入場料設定2016/06/14 23:49

本日もミュージカルの舞台を1本観まして、
様々な感想と感慨深きこともありながら、
いろいろ考えるのでした。
とりわけミュージカルを観ると、
感心しながらも考え込む事が大変多いものです。

ミュージカルがPAをしていても、
電気的な処理を加えているからって、
ジャンルを見下すなんてクラシック関係者は、
今では少ないと思いたいのですが、
そういう事ではなく歌唱力のある方が多く、
非常に関心いたします。
関東老舗の某ミュージカル劇団や、
熱狂的なファンが支える老舗の関西歌劇団などは
独特の歌唱法ともいうべき歌い方があり、
台詞の喋り方に関しても癖が多いものです。
しかし昨今感心するの事は、
そういう出ではない、
俳優さん、声優さんなどのタレントの方が、
実にキッチリ歌っているのをよく見ます。
歌謡曲ではなく、オペラでもなく、
もしかしたらザッツミュージカルかもしれませんが、
でも意味と感情も伝えられながら、
ソルフェージュの基礎ができているのです。
厳しく見ても良く歌えている方が多い。

つまり非常にミュージカルのジャンルの
レベルが高いのですね。

それに関連いたしますが、
演出面に於ける美術の多様化が素晴らしく
CGや動画を多用したり、
プロジェクションマッピング利用の
投影で演出をするものが実に多いですね。

オペラに於いて最終的な音の出口で
電気的な処理を施す箏は基本的にないのですが、
オペレッタなどの場合、
ホールの自然音響があまりに悪かったりすると、
オーケストレーションもオペラとは違うので、
歌手の声を少し拡声してオケの音とのバランスを
取らなければできない事もあります。

要するに全般的に生の音である事にこだわり、
必要があっても最小限なのです。
美術に関しても基本アナログなのですが、
映像を駆使しながらの上演はまだまだ少ない。
いろいろな要因がありますので、
理由を一概には言えませんが、
「生には生」つまり「生音には天然素材」
というふうに時代考証も含めて、
なかなか近代化できないという
題材自体の背景もあるものです。

歌舞伎がそうなのですから
歴史的にも同じ背景のオペラだって、
そういうものなのでしょう。

が、もうひつと要因はありそう。
つまり人間関係。
スタッフワークともいうべき
人材の繋がりが全く別のものなのですね。
この10数年の間に
クラシック関係舞台とあちらでは、
ことの外隔たりと差異が広がっている
気がして仕方がないのです。

芸能界とミュージカル界が
密接に繋がっているのも要因でしょうが、
実にテレビ的エンタメ処理がなされています。
これには私は否定的意見ではなく、
むしろエンターテイメントという娯楽に徹した
魅せ方のポリシーに対して、
賛辞を送りたいくらい素晴らしいのです。

オペラはそれで良いのか、
クラシック演奏会はそのままで良いのか。

エンタメ性がドンドン上がっていく
ミュージカルの入場料は安くなく、
昨今の高騰具合はクラシックに比べると、
右肩上がりが甚だしいのではないのかな?
私の感覚的な事で申し訳ないです。
対してクラシック、オペラの入場料は、
さほど上がっている感覚もなく、
むしろ上げられない、
高騰させたら人が来ないのを恐れて
値上げできないのかもしれません・・・。

いや外タレと言われる海外団体のチケットは
高騰というより法外と思うしかないが・・・。

つまり古典的な伝統舞台と、
近代化凄まじい現代舞台事情では、
もはや比較にならない事項が多く、
考え方も携わる人間関係も
距離が出てしまっているのかもしれません。

これは気のせいでしょうか??
検証していきたい課題ですね。
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