のはら本番2011/01/15 23:24

<のはらうた><ベロ出しチョンマ>
二本立ての「のはらのファンタジー」、
無事に終了いたしました。
年末年始をほぼ稽古で費やし、
集中した3週間の稽古を経て、
とても良い舞台になったと思います。
オペラのような繋ぎ方を施しながら、
しかしこれは歌曲集であり、
共通のドラマは“地球”である。

よき舞台を創造する事が、
大事な私の仕事でしたが、
工藤直子さんの「のはらうた」を
4巻まで久しぶりに何度も読み、
楽しい時間を何度も得ました。
詩集でありながら、
この本に登場する虫や動物、いや、
動物に限らず、空気や水という
現象、森羅万象全てに、
魂があり、性格があります。
読み進めるうちに、
それぞれの性格を持った個性が、
とても愛おしくなり、同時に、
地球に影響力を持つ人間は、
彼らの生活と人生を脅かしている、
罪深い生物のような気がして、
次第に儚くもなります。

どこまで言っても人間臭い、
<ベロ出しチョンマ>のお話、
人間なんて出てこない、
人間には聞こえない、見えない、
<のはらうた>のドラマ。
このコントラストは、面白く、
もう25年以上前の作品なれど、
現代こそ必要な演目と、
再度確認しました。

歌唱力は説得力。
人間の声と発する言葉は、
大きな力があり、
そして時に重要な武器。
こんな事を考えた3週間でした。

出演の4名、演奏の2名、
ダンサー2名のすべての演者、
また裏から支えてくださった
スタッフと、
主催のMMホール関係の方々。
心から感謝しています。
ありがとうございました。

写真は
シンボルキャラクターのうさぎ。

みみのさきの
すべすべの
やわらかいところが
いちばんさきに
はるになります

それから しばらくして
のはらじゅうが
はるになります

(のはらうたⅡより)
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