明治期の再勉強2018/04/09 22:38

最近の旅のお共はこんな本。

日々日常となっている神奈川方面に出掛けると
色々なルーツに出くわしますが、
今年の明治維新から150年の節目に
もう一度西洋事始めを
陸上げ時からさらっておこうと思います。

先日、神奈川歴史博士の学芸員様と話した時に
ペリー総督が琉球にも上陸し
軍楽隊を鳴らした話を聞きました。
五音階、それも琉球音階しか知らない島民は、
城から漏れ聴こえる奇異な音に
どれだけ恐れ慄いたか想像すると、
音エネルギーの熱量は
相当な火薬に匹敵しただろうと思い、
五感の既成概念を消し去る勇気も
また明治維新だったかと納得です

クラシックばかりではなく、ロックやジャズ、
流行の歌謡曲に至るまで、
説得力ある音楽エネルギーは
西洋の合理的な楽理が基本ですので、
音楽文化の発展は明治期の西洋音楽導入に由来です。
そしてそもそも何処で誰がどの様に普及に尽力し
汗をかきながら演奏会などを実践したか、
此処を勉強する事は、
大正昭和平成そして未来になっても
私たちは知る責任があり、
先人の尽力に感謝をしなくてはならないのですね。

まぁ難しい事は抜きにして
ゆっくり明治文化に気を馳せて
耽るのもそう悪く無いのです。

そしてこの本、
この方 徳川頼貞 様
殿様に対してではなく
敬意を表しての様であるのです。
徳川と聞くて放っておけない
ミーハー、ブランド好きなのではなくて、
力の権力の戦国時代ではない、
経済と政界の力が明治期に働きかけた
文明開化は凄まじく、
現在の私たちの生活の底辺にもあるような
基礎がそこにはあります。
音楽、芸術分野でも然り、
日常には無かった文化を持ち込む勇気には
必ずや経済力も必要だったのですから、
頼貞の活躍には感謝をしなければならない。

今まで知っていた事から、
知っていた気になっていた事、
何度か読んでもどうも関係がわからなかった人物、
そんな事に合点がいくナルホド本です。
次の年号が来て浮かれた世の中になる前に、
明治期を頭に叩き込んでおきたいものです。

「音楽の殿様」
村上紀史郎著
藤原書店

四六上製 352ページ
ISBN-13: 9784894348622
刊行日: 2012/06

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://hanatsubaki.asablo.jp/blog/2018/04/09/8822633/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。

カウンター