オーラJ定期2016/06/30 22:41

オーラJの定期演奏会前日です。
今週はリハーサルラッシュでほぼ毎日・・・。
今日は朝からと夕方からの2曲を2回に分けての
ヘビーデーでもありました。

私は10年ぶりに改定する「羽衣」と、
新作初演になる山本和智史の「ネオ・エスノ」を
指揮しますが、
どちらもまったく違う作品でありながら面白い。

「羽衣」は伝説物語があるので、
筋書きはご存知の方が多かろうと思います。
地上に降りた天女が羽衣を無くし、
無くしたと思っていた羽衣は、
天女を見初めた若者であったという話です。

母と二人暮らしで仕事に真面目な若者が、
婚期を逃してしまったのか、出会いがないのか、
なかなか女気のない生活・・・。
そこに見初めた羽衣をみつけつい隠してしまう。
こんな”つい”は誰にでもありそうですが、
この羽衣の話は最後は羽衣をみつけて、
夫も子供も置いて天に帰ってしまう話・・・。
どうにもやるせなさが残るのですが、
天女の美しさは地上の者ではないのですし、
後ろめたさの日常はリアリティのない生活で、
この日が来るのを判っていたと話す若者が
どうにも可哀想なものです。

10年前に学校公演でも招まれて、
何度も演奏を重ねた作品ですが、
少々ヘビーな展開だったので、
テンポよく展開しながら楽しめるように
カットを加えながら刷新しました。
楽しみにしていただきたいです。

山本氏の作品は、
現代に生きる作曲家の発想を邦楽に結びつけながら、
機知に富む素晴らし作品。

3人の打楽器は私もよく知る芸大卒同級生の
ハロミーヤの3人。
技術に加えて3人のカラーも豊富で、
切磋琢磨し合いながらも非常に高いレベルで
音楽を楽しむリズム職人でもあります。
邦楽特有のうねりや軋み、
杓子定規な合理には囚われない自由さは
現代邦楽でも常に大切ですが、
明確なリズムを展開させる3人のソリストとの共演は
和と洋の対比、縦と横の同調を感じる作品です。

「新しい民族」という意味のネオ・エスノ、
非常に楽しくそしてシビアでもありますが、
明日はいい演奏になりそうです。

19時〜
渋谷区総合センター大大和田
伝承ホール(小ホール)
2800円です。

ぜひお待ちいたします!
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