは合理か退化なのか』


  便利且つ無駄が無いということは、

貴重な時間も短縮しているし経済的だが、

様々な思考までも省いているのではないかと、

心配になるのである。

  だが替え難い優秀さには勝てないのである。


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