アマチュア流儀2016/06/18 23:44

年間を通じてレッスンしているアマチュアの
オーケストラ団体の定期公演でした。

90年を超える歴史は真摯に積み上げた
練習の成果であり、
時代が移ろうとも変わる事のない音楽に対する
熱意の結果でもあります。

学内の小さな公演から大事な式典、
少人数の同族楽器のアンサンブルに
定期的なメインにベントである定期演奏会。
実に多くの活動機会をこなしながら、
勿論これは学生生活の主ではないのです。
学業の合間に行われている楽しみであり、
課外活動としての大学生活でもあるのです。

なんて羨ましい事だと思います。

自分の大学時代を振り返っても、
音楽をやる事は日常だったわけですが、
学生時代の早くから演奏の仕事を頂いていた私は、
演奏とは楽しみの前に責任でもあったわけです。

お客様に納得をしていただく演奏。

今でも大変な事だと思います。
音楽には数字での結論や記録はなく、
正解も勿論何種類もあるでしょうから、
その都度最高の演奏を提供して
拍手という褒美をもらう事で、
ホッとしながら家路につくわけです。

プロフェッショナルと言うのは何が違うかと
問われれば、結果に対する責任だと思います。
良い演奏でも納得いくような演奏ができなくても、
その責任を持ちながら精進するのは
私たちに与えられた生業としての義務ですね。

そう考えると
アマチュアのみんなの楽しそうな顔は
もう羨ましくて仕方がないのですね。

演奏会という目標に向かい、
数ヶ月に亘り丁寧に自分の練習をした上で、
皆で集まって稽古を積みます。
さらに指導も受けて
何百時間を費やして良い演奏を目指すのです。

この経過、準備がアマチュアの最高の価値。

この準備に時間を費やした無垢な精神と
音楽に対するひたむきな姿の結果に、
お客様は大きな拍手で褒美をくれます。
演奏の出来不出来ではなく、
観客のシニカルな音楽趣味への共感という
評価でもないのです。

これが羨ましい。
アマチュアの流儀とは準備が本番なのです。

プロフェッショナルは演奏する仕事であり、
求められた音楽に結果を出す事です。
アマチュアは音楽を楽しむプロであり、
結果を出すために努力を惜しまない事です。

こう割り切ればカッコイイが、
アマチュアの真摯な姿は何時でも刺激的であり、
私たちが手にできない最高の姿なのですね。

本当にお疲れさまでした。

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