オーラJ35回定期2016/07/01 23:48

1週間リハ漬けの公演が終わりました。
終了して2日経ったので演奏も聴き、
様々反省もしている最中でもあります。

舞台の転換が大変でもあり、
少人数でやらなくてはならない事情もあり、
これらの間合いでも少し長い演奏会になりました。

20分弱の新曲というのは、
結構なエネルギーを必要とするもので、
出演した方々も大変だったでしょうが、
ソリストのゲストとして参加してくださった
パーカッショングループのハロミーヤの
皆さんの集中力と技術たるや
学ぶものが大変あるのでした。

今回は邦楽と洋楽というコラボではないのですが、
常に細かなリズムを的確に考えながら演奏する
洋楽の打楽器奏者というものは、
合理的なリズム優先主義でなくてはできないので
現代邦楽からの視点から見ると、
彼らは先生か正確なマシーンのような
存在でもあるわけです。

そんななか邦楽の楽器事情はたくさんあり、
互いを尊重しながら一緒に演奏するという事が
大変面白くもあります。

公演の音を聴いていると思います・・・
音を出している演奏の時もそうですが、
録音というのは正直で、
しかも現代ではデジタルであり、
寸分違わず収録をしてくれるわけであり、
心臓の音やため息、
はたまた心配事やその時の反射的な後悔まで
収録してしまうのではないかと恐れます。

私は普段演奏を顧みないのですが、
今回は月曜から行う学校公演があり、
学校で演奏する「羽衣」を聴きながら
様々なチェックもしております・・・

10年ぶりの演奏した「羽衣」ですが、
新鮮さと懐かしさに加えて、
まだまだやらなければいけない事も
思い出してきます。
なにせ最初は20年前の作品でしたから、
メイン作曲者である三木稔始め、
今は無くなった巨匠方の様々な発想も
この音楽物語には凝縮しているのです。

1999年にはハバロフスクでの「羽衣」上演のために
ロシア人との稽古で私も何度も通いました。
最終的には狭小劇場なのでカラオケで
公演ではありましたが、
5回も6回も通ったハバロフスクと
トリアーダ劇場の皆さんの事は、
この音楽劇とセットでいつも想い出します。

そんなハバロフスクでのある日、
スタッフのベテラン美術家の西山三郎さんと
食後に地面に仰向けに寝転んで真っ青な空見ていると、
こう言うのですよ。
「徹ちゃん、入道雲っているのはこの空で出来て
日本にやってくるんだね」
モクモクモクモクと沸き起こる大きな綿雲は
確かに壮大な形で日本では見られない。

こういう事を言ってくださった巨匠も
今は亡き方ですが忘れぬ一言。

再演というのはリニューアルでもありながら、
決して変えられない真実もたくさんあります。
こういう財産をもう一度押入れから出して、
丁寧に紐解いてから公演したいと思うものです。

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