初々しさ2008/05/06 16:58

毎年恒例のM大オケの合宿。
春の合宿は、新人さんのお披露目で、
登竜門でもあり、これで晴れて一員でもある。
数十人の自己紹介のたびに、
「平成元年!」と連呼するので、ドキっとするが、
世の中は確実に若返っている、
いや私が昔に向って進んでいるというのかな。
とにかく世の中のオトナの入り口は、
平成生まれまで来ているのだから、
戦後とか、東京オリンピックなんて基準で、
時代を別けていた世代の申し子達は、
確実に「昭和」という、セピア色のアナログ時代に、
追いやられたと実感するのである。

平成元年は、1989年。
ベルリンに旅立った年なので、よく憶えています。
日本を発った4月12日。
フィルハーモニーでの毎日の演奏会のから、
街を歩きながら、歴史と文化を掘り下げた毎日。
そして秋のベルリンの壁崩壊もこの秋。
自分の人生が大きく動き出した年は、忘れ得ず、
年月日まで記憶しているものなのです。

そんな時代に生まれた人達が大学生。
しかし、そんな時代があったことも、
勿論そんな過去が私にあったこととも関係なく、
この世を掻き分けて来て、ここで私との接点が生まれる。
単なる数字の接点ながら、
こういう出会いや、人の軌跡をなぞる事は、
両者にとって大切な気もするし、
いやなにしろ自分にとって考えさせられるもの。

達者に演奏する新人が多く一安心。
こればかりは、誰にもどうなるか解らず、
結果として期待が持てることに嬉しくなるのです。
さらに上を目指そうとする上級生の姿勢。
自分が発した音に笑顔がこぼれる更なる新人。
こちらがエネルギーをもらえる初々しい姿は、
昭和も平成もなく、頼もしい限りなのです。
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